何だよ、意外と書けるじゃねえか

 久々に生成AIネタでも一つ。
 未だにブームの最中にある生成AI。そろそろ過剰な期待期のピークも過ぎ、次に幻滅期に移行した時の皆様の動向を楽しみにしている今日この頃です。

 基本的にChatGPTとは一人会議する使い方しかしていないのですが、ちょっと思いついてnote記事でも書かせてやろうかしらと色々とやってみた。
 と言うか、一人会議の内容がそこそこ貯まったので、何らかの形で放出できないかと画策したのだ。

 思った以上にそれっぽいのが出来たので、以下に掲載する。

 その後に種明かしと言うか、どうやって書かせたか、という辺りを説明しようと思う。


【ChatGPTに書かせた作例 その1】

生成AIの真実:技術の未来と現実

 近年、生成AI(Generative AI)は技術界において大きな注目を集めています。人工知能の分野において、生成AIは画期的な進展をもたらすと期待されていますが、その実際の性質と現在の課題について理解することが重要です。
 本記事では、生成AIがあくまで生の技術要素である点、技術系トレンドの問題点、そして実用化するために必要なバランス感覚とチューニングについて探っていきます。

生成AIの基本的な性質

 生成AIとは、機械学習の分野で利用される特定の技術群を指します。
 これらの技術は、データから新しい情報を生成することができ、例えば画像の生成や文章の作成など、多様な応用が期待されています。生成AIの主要な手法には、Generative Adversarial Networks(GANs)、Variational Autoencoders(VAEs)、Transformersなどがあります。
 これらの技術は、その構築や運用において革新的な可能性を秘めていますが、一方で技術の初期段階にあるため、多くの課題も抱えています。

 生成AIの重要な特性の一つは、それがあくまで生の技術要素であるということです。つまり、単体では完全なソリューションを提供することはできず、他の技術やシステムと組み合わせて初めてその真価を発揮します。
 例えば、生成AIを利用して生成したコンテンツを、別のAIモデルや人間の検証を経て最終的な成果物として利用するケースがあります。
 このように、生成AIは単なる「部品技術」として捉えることができます。

技術系トレンドの問題点

 生成AIが注目を浴びるにつれて、技術系トレンドにおいて過度な期待が生じることがあります。これは一種の「銀の弾丸」現象として知られ、新技術が解決策のすべてを提供するという期待が高まる傾向を示します。
 しかし、生成AIに限らず、技術の進展には必ずしもこのような単純な解答は存在しないことを理解する必要があります。

 この問題の背景にはいくつかの要因が考えられます。第一に、技術の理解が不十分であることが挙げられます。
 生成AIの複雑なアルゴリズムやその制限事項を理解するには、深い専門知識と時間が必要ですが、多くの場合、初期段階ではこれらの情報が不足していることがあります。

 また、メディアやマーケティングの影響も大きいです。技術系メディアはしばしば新技術を誇張して報道し、その効果を過度に期待させることで読者や投資家の関心を引こうとします。
 これにより、技術が実際の成果とは異なるほどに過大評価されることがあります。

 さらに、過去の成功例に基づく期待も影響しています。過去においても新技術が銀の弾丸として認識され、その後実際の運用において課題が明らかになるというパターンが見られます。
 しかし、これは新技術の特性というよりは、人間の心理的特性や市場の反応に根ざした現象と言えるでしょう。

実用化するためのバランス感覚とチューニングの重要性

 生成AIを実用化するためには、適切なバランス感覚とチューニングが欠かせません。これは技術の特性と市場のニーズを理解し、それに基づいて適切に導入することを意味します。

 まず第一に、生成AIの特性を正しく理解することが重要です。生成AIは革新的な技術でありながら、その限界や利用可能な範囲も明確に把握する必要があります。
 これにより、生成AIが最も適切な場面で活用されることが保証されます。

 次に、市場のニーズと技術のマッチングを行うことが必要です。生成AIを導入することで解決できる具体的な問題が何かを明確にし、そのニーズに合致するように技術を適用することが重要です。
 例えば、特定の業界やアプリケーションで生成AIが本当に役立つかどうかを検討することが挙げられます。

 さらに、生成AIを実用化する際にはチューニングが不可欠です。これは生成AIの性能を最大限に引き出すために、モデルの最適化やデータのフィードバックループを設計することを指します。特に生成AIはデータ駆動型の技術であるため、適切なデータセットの選定やモデルの精度向上が重要です。

 最後に、生成AIを実用化するにあたっては、技術の進化と共に連携することも重要です。生成AIが単独で動作するのではなく、他のAI技術やシステムとの連携によってその力を最大限に発揮することができます。
 
これにより、より複雑な問題の解決や新たな価値の創出が可能になります。

結論

 生成AIは未来の技術の一つとして大きな可能性を秘めていますが、その実用化には慎重なアプローチが求められます。生成AIがあくまで生の技術要素であり、技術系トレンドにおける過度な期待には注意が必要です。
 バランス感覚とチューニングを通じて、生成AIの真の価値を実現し、現実の課題解決に向けて進化させることが重要です。
 技術の進展と市場のニーズを適切にマッチさせることで、生成AIが持つ可能性を最大限に引き出す未来が期待されます。


