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作曲家を目指してるのに、作曲がヘタすぎて困ってます。

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。今日は全文読めます。

突然ですが、DATって知ってますか?Digital Audio Tapeの略です。下の写真のようなデジタルテープです。昔はこのDATに音源のマスターを記録してました。ラベルに「MAGNUM MA」と書かれてますが、2000年4月にフリーランスになって最初にやった仕事「SPORTS MAGNUM」というCSの番組のオープニング曲の完パケで、MAスタジオに持ち込んだマスターです。当時もMacでオーディオファイルは扱ってましたがDATで持っていくことが多かったです。

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自宅に100本以上このテープがあるのですが、デッキを持ってなくて、過去の楽曲(恥ずかしいテープ)が聞けなかったのですが、ネットでいろいろと検索して調べて安全そうなところからデッキを購入しました。不良品をつかんでしまうとデッキが故障してるとテープが絡んでしまってダメにしてしまう可能性があるので、慎重にどこから購入するか検討しました。

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で、さっそく15本くらい聞いてみました。作曲一年目の18歳からゲーム会社で働いてた28歳くらいまでに作った曲たちです。覚えてる曲も沢山ありましたけども、記憶に全くないものも沢山ありました。今よりコードが凝ってる曲があってビックリしたり、趣味で作ってた曲の歌が下手くそすぎて、こんなのでよくシンガーソングライター目指してたなーとビックリしたり、歌詞も幼稚すぎてヤバくてビックリしたり。

やっぱり面白いのがアマチュア時代。作曲しはじめの頃の音源を聴くのはこっぱずかしいですが、こういうヘタクソからよく作曲家の道が拓けたというのが不思議で面白いと思いました。今は作曲家とやってる人たちだって、最初は何もできなかったんですものね。続けてると少しずつ作曲がうまくなっていくもんです。

僕は18歳の時に作曲をはじめたのですが、毎日曲をどんどん作って完成させてました。作曲がうまくなるには、ヘタクソでもいいからとにかく完成させた方がいいって話よく聞きます。僕もその意見に賛成です。ただ、曲を完成させるって相当難しいようです。「何かの曲のパクリみたいになってしまう」とか「クオリティーが低すぎて理想に全然近づいてな」みたいなガッカリから中途半端になることも多いと思います。

作曲し始めて2,3年目の曲を聴きながら思い出したのですが、僕は「完パケを作りたい」という夢があって、音楽をはじめたのが良かったんだと思いました。サウンドプロダクションごっこみたいな遊びがしたかったんです。作った曲が並んだインデックスを見たいというのが一番の目的でした。もちろん作曲に興味はあったし、それがやりたかったのですが、作曲そのものより、作曲して出来上がったものに興味がありました。なので、毎日いろんな曲が完成したんだと思います。(ダサい曲ばっかでしたけど。笑)

僕はアマチュア時代にDATプレイヤーを入手しました。CMの企画の仕事に就きたいって思ってた大学三回生の時、京都広告賞というのにラジオCMを作って応募したら賞を取ったんです。で、5万円もらったので、あと5万円足してSONYのDATデッキを買いました。マスターがつくれるってだけで、プロになった気分でテンションあがったのを覚えてます。完パケ感が増しました。

僕はいまだに楽器が弾けなくて譜面も読めないです。音楽理論の勉強も、作曲の勉強もしてないです。僕がやりたかったことは、説明書を読んだり、作曲方法を勉強したいってことではなくて、作曲して完成させるだったので、とにかく機材を触って適当になんか打ち込んで音を出しては違うことも試してみて....の繰り返しでした。本を読む時間より機材触ってたかったのです。本は音が出ないですから。笑

アマチュア期〜ゲーム音楽作曲しはじめの頃(18〜24歳)くらいの音源をいろいろ聴いて見たのですが、ルーツがハッキリとわかるような音楽の作り方してました。槇原敬之と清水信之とSMAPとピチカートファイヴです。作曲の勉強をしてこなかった僕は、散々繰り返し聴いてた大好きな音楽からの要素を恥ずかしげもなく露骨に使いまくってました。その頃、24歳の時に作った曲をひとつアップしてみました。打ち込みもアレンジもヘタクソすぎて恥ずかしいですが、、、プレイステーションのあるゲーム用に作った曲ですが、もうメーカーも消滅してしまって権利がどこにあるかわからないので勝手にアップしちゃいます。リズムパターンも無茶苦茶だし、音もスカスカだし... mac+Perfomerとハードシンセ使って自分でミックスまでやってます。1996年ごろ。


明日から、この過去の黒歴史音源をどんどんとDATからWAVにしていきます。その中で面白い音源があったら、noteサークル内で公開していこうかなと思います(すでに6曲くらいアップしてます)。 恥ずかしいと思う音源でも残しておいた方がいいですよ。絶対にのちのち楽しめますから。

作曲家を目指してるのに、作曲がヘタすぎて困ってます...という人は沢山いると思いますが、続けていれば作曲はうまくなるはずなので、焦らずに少しずつ成長すればいいと思います。40歳すぎてからでも劇伴の仕事はできますから。

現在、リリース中のドラマ「ダメな男じゃダメですか?」のサントラも是非聴いてみてください!!

ということで、最後まで読んでいただきありがとうございました!


スキャット後藤
www.cutecool.jp


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