化粧品は水商売なのか?

 こんにちは、メンバーOです。現在、合同会社SCENSEにて、新規スキンケアブランドの開発中です。本日は「化粧品は水商売なのか?」について考えてみたいと思います。業界の中でも、化粧品、とりわけスキンケアって水商売だからなぁーとつぶやく人が目立ちます。化粧品業界のコスト構造を見てみると、他産業と比べて原価率は低く、販促費やマーケティング費用が高いことが分かります。各社の財務諸表等を見ても面白いかもしれません。一般的には大手化粧品メーカーのスキンケア商品は原価率15%以下であることが多いです。このように、実は中身(原価)は思った以上に安く、逆をいえばブランディングにかかわる宣伝費用に莫大なコストがかかっています。個人的には、SNSが発展した時代だからこそ、もっと中身にこだわった良い商品を適正価格で開発したいなぁーと思っていますが、既存の化粧品メーカーでは、今更原価率を向上させるのは無理難題でしょう。
 中身よりも、それ以外の販促費が高いといえば、やはりキャバクラ等の水商売でしょう。セットに含まれる飲み放題プランの中をのぞいても、比較的リーズナブルな酒類かと思いますし、キャストの給料や内装費など世界観演出の方がよっぽど高コストな業界です。そういう観点では、化粧品業界と似た業界と言えます。このような流れから、化粧品=水商売と揶揄させることになります。

結論、化粧品ビジネスは水商売

コスト構造を見ても、やはり化粧品ビジネスは水商売です。ただ、ここからが肝心です。化粧品はOEMメーカーという化粧品製造専門の会社がかなり発達しており、誰でも簡単に化粧品を作ることができます。しかし、売れる化粧品は極わずかです。作るのは安し、売れるのは難しって感じです。一昔前の化粧品業界では、モノが良ければ売れる時代でした。競合他社よりも良い商品を出すことが商品企画や研究の腕の見せ所だったわけです。しかし、今現在の化粧品業界では、モノによる差別化は厳しく、マーケティングに依存することが多いです。良い商品であることは当たり前で、競合他社よりも尖ったマーケティングが求められています。これを水商売にたとえてみると、お酒やキャストのクオリティーが一定以上のレベルであるのは当たり前で、顧客体験で競合店との差別化を図るようなイメージです。キャストとの会話や、アフターフォロー、接客サービスなど来店前・来店中・来店後の体験軸に沿って、他社を圧倒するサービスを提供する必要があります。

水商売だからこそ・・・

スキンケア=水商売であることは事実ですが、水商売だからこそ、成しえることがあります。顧客の心をくすぐり、ワクワクする体験を付与できるのは化粧品ならではのメリットです。最近は化粧品が医薬品のような側面を持つことも目立っていますが、化粧品本来の特徴は、日常に色どりをプラスすることです。例えば、「メイクすることで自分に自信を持ち、好きな人に声をかけることができた」や「このスキンケアを使うだけでストレスから解消され、至福のひと時を過ごせる」といった評価を頂けると、化粧品担当者としては担当者冥利につきます。別に、日常生活に化粧品はMUSTではありませんが、数百円~数千円程度でも、日常がより豊かになると考えれば、結構コスパが良い商材かもしれませんね。
結論、化粧品=水商売、だけど顧客視点ではコスパ良い水商売です。