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「陰性症状で辛い方、安心してください」がじゃまるの【がじゃらぼ】統合失調症研究所 を視聴して

感想文集ー統合失調症をもつ人の著作を中心にー no.8


~陰性症状が来たらまずは安心して。
 陰性症状が来たということは、回復期が来るということだから~

統合失調症をもつyoutuber がじゃまるさんは、このことを繰り返し強調しておられます。
統合失調症にかかった人やその周りの人に広くおすすめしたい動画です。


陰性症状とは、統合失調症の症状のうち、意欲や関心の消失・感情がなくなる・考えにくくなる・身体が重く動けない・極端な疲労などの状態です。

その恐ろしさは、症状自体のつらさに加えて
もう生きていたくない、生きる意味がない
とまで、人を追い詰めるところにあります。

統合失調症の経過は、がじゃまるさんも解説されているように
  陽性症状の強い急性期
→ 陰性症状の強い消耗期
→ 回復期  と進みます。

陰性症状の強い消耗期は、必ず通る道で避けることはできないけれど、その次には回復期が待っている。
ただ、年単位で続き、人によって長さが異なるため出口が見えにくく、重い陰性症状が永遠に続くと感じて絶望し、希死念慮を抱く人があとをたちません。

がじゃまるさんはその状況を見てなによりも、安心して!と伝えたかったのではと思います。


かつて中井久夫(神戸大学名誉教授)という精神科医が、多くの精神医療関係者に強い影響を与えていた時代がありました。
統合失調症の経過と各段階での対応方法を詳細に研究し、広めた人です。
彼は、統合失調症を患った人が過度な悲観に陥らないために医師が行うべきこととして、次のように述べています。

口がすっぱくなるほど、多くのことについて「それは一時的である」ことを告げる必要がある。
そしてそれを告げること自体が幸いに事態の一時性を高める方に働く。

精神科治療の覚書 中井久夫著 日本評論社


がじゃまるさんの動画は、往時の中井に代わって
それは一時的だから安心して。と口をすっぱくして語りかけてくれます。

そしてご自身の経験にもとづき、陰性症状が強い時期の過ごし方やどのように回復してきたかを、分かりやすく具体的に話しておられます。
無理のない方法を紹介されているので、ぜひ視聴してみてください。

今では「陰性症状がたまに起きても日常生活が送れるならそれでOK」と思えるそうです。

「陰性症状で辛い方、安心してください」
がじゃまるさんのこのメッセージが多くの人に届くように願わずにはいられません。



(追記)
がじゃまるさんがこの記事についてツイートしてくださいました。
ありがとうございます。


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