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卒業制作終わったけどどうだった?2021 〜学生インタビュー 柴田ゼミ編〜

2021年度の卒業・修了制作展から早くも1ヶ月が経ちました。
各ゼミの皆さんに卒業制作を振り返ってもらってインタビュー!
葛藤やこだわりなど、掘り下げてお聞きしました。
今回は柴田ゼミです!

『 colon: 』 ゼミ長 Tさん

1年間のゼミを振り返ってみて一言お願いします
穏やかなゼミだったなと思います。
毎回全員で全員の進捗報告を聞いてみんなで考えるみたいな。わいわいした感じではなかったけどでもしっかり意見が届くゼミで、個人を尊重する優しくて強さのある雰囲気が好きでした。

自身の作品の解説をお願いします
幼稚園くらいの子が遊ぶ室内遊具。
家の中で全身を使って遊べるものって変わらないな。少ないな。と感じていたので、新たに何か作れないかと思い制作をしました。赤青緑と丸三角四角という基本的な色・カタチを使った色のパズルです。

どのような制作スケジュールで進めていきましたか?
4,5,6月 就活に全振り期
7月 就活燃え尽き期
8月 夏休みを楽しむ期
9月 やりたいこと迷走期
10月 決心
11月 制作方法模索期
12月-1月 全力制作期

私は卒制に着手するのが遅すぎました。反面教師として見ていただければ(笑)
本当にずっとなんで卒制をやるんだろう。何が知りたいんだろう。と目的意識を持てない日々が続きました。この春、忙しいとは思いますが卒制でやってみたいことをなるべく具体的にかんがえてみるといいのかなと思います。楽しいもの、人の役に立つもののようなふんわりとした目標のうちは考えていないのと同じだったなと私自身が感じているので。

制作費用はいくらですか?
作品 おそらく11万
壁立て+什器 約4万

材料をケチって制作中足りない!というのが嫌だったので多めに買っていました。
もう少し節約できたかとは思いますが、試行錯誤の間はわからないものなので結果論ですね。少し多いかなくらいのほうが焦らないで良いと思います。

大変だったところはなんですか?
前期は制作の目的がわからない!とプチパニックになって大変でした。
友だちや仲のいい先生に相談して自分がどう考えていて、どうしたいのかを探しましたが、あとから思えばもう少しゼミの教授と個人的な話ができたらよかったと思います。困ったなと思ってもなかなか解決方法が見つけられなかったので、相談することが大切だと思いました。
後期は作りたいものと自分ができることのギャップに苦しみました。
機材さえあれば10分でできるのに、持ってないから1週間。みたいなことがザラにありました。道具はお金・場所が許す限り投資して、効率よくクオリティーをあげてください!

制作においてこだわった点はどこですか?
要素を絞っていき最終的に、球・三角錐・立方体という幾何学模様に則ったかたちに決定しました。単純ですが単純だからこそパズルとして遊びのパターンが増え、どんな家庭にも受け入れられやすいのではないでしょうか。
そして色の響きあいと布に触れたときの感触を大事にしたかったため、質感の違う白い布を組み合わせました。内側には触った時のもちもち感を出すためにウレタンゴムを巻いたところもポイントです。
パズルであり、運動であり、創造であるcolon:が、あそぶ1つの選択肢になればいいなと思っています。

やってよかったところはありますか?
卒展の際に見にきてくれた子ども達が熱心に遊んでくれて、実際に使ってもらえる嬉しさを知ることができたのは大きかったです。
卒展のときは他の学生の作品を見たくなると思うのですが、部屋にいると見にきてくれた人の鑑賞スタイルを見れたり感想が聞けたりと楽しいのでなるべく在廊するといいかもしれません。

次の4年生に一言お願いします!
今までやってきたことが使えなかったりやったことないことに挑戦する必要が多くあると思いますが、やっていけば必ず方法が見つかります。試行錯誤して頑張ってください。
迷った時は、人にどうして?をもらうと自分の輪郭が見えてやるべきことが見えるんじゃないかな。これから1年素敵な卒制ライフをお過ごしください。


『 Dimension 』 海野英祐さん

自身の作品の解説をお願いします
家具を制作する機会が多かったので、卒業制作でも家具に取り組みたいと思いました。「本棚から本を抜くと、それはただの箱になり、仕切られただけの空間になる。本棚は本が置かれて初めて『本棚』として成り立つ」という自分なりの研究から、本を置かないと構造が崩れる本棚を制作しました。

どのような制作スケジュールで進めていきましたか?
4月~7月:卒制の方向性・コンセプト決め
7月~8月:ブラッシュアップ
9月~10月上旬:中間講評を受けて、さらにブラッシュアップ
10月上旬~10月下旬:制作物決定、必要な木材の買い出し
10月下旬~12月2週目:制作期間。11月1日から制作が始められるように、必要なものは全てその日までに揃える。12月2週目までに塗装含め、9割が完成。
12月3週目~4週目:展示部屋に搬入。大きさの都合で、搬入してからパーツをつなぎ合わせて組み立て。
1月~提出まで:最終塗装

制作費用はいくらですか?
25万~30万

大変だったところはなんですか?
木造作品で高さが2200mm近くあり、1人で組み立てるのには苦労しました。直角や垂直を出して綺麗に見せる作品なのですが、木材のたわみがあり、精度を出すのが大変でした。

