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【基礎デ卒展2021】 デザイナーに聞いてみた!今年のメインビジュアルはどうやってできたの?

 今年の基礎デザイン学科の卒業・修了制作展のメインビジュアルは、専任教授7名の顔をそれぞれアスキーアートで表現したもので、印象的だった方も多いのではないでしょうか?目を惹くこのデザインはどのようにして作られたのか、デザインを担当した学生にお話を伺いました!


メインビジュアルのコンセプトを教えてください。
 
オンライン授業をモチーフにしました。JPEGを拡大していくと画素の集合が見えてくることを、遠目で見た時と近目で見た時の印象の差を演出できるポスターというメディアで模す試みでした。


どのような方法で制作しましたか?
 
 ネットで先生の画像を集めて、文字列に変換して、バランスみて配置。


田中先生からはどのようなアドバイスをもらってどうブラッシュアップしましたか?
 
 「顔の部分の書体はくせのあるものが良さそう」とか、「色を感覚で決めるんじゃなくてなにか意味を持たせたらどうですか」とか。一番大きかったのは「デザインである以上情報を伝達する機能を果たすことは忘れない、その部分はデザイナーに徹してください」というアドバイスで、初期段階ではグラフィックのアイデアに引っ張られてデザインの機能がおろそかだったところを徐々に調整していきました。


こだわった部分は?
 
 顔の画角のバランスと、視線の方向を人ごとにバラバラにすること!あとは、並行してwebサイトのデザインも考えながら進めたので、サイトとポスターを行き来しながら調整を繰り返したのがビジュアルに影響したと思います。


苦労した部分は?
 
 深夜に作業してて、教授の顔のスクリーンショットがデスクトップを一面埋め尽くしたときには、こんな時間に一体なにしてんだ......と思いました。


見る人にはどのあたりに注目してほしいですか?
 
 特別注目してほしいところと言われると難しいですが、ポスターの右下のウェブサイトのURLを記載する部分がミスで抜けているものが多々あって、そこだけは見なかったことにしてほしい......ごめんなさい!!!


学内に掲示されていた各種サインで工夫した点を教えてください。

 サイン各種は開催概要の情報だけで構成することにしました。卒制提出一ヶ月前くらいの忙しい時期に展示班の方々がつくったものです。(お疲れ様でした......)

 アスキーアート文字ジェネレーターでナイスな書体を選んでGO!¯_( ͡° ͜ʖ ͡°)_/¯という感じだったと記憶しています。

 とてもキュート。研究室でこれを出力していたとき、原先生が通りがかりに二度見していたとか、いないとか。


後輩の皆さんへメッセージをお願いします。

 この度はメインビジュアルを担当する機会と、このように取り上げていただけたことに感謝しています。その上で、もしだらだらと後悔録を書きつらねる勝手を許していただけるなら、ここに記しておこうと思います。

 今年のようにいい紙を使うなら、ポスターや教室サインはパネルに貼らず直接壁に貼ったほうが見た感じが良いと思います。大型出力のものは強度の関係でパネル貼りがどうしても必要みたいですが……。そもそも、印刷にすると、直前に内容の修正があったときには忙しい時期にデータのやりとりでバタバタするし、切り出しやパネル貼りもしなくてはいけないし、印刷してから変更するのは難しいです。

 今年は公開プレゼンが直前に全面オンラインに切り替わりましたが、各種印刷物はそれを反映することが追いつきませんでした。それにお金はかかるし、展示が終わったら使い道もなく捨てることになります……。だから、リーフレットはPDFでよかったんじゃないかと思います。

 現代において、情報伝達はインターネットを通じて複製可能な文書を共有することで十分その機能を果たすのだから、メインビジュアルでポスター制作、それを学内にたくさん印刷して貼る!!! のでなくて、たとえば簡潔に作品を紹介するウェブサイトから始めて、そこを起点に考えれば自ずとここ何年かのようなポスターのビジュアル中心型ではないビジュアルやサイン計画が生まれるはずだし、他学科とポスターが混在して所狭しと貼られるような見苦しい状況を回避できます。

 なにより卒業制作展は作品がいちばん重要だから、作品と直接関係ない謎のビジュアルこしらえて会場でそれぞれの学科が主張し合っていてもしょうがない……。壁飾ってる時間あるならその労力で動線をデザインする看板作るほうがいいです。武蔵美の校内はただでさえわかりづらいから……。それから、メインビジュアルが全体のディレクションを必要とするような場合は、担当する人は各班としっかり意思疎通してビジョンを共有することを躊躇わないこと。今年度のコンペはポスター用のビジュアルだけでしたが、今後、サイン計画やリーフレットなどのおおまかなイメージを含めてコンペすれば、制作当初から全体でイメージを共有できていいですねと、田中先生と話していました。

 でもそんなことはいざ自分の身に降りかかると判断するのは困難です。それ以外に自分の制作も、自分の人生もあるし。

 こうしてあとから言葉の上で反省することは簡単で、これは当人ではなくなった人の勝手な考えですが、これから卒制展やビジュアルを手掛ける人がもし読んでくれているとしたら、これまでの因習を破壊して、どんどん新しいものに変化させていってください。それが重要なことです。ありがとうございました。



メインビジュアル担当の方、ありがとうございました!

これで2021年度卒業・修了制作展広報の活動は終了です。
これまで記事をご覧いただき、ありがとうございました!
来年の卒業・修了制作展も楽しみにしています。後輩の皆さんを応援しています! (2021年度卒制広報 note担当より)


sns・website↓

↓インスタでは全7点のメインビジュアルが見られます。

↓こちらのウェブサイトではメインビジュアルがランダム表示されるほか、学部生の卒業制作コンセプトなどが読めます。

公開プレゼンテーション(1/16)アーカイブ公開中!


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