見出し画像

「香り」から生まれる感性教育とは?

「香り」が教育にと言われてもなかなかピンと来ない方も多いと思います。実は五感を鍛えることは脳の活性化にも良く、様々なひらめきなどの直感力を伸ばすことに繋がります。特に脳の成長段階である幼少期に五感を鍛えることは重要であると言われています。

しかし、五感の中でも「嗅覚」はなかなか教育に組み込むことが難しいと考えられてきました。そこでセントマティックでは、香りと言葉を相互に変換する「 KAORIUM(カオリウム) 」を教育に活用すべく、現在様々なプロジェクトを進めています。

2020年には、今までになかった感性教育として、KAORIUMを使った「クリエイティブアワード」を実施。今回は、これまでのプロジェクトを振り返りながら、今後の感性教育の取り組みを少しだけお見せします。

保護者も驚いた。新しい感性教育!

画像1

豊かな感性を育む「新しい香りの楽しみ方」の提案として、2020年8月1日に、香りから物語をつくる作文アワード「 第1回 KAORIUM クリエイティブアワード ~”ロスフラワー”の香りから生まれる物語~ 」を始動しました。今までになかった感性教育として「香り × 言葉の超感覚体験」を、コロナ禍で外出できない短い夏休み期間中、廃棄されてしまう花「ロスフラワー」を活用し、花の香りから物語をつくるオンラインワークショップを実施しました。香りを基点に言葉を紡いでオリジナルの物語をつくるというこの取り組みは、保護者の方も驚くような作品を子供たちが生み出すきっかけとなりました。

その中から一例をご紹介。

『ちょうの食事』
たなか ひろこ(8歳)岡山県

秋の10月の少しくもっているある日、ちょうの姉妹が花のみつをすいに花畑にやってきました。姉は「ローズ」妹は「フラワー」というなまえです。花畑に来ると、トローンとしたはちみつみたいなにおいがしました。二ひきとも、「わぁ」と言って、いってみると紫色の大きなバラがありました。みつをすってみるととても甘くて、二ひきはむちゅうになって「ゴクゴク」のみほしました。運よくとなりにも同じ花がありました。それもぜんぶのんで「ローズ」と、「フラワー」はおなかいっぱいで家に帰りました。そして、しあわせそうに、ねむりました。

画像2

こちらは、わずか8歳の女の子がつくった作品なんです。驚きですね!実際に花を触ったり、香りを嗅いだりと五感を刺激することで、子供たちの自由な発想を呼び起こし、想像力を広げているのが分かります。

KAORIUM クリエイティブアワードでは、なんと全国の小学生 171人が参加。花の香りからオリジナリティ溢れるたくさんの物語が生まれました。保護者の方へのアンケートでは、満足度 9.1点をいただくことができ、大変喜んでいただくことができました。

広がる「KAORIUM クリエイティブアワード」の輪!

その後も、「香り × 言葉の超感覚体験」の取り組みは広がっています。2020年11月には、地域特産品の香りから子供の感性を育み、感性で地域を理解し発信する場の提供として、小学生を対象にした感性教育プログラム、「 第2回 KAORIUM クリエイティブアワード 〜特産品ゆずの香りから生まれる物語〜 」を実施しました。

第2回は、日本各地のゆずの名産地である5つの自治体とのコラボレーションにより開催。全6箇所 「福島県 矢祭町」、「長野県 天龍村(天龍小学校)」、「島根県 益田市(都茂小学校)」、「島根県 益田市(ゆず産地づくり協議会)」、「高知県 大豊町(おおとよ小学校)」、「高知県 北川村」にて、地元の小学生を対象にオンラインワークショップを実施しました。

このワークショップでは、嗅覚をつかった感性教育という側面をもつ一方で、地元の子供たちが農家の方々と接点をもつことで、生まれ育った土地に愛着を持てるのではないかという願いも込められていました。

嗅覚の感性を育む小学校向け教育プログラム

現在、さらに多くの子供たちに「香り × 言葉の超感覚体験」を届けるために、科学教育を行う株式会社リバネス(​​Leave a Nest)さまをパートナーに、新たに小学生向けの教育プログラムを開発中です。

五感教育が大切と言われる中でも、嗅覚を用いた教育というのはなかなか進展していないのが現状です。そこでセントマティックでは、 小学生の生活科科目の第一人者である国立大学法人愛知教育大学学長 野田敦敬先生にKAORIUMをご体験いただき、視覚・聴覚に加えた嗅覚の感性教育の可能性を共同で模索しています。(体験会の様子:https://scentmatic.co.jp/news/20201118

2020年10月には、最初の教育プログラムが完成したのですが、昨今の自粛体制の中、実際の小学生に体験いただくことを断念。それをきっかけに、より良いプログラムにするために、試行錯誤を繰り返し、近々、新たなモデルでの体験会の実施をとある小学校にて予定しています。

体験会に関する詳しい情報は、また別途配信を予定しておりますので、ぜひ次回もご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?