【種明かし】

 さて、いかがだろうか。
 ところどころ太字にしたり段落を付けたりしたのは手作業だが、見出しや本文内容は生成されたそのままだ。
 生成AIによる文章特有の論理展開となっている点はさすがに拭い切れないものの、noteにも大量に転がっている「ChatGPTに書かせてみました系記事」とは少々趣が異なっている点に気づいただろうか。

 単純にテーマを与えて文章を生成させると、大抵はどこかで拾ってきたような情報の羅列になり、言ってみれば「何も言ってないのと同じ」文章が吐き出されがちだ。要は一貫した主張を欠いた文章になりがちなのだ。
 さりとて、ならば一貫した主張を指定したところで、次はその主張を構成する話題が定まっていないので、これまた無理矢理感のある文章が吐き出されがちだ。
 上に挙げた作例が、普通に生成した文章と比べて何が違うかを見分けてみてほしい。

作り方みたいな何か

 今回の文章を生成させる上で、いわゆる「プロンプト」というやつは特に工夫していない。さりとて、カスタムの専用AIを作成したわけでもない。普通にChatGPTのページで3.5を使って吐き出されたものだ(無料の範囲でしか使っていないので、生成に至るまでに4.0oの制限は使い切っている)

 やったことは至ってシンプル。

 事前にChatGPTと議論して、材料が揃ったと思ったタイミングで記事を生成させただけ、だ。
 一度はやってみた人も多いでしょ? それで意外と何とかなるんです。

 具体的には以下のような問いかけを投げた。(ChatGPTからの返答は省略する)

なるほど、ちょっと生成AIの特徴が見えてきたぞ。

それと共に、チューニングが超絶に難しいというか、針の穴を通す話になって、人間がこれを構築できるのか怪しいという話にもなってくるぞ。

まず、そのままでは多分、再現性のないブラックボックスになるんだ。色んなパターンを生成できて、軌道修正が利きやすい分、再現性に課題を抱える状態だ。特に仕事で利用する際に再現性の無さは致命的になったりする。

これをカバーしようとして、結果をある程度ロックする働きを設けると、今度は軌道修正が利きにくくなる。言い方を変えると頭が固くなってしまい、何度間違いを指摘しても根本修正してくれなくなるんだ。

つまり、双方のバランスが重要ではあるんだが、それをチューニングできる人間がどれだけ存在するんだという話になってしまう。

※これはChatGPT, Gemini, Copilotそれぞれの特徴から思いついたこと。GeminiとCopilotは後発だからか、定型処理向けの調整がされてるように感じた。つまり、何かの拍子で返答が定型文に近付いていき、下手すると何を指摘しても答えを根本修正してくれなくなる傾向が散見されたのだ。

結局、生成AIというのはRaw Technologyとでも言うか、これまでの技術トレンドに比べるとまだまだ基礎的な性質が強く、応用分野になり切れていないんだ。
生成AIを活用できるかどうかという論調が強いが、そもそもが基礎的な技術で、アプリケーションやソリューションになっていないのであれば、ユーザーサイドが直接活用するというような代物ではない。
どちらかと言えば、メーカーサイドが製品に組み込むことで、やがては製品のブラックボックスとなって、ユーザーは生成AIが何かなど考えなくて良くなるわけだ。
そのあたりの理解がそもそも浅いから、技術の性質とターゲットが微妙にずれたまま発信されているのではないか。

メーカーサイドとしては、いかに自社製品に組み込むかというアイデアであり、単なる部品技術であるならば、別に必須でも何でもないわけよ。
これを下手に必須であるとすると、見当はずれな仕様が出来上がったりする。

部品的な技術であるとなれば、単体でどうこうという発想では無く、既存の何かと組み合わせる発想が重要になってくる

間違っても銀の弾丸ではないのは確か。
なのだが、技術系トレンドの過剰な期待期には必ず銀の弾丸扱いされてしまうのは、人類は何も学習できてないってこと?

 こんな具合にChatGPTとのキャッチボールに興じていると、記事にまとめさせたい内容の骨子も自然にイメージできてくる。
 んで、生成指示自体は非常にシンプル。

ここまでのやり取りを元に、3000字程度の記事にまとめて。生成AIはあくまで生の技術要素である点と、技術系トレンドの問題点、実用するためにはバランス感覚とチューニングが重要であることに言及して。

 ここに貼り付けて判ったけど、全然全く3000字に届いてねえな。まあ御愛嬌だ。
 事前議論の中で使えそうなトピックをピックアップする形なので、生成指示を出す時点で大まかな完成形もイメージできて、非常に指示がしやすい。
 今回は一回で済んだけど、気に入らなければ指示を調整していくわけだが、ここでも事前のやり取りがある分、調整指示も出しやすい。

