制作日誌 01
いつもより少し早く春風が吹き始めた頃からだったでしょうか。
その春、うららかな気候とはうらはらに、街にはこれまで体験したことのなかったような混乱の嵐が吹き荒れていました。
それはここ私設図書館シャッツキステも同じで、運営を担うメイドたちが日々変わる状況を前に頭を悩ませていました。
(ルナ)
旅人さまには楽しんで頂きたい
でも
お家で安全に過ごしても頂きたい…
悩みますね。う〜ん…
みんなで相談をしていた時、総メイド長のエリスがはっとひらめいて顔を上げました。
(エリス)そうよ!私たちが場所を移動すればいいのよ!
(アオイ)えっ、こちらから旅人さまのお家まで訪ねていくのですか?
メイドが誰でも使える移動手段といえば…自転車で…?
わ、…………分かりました!!!
(エリス)そんな体力勝負じゃなくても大丈夫だからね?!
ええと、そうじゃなくて…
総メイド長は懸命に説明します。
いつも館内でご用意しているお菓子や茶器、館内の音楽などを旅人さまのお手元にお送りできないか。
そうしたら、きっとお家に居ながらにして館内の雰囲気を感じていただけるのではないか。
急なことだけど、みなさまに楽しく、安らいでもらうためにきっと何かできるはずと…。
(エリス)題して「アキバメイドは電脳世界の夢を見るか?」!
(シズク)そのネタは若いメイドには通じないと思いますよ。
(エリス)「おうちDEメイドカフェ」
(シズク)なんで“で”だけローマ字なんですか?
(エリス)ジェネレーションぎゃっぷぅ…
……ともあれ、早速やってみたいことを書き上げた図がメイド長から示されると、わっと歓声が上がりました。
(ルナ)お紅茶にクッキー、ほんのり植物の香り。これならいつもの館内の雰囲気に近づけられそうですね。
(アオイ)お届けの方法さえうまく考えられれば、作るのは問題なさそうです!
(シズク)でもこれってエリスさんがほしいだけでは…
(エリス)この緊急事態に細かいことは言いっこ無しよ。さぁこの計画、ほかのメイドたちにも話してみましょう。
こうして始まった呼びかけに、すぐにメイドたちから返事が届きます。
「クッキー、お菓子、たくさん焼きますよ!」
「ジャムのラベル作れます」
「手編みのコースター、上手にできるようになったと思います」
「ティーコジー、布製小物縫えます」
「完成まで時間はかかりますが、陶芸できます」
「アロマメイドの腕の見せどころ…任せて下さい」
「ピアノの練習をしておきます」
「またみんなで新聞を書いて添えるのも面白そう!」
館内でお出ししているもの、それから新しく作ってみたいもの…
どれも私設図書館に繋がるようなものが挙げられ、得意な担当に分かれて進めることになりました。
メイドの手でできる小さなことを少しずつかもしれませんが、それぞれが楽しくできることを精一杯。
(エリス)みんなありがとう。完成に向かってスタートね!
思いもよらなかった強い嵐が吹きつけるある日、街外れの小さな私設図書館の明かりがぽっと灯りました。
ささやかな品々が楽しさと安らぎの息吹となるように願って、
私設図書館からあなたの机へ。
お届け物はきっともうすぐ…
( 登場メイド紹介 )
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ということで、制作日誌01では、ここ数週間のメイドたちの様子をお送りしました。
こんな感じののほほんテンションですが、メイドたちの奮闘をわたくし総メイド長エリスが、現場からお伝えしていきたいと思います。
ゆるゆるとお付き合いいただけたら幸いです。
▼当企画『 Maid on Your Desk 』についてはこちら
以上で、日誌の本文はおしまいです。
ここからは、ちょこっとしたおまけとなります。
今後は制作日誌の本文は無料、最後にこのようなおまけを¥100〜300にてちょこっとご用意する予定です(今回は無料にて公開しております。)
おまけではメイドの日常写真やイラスト、4コマなどを充実させていきたいと計画中です(*´`*)有料記事…というよりは、メイドたちの遊びの部分ですので、ご理解の上お楽しみ頂けたら幸いです🙇♂️
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