制作においてこだわった点はどこですか?
卒制ならではの作品規模、見た人に驚きを与えること、余裕を持って卒制を終わらせること。

やってよかったところはありますか?
不安定な構造のために、日々「提出に間に合うかどうか」ではなく「崩れないかどうか」という点で精神的な戦いをしていました。それもあって、完成した時もそうですが、卒展期間を無事に乗り越えられたことに感動しました。壊れてしまうかもしれないギリギリのラインを攻めた構造の卒制って数少ないような気がしているので、すごく自信になりました。

次の4年生に一言お願いします!
僕は12月1日で卒制を完成させる予定でしたが、それでも2週間ほど予定が遅れました。早め早めのスケジュール管理が大切です。塗装はスプレーよりも絵の具の方が精度が出ます。あとは、扱ったことのない素材や初めて経験する行動(鉄に穴を開けるとかパテを塗るとか)に出る時には、まずはその道に詳しい人に頼りましょう。


『 糸遊 』 菅野華佑さん

自身の作品の解説をお願いします
服を纏って自分の気持ちが変化することがあるように、空間でも同じことがあるのではないかというのがこのインスタレーションを作ったきっかけです。冬の朝、家から出て空気を吸うと私も冬になれた気がします。そういう空間と自分との境界が曖昧になって一体化する瞬間を体験できるインスタレーションです。
少しの人の動きや空気の流れで揺らめくように、600本の筒を天井から床近くまで垂らし、真っ暗の中でゆらゆらと揺れる光に囲まれる空間を作りました。

どのような制作スケジュールで進めていきましたか?
6月の中間プレゼンにはテーマを決めて、ラフ案やモックを作る作業を繰り返してました。夏休み後の中間プレゼンが終わってから考えがようやくまとまって、そこから具体的な素材や展示方法の詳細を決めました。それが決まってからはひたすら目標の個数を作り続けるという感じでした。

制作費用はいくらですか?
8万円くらい

大変だったところはなんですか?
作る個数が多かったので、繰り返し同じ作業をするのは大変というか苦しかったです。天井から吊るす展示作業が思ったよりも時間がかかって大変でした。

制作においてこだわった点はどこですか?
とにかく空間作りを大事にしました。真っ暗にしたかったので個室を使用して、暗幕を垂らして、床に黒のカーペットを敷いて、完全に外とは違う環境になるようにしました。

やってよかったところはありますか?
一部屋を自分が思っている以上にいい空間にできたことと、目標の個数を作って吊るすというのを最後までやりきったことです。

次の4年生に一言お願いします!
作り始めてから気づくことやうまくいかないことがたくさんあるので、早め早めに作業をし始めることをおすすめします!

http://instagram.com/emy___fau


『 One day 』 Yさん

自身の作品の解説をお願いします
モノを見るときに、私たちは一体どこに注目してモノを認識しているのか、について深く考察し、アニメーションを制作しました。
そして線という平面的な表現を立体的に動かすことによって、平面と立体の間にある新しい空間表現について研究しました。

どのような制作スケジュールで進めていきましたか?
5月末ごろに初の動画制作に挑戦しようと決め、そこから毎週ゼミで試作動画を見せて、アドバイスをもらっていました。
ですが、10月頃から製作が思うように進まず、何を作りたいのか、迷走する日々が続きました。
12月の最後のゼミで先生と話し合い、春頃に制作していた動画に戻し、作り直すことに決めました。
ゼミ室での展示だったこともあり、壁立ての準備も10月ごろから並行して進めていました。
実際に壁立て作業が始まったのが12月なので、その期間がもっとも忙しい時期でした。

制作費用はいくらですか?
ディスプレイ代 約3万
ゼミ室壁立て代   約3.5万

合計 約6.5万

大変だったところはなんですか?
柴田ゼミというプロダクト色が濃い中での、自身初の動画制作に挑戦したこともあり、わからないことだらけで、不安感がとてもありました。
ソフトもイチから自分で学び、他ゼミの教授にも相談しながら自分なりに制作を進めました。
しかし、制作を進めていく中で作品のコンセプトの軸が定まっていないことが浮き彫りになりました。
どの道に進めばいいのかわからず、迷走する期間がとても長かったです。
私は、考えるよりもまず手を動かして制作することを心がけました。
最終的に動画は線画になりましたが、そこに至るまでに、色を加えたり実写にイラストを組み合わせたりと、さまざまな表現を試しました。
その過程があったからこそ、線画の表現にたどり着くことができたと思います。

制作においてこだわった点はどこですか?
空間をより感じてもらうために、カメラワークの動きに緩急をつけました。特に電線から電車の窓の中に入っていくシーンは、一番こだわりました!

やってよかったところはありますか?
今まで作っていたものを、展示の三週間前にイチからやり直す、という決断をしたことは、やってよかったと思いました。
時間もない中で、動画の方向性を変えることにかなり迷いがありましたが、先生の後押しもあり、結果的に以前より良い作品ができました。
いいものを作ろうとするのではなく、新しい自分の表現を発見できたことが、この卒制で一番得られたものです。

次の4年生に一言お願いします!
卒制は普段の課題とは異なり、長い時間と気合がいります。
私はなかなか思い通りに進まない日々が続き、途中から時間も考慮して上手くまとめようとしてしまいました。
しかし最後思い切って失敗しようと、方向性を変えたことで、自分でも気づかなかった新しい可能性を見つけられました。
卒制はたくさん悩んで、迷って、大きな壁にぶつかると思います。
そんなときは、思いっきり失敗して自分の可能性を広げてください!

https://youtu.be/kTR0V93DBNU


柴田ゼミの皆さん、ありがとうございました!

卒展前に柴田教授にインタビューした記事はこちら↓


公開プレゼンテーション(1/16)アーカイブ公開中!


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