指針っぽい何か

 ついつい「プロンプト一つで記事生成!」みてえな万能未来路線に走りたがるのが大衆向けのお約束ではあるが、しかし実際に初手から生成指示で始めると、特に修正指示が超絶難しい。万能路線を提唱してる人が、本当にこのへんを検証しているのかは非常に怪しい。

 指示を出す側が完成形をイメージ出来ていて、いきなり指示から入れるのであれば、それはほとんど半分ぐらい文章のエッセンスを指示に盛り込んで構成まで逐一指定することになって、それって指示なのか本文なのかどっち?という話になる。
 何より、生成された文章が、本当に自分の言いたいことに近いかどうかを判別できなければ、そこからどうやって指示を調整できるというのか。文章が出来上がれば何でも良いというのでは、それは無責任な記事を量産するだけの不法投棄的行為でしか無くなってしまう。

 事前の議論を経由することのメリットは他にも、独自表現を使えるということが挙げられる。議論の中で独自表現を用いて一連の概念を表現しておけば、記事生成時にもその表現を使ってくれる。
 あくまで議論の中で人間側が自然にポロッと書いてしまうのがポイントだ。結果として、人間の文章っぽいエッセンスが加えられることになる。
 最初から意図した固有名詞的な用語や造語ではない、書き手の癖に近い、ライブ感のある脊髄反射的な言い回しは、本人も気付いていないことすらある「自分の文章の特徴」なので、こういうのを取り込む意味でも、事前の議論を経由する価値が出てくる。

 要するに「最低限の手間ぐらいは惜しむな」の一語に集約されるわけだが、その最低限の手間こそがクリエイティビティのコアであって、それをサボって自動化に走るなど、それこそが無駄な労力では無かろうか。


 ・・・という気付きに基づいて、同じく議論した後に生成させた記事を貼って、今回は終了。

 以下の文章について、どのあたりが議論でポロッと出た言い回しか、というところを想像しながら読んでもらえれば幸い。


【ChatGPTに書かせた作例 その2】

生成AIでの記事作成にまつわる誤解と落とし穴

生成AIによる記事作成には多くの誤解や落とし穴が存在します。特に「プロンプト一発で質の高い記事が生成できる」と思い込んでいる場合、それは大きな誤解です。生成AIの特性と限界を理解しないまま、効率性を追求して一発生成を志向すると、結果として浅い内容や無味乾燥な記事ができあがることが多いのです。

独自表現と人間の「ブレ」の重要性

まず、生成AIは膨大なデータから学習しているため、一般的な表現や情報を提供することには長けています。しかし、独自性や深みを持つ文章を生成するには、人間の洞察力とクリエイティビティが不可欠です。生成AIは人間の経験や感情、思考を完全に再現することはできません。これが、プロンプト一発で生成された記事が情報の羅列に終始しがちな理由です。

人間の文章には、独自の表現や言い回し、いわゆる「ブレ」が含まれます。これが文章に深みや個性を与え、読み手に響くポイントとなります。例えば、同じ事柄を説明する際にも、人間は自分の経験や知識に基づいた独自の言い回しを選択することがあります。これが生成AIには再現しにくい部分です。

質の高い記事を生成するための鍵:AIとの対話

では、どのようにして質の高い記事を生成するか。その鍵は、AIと人間の対話にあります。プロンプト一発で何とかしようとするのではなく、生成プロンプトを与える前にAIと議論するステップを踏むことが重要です。このステップを通じて、アイデアや視点を深めることができます。

AIとの議論を通じて、独自のキーワードや新たな視点が生まれることがあります。これが記事のオリジナリティを高める要素となります。また、議論を通じて人間側の意図や重要なポイントが明確になるため、生成された内容がより正確に目的に沿ったものになります。このプロセスにより、AIの生成のチューニングが容易になり、結果として質の高い記事が生まれるのです。

人間の意図を反映させるためのステップ

さらに、AIとの対話を通じて、どこをポイントとするかを特定することができます。これにより、記事を書く人間の意図が反映された文章になり、単なる情報の羅列ではない、深みのある内容が作成できます。このステップを省略すると、生成された記事はどうしても無機質で一般的な内容になってしまいがちです。

効率性と独自性のバランス

プロダクト化を目指す場合でも、このステップは重要です。効率性を重視して一発生成を志向するのは理解できますが、人間の文章に求められる独自性や深みを見落としてしまう可能性があります。生成AIの特性を十分に理解し、人間のクリエイティビティや視点を反映させるステップを取り入れることが、質の高い記事作成の鍵です。

結論:質の高い記事作成への道

結論として、生成AIを活用して質の高い記事を作成するには、プロンプト一発に頼るのではなく、AIとの対話を通じてアイデアや視点を深めることが不可欠です。これにより、人間の独自表現や「ブレ」が加わり、オリジナリティのある深みのある文章が生まれます。生成AIの限界を理解し、その特性を最大限に引き出すためのステップを踏むことが、質の高い記事作成への道となるのです。



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