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【vol.20】地域説明会・開校準備委員会の経過(時系列で整理)

 これまで、全6回にわたって福山市学校再編について分析してきました(各記事のリンクはこちら→第Ⅰ段階(2012年2月~)、第Ⅱ段階(2015年8月~)第Ⅲ段階(2016年9月~)、第Ⅳ段階(2018年4月~)、第Ⅴ段階(2019年2月~)、第Ⅵ段階(2020年2月~))。

 ここで、各学区で行われた地域説明会と開校準備委員会を時系列で整理していきます。

 福山市教育委員会は、「適正化計画(第1要件)」(詳細はこちら→【vol.4】福山市「学校再編」の動き)の中で、「開校までの流れ」を次のように示しています。

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出典:「福山市学校規模・学校配置の適正化計画(第1要件)」福山市教育委員会,9頁

 福山市が「開校までの流れ」として挙げているのは、「地域説明会の開催」と「開校準備委員会の設置」のみでした。そこには、「学校を統合するか、または存続するか」について話し合う段階や、もし統合する場合は「どの学校とどの学校を統合するか」について話し合う段階が想定されておらず、統合対象校を市教委が決定し、住民がそれに従うという前提であるという問題点については、これまでも繰り返し指摘してきました。

 裏を返すと、市教委としては「地域説明会」を行い、「開校準備委員会」を設置しさえすれば、名目上正規の手順をふんだということになるので、機械的に学校統合を実行することができるということになります。

 以下では、福山市の各学区でいつ地域説明会と開校準備委員会が行われたのかについて、一覧表にして整理しています。

●各学区の説明会や開校準備委員会の開催状況

開校までの流れ1

◆(1)(2)について
 「第1要件」にあたるとされた東村小の学区と服部小の学区では、2016年の時点(第Ⅲ段階)ですでに第一回地域説明会が開催されています。

◆(3)について
 また、能登原小学校は「第2要件」とされましたが、2017年(第Ⅲ段階)で第一回地域説明会が開催され、学校を残してほしいといった住民の声が寄せられました。

しかし、福山市にとって「地域説明会」は学校再編に向けて踏むべき1つのステップにすぎず、その中で寄せられた保護者や住民の声を反映するという前提はありませんでした

内海町では、2016年(第Ⅲ段階)の時点で保護者役員意見交換会が2回、まちづくり意見交換会が1回開かれています。ただし、これらは「福山市学校規模・学校配置の適正化計画(第1要件)」に示された「地域説明会」にはあたりません。内海・内浦学区の正式な「地域説明会」の開催は、2019年5月10日の説明会を待つことになります(記事はこちら→第Ⅴ段階)。

◆(4)について
 このように見ると、山野学区の学校再編は、「適正化計画(第1要件)」で名指しされた学校の中では、最後まで決定が行われなかった学区だということが分かります。

 以上の整理をふまえた上で、次回の記事では、全体を通した行政の論理の変遷を総括していきます。

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