敗戦忌

自決を遂げた少年の
血が蟠っていた

没落へつづく青年の
愛が充ち渇いていた

夕――死者がさわがしくなる刻限だ

誰も俺の名前を知らない
俺を
捜している輩は五万といる

夏草・秋草・冬草・春草
花鳥風月・宿命不在

わが身をいづる闇いづれ
白七草のなきがらとも見ゆ

誓言――汝、刃を打ち交し
われを吾すべし

深間へ到る途上へと転がりいでたる
貴様の貌を

ゆめ忘るべからず、

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?