最近、お金がないのでnoteを始めてみることにした

挨拶

燃料費の高騰、それに伴う電気やガスのインフラサービスの値上げ。昨今の日本が世知辛いのは皆さんご存知の話。
そんななんでもかんでも値上げ値上げと叫ばれる現代で、明日食う米にも事欠くレベルの金欠ライターがなんとなく小銭稼ぎができないかとnoteを始めてみることにしてみました。

と言っても、自分のテキストがどれだけのお金になるのか、それはそれで不安も大きい。
これまで受けていたライティングの仕事は大体がテキスト1kbあたりで1000円前後、太いお客さんだったらば1500円くらいのお値段で買い取って貰えたのだけれど、そんなライティング業界もいつのまにか価格競争の波が来たこともあり、今では1kbで700円なんてのもザラだったりする。
ちなみに、テキスト1kbはおおよそ4~500文字くらい。作文用紙目一杯書いてそのお値段だと思ってもらって問題ない。

じゃあ、赤坂。お前は何を書いておぜぜを貰うんだい?

正直に色々考えた。色々考えた結果、ゲームについてダラダラと語ってみるのが良いんじゃないかなと思った。
いやいや、昨今ゲーム系コラムなんてそこら中にあるじゃないかと。
攻略記事だってそこら中にあるし、考察系、RTA界隈だって賑わってる。
今更、自分みたいな人間が入り込む余地なんてないレッドオーシャンじゃないかとも思った。

ただ、これまで見てきた、触ってきた、楽しんできた、作ってきたゲームに関してアレコレと主観いっぱいで書いてみるってのは案外ない。
現代は「ゆるい」文化が案外に多い。
少なくともゲーム以外の世界はライトな感覚で書き起こされているテキストがありふれていて、それでお金を貰えている人も多い。
ただ、ゲーム関連に限ってみると、どこかカッチリとした内容が求められている一方で、その中身はライトな層に本当に届いているかよく分からない部分も多い。

そんなわけであくまでも「ライター」赤坂 翔がこれまで触れてきたゲームに関してあくまでもゆるく、時にディープに掘り下げて雑多な感じで色々語ってみるnoteって言うのを始めてみようかなと思います。

第0回「ARMORED CORE Ⅵ FIRES OF RUBICON」

まぁ、こんなノリだよ、という分かりやすいテキストとして無料公開記事として2023年最大の話題作になるであろうゲームの話をしようと思う。

ひとまず発売から2日ほどでいろんなポイントだったりなんだりでSteam版を手に入れてプレイしてみました。
ちなみに過去作は初代、MoA、3、Vあたりを触ってた程度でそこまでディープなファンってわけでもない。フロムゲーにしてもソウルシリーズをちょいちょいやったり、「エルデンリング」もガッツリコンプリート、みたいなプレイをしているわけでもない。

ロボットゲーム、と言うゲーム市場で言う「ニッチ」で「マイナー」で「一部のプレイヤーが熱狂的」と言う界隈を一通り見てきた人間として本作の評価をまずすると「フロム・ソフトウェアさん、すげー頑張ったんだな」と言う気持ちでいっぱいになる。

少しばかり脱線しよう。
ロボットゲームと言うジャンルと言えば一般的には「スーパーロボット大戦」や「Gジェネレーション」などのシミュレーションと「電脳戦機バーチャロン」などのアクション系が主だろう。
結論から言うと、これらのいずれもが主流ジャンルになれたか、と言われるとおそらくこれまでのゲーム史では無い。
最初のゲームである「PONG」の発表された1972年以来、半世紀に渡る長いゲームの歴史と言う年表を見ても大きく刻まれるレベルの作品は無かった、と言っても過言ではない。
かつて「電脳戦機バーチャロン」が開発された当時、SEGA上層部の「売れないと言うことを若いスタッフに分からせるために作らせるだけ作らせてみよう」と言う思惑の下で作っていたと言う程度には、ゲームの歴史の中で「売れないジャンル」であることは事実だ。
もっとも、バーチャロンは当時のSEGAの偉い人たちの考えを覆す程度のスマッシュヒットを飛ばし、当時のゲームセンターで大きな盛り上がりを産んだことも事実ではあるが、それ以後は様々な理由などもあり界隈を席巻するほどのメインストリームにはならなかったことは明白である。
ロボットゲームは売れない
改めてになるが、これは事実である。しかし、熱意あるクリエイターやファンが業界の内外に存在するのもまた事実。
そうして溜め込んだ熱量を凝縮したのが本作「ARMORED COREⅥ」である。

それで、実際のゲームの中身はどうなのよ? と言った話だが、何よりも「とても丁寧に作られている」と言うのがよく分かる。
シリーズに初めて触れるプレイヤーの多くが、周囲の様々な言葉を真に受けてしまい「高難易度」「プレイへのハードルが高い」「分かりにくい」「操作が忙しい」などと言う先入観に支配されているだろう。
だが、久々にシリーズに触ってみた人間の感触としては「たしかに難しいけれど、泣いて喚くほどではない」と言う感想になる。
難しいとされる理由の大半は「ルールをどれだけ理解しているか」と言った向きが強いだろう。
本作では「スタッガー状態」と呼ばれる状態異常をどれだけ狙っていけるかがあらゆる場面で求められる。
公式での説明等と重複する部分もあるがスタッガーとは英語で「よろめき、ふらつき」と言う意味だ。攻撃を受けると蓄積していくACSゲージを出来るだけ貯めていき、引き起こすことで一時的に足が止まり、防御力が低下すると言った事態に陥る。
これにより本来非常に当てにくい近接攻撃や弾速が遅いグレネードなどを当てる、基本攻撃力の低い射撃を連続して当てることで相手のAP(他ゲームで