夜の星

いずれにせよ去るしかないのだ
門は暗闇につづく
花明りは
去った者どもの影へと一層昏くも蟠り
舞木葉へ揺らめいている
かのひとを
見なかった
時が果たしてあろうか
道はつづき
至り そしてたどりつく者へと
なぐさみの夜明をもたらすのだ

遺されたこどもたちよ
おやすみ
そしてすこやかに
時は過ぎ
冬は闇のようにおとずれた
その時も
門は冬の星を散りばめながら
せめてもひとときは
ひらかれていたのだ

だが誰がおとずれるというのか
愛ははさすらうもの
留まらず
ふたたびとは
留められなきもの
人の仔を
そのようにおつくりになられた

愛はさすらうもの
留まらず
ふたたびとは
留められなきもの
だがそっとかの子らへとその門へのこしておいておくれ
どれほどにきみたちを想ったか

そっとかの子らへとその門へのこしておいておくれ
どれほどにきみたちを想ったかを

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