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食品ロス削減給食、ICTを活用して学校横断!

 1o月の世界食料デー月間、食品ロス削減月間に合わせて、東京都小平市の複数の小学校で、ICTを活用した食品ロス削減給食の取り組みが実施されました。
小平第一小学校では、
①給食食材を無駄なく使ったメニュー4品(写真はキャベツの芯を使ったメンチカツ)と、
②エコフィード(まだ食べられる食品を再利用した餌)で育った豚肉の献立、
③食べ残しの多い食材(きのこ)をキャラクターで注目させ、さらに賞味期限間近の備蓄食品「白がゆ」を使ったメニュー、
これら食品ロス削減を意識した給食を、計6日間にわたって展開しました。

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 給食は学校間で共有したレシピで、各校に合わせた日程・回数で実施します。また給食放送では、ICTを活用し、学校を横断してコンテンツを共有、動画を配信するという試みもされました。放送は「食べ物を大切にしよう」をテーマに、主に紙芝居等を使った説明と、5分程度の動画で構成します。動画は、複数校で撮影した調理の様子や完成した給食、子どもの声等を編集したもの。複数校の素材を編集する難しさなど課題は残りましたが、他校の給食の様子を視聴する児童の反応は良く、来年度以降、無理なく継続する形を模索中といいます。また、YouTubeにアップした動画をQRコードでリンクし、家庭への発信にもつなげました。

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 さらに子どもたちが食品ロス削減給食に興味関心を持つために大きな役割を果たしたのは、今回考案したキャラクター「はぐれたべものズ」です。志村幸子先生(小平第四小学校・学校栄養職員)の描いた温かみのある手書きのデータが学校間で共有され、紙芝居や動画、給食だより等、あちこちで活躍。小平第一小学校の給食放送では、古田香織先生(学校栄養職員)がペープサートにして紙芝居に登場させたり、献立表や給食だよりにも添付して、効果的に活用していました。

 1ヵ月にわたり、さまざまな切り口で実施された食品ロス削減給食では、子ども一人ひとりが「自分たちにできることは何か」を考え、また動画を通して、他校にも広がる食品ロス削減の輪を感じる、貴重な機会となりました。

(月刊「学校給食」2022年1月号・特集2記事より。食品ロス削減給食レシピも掲載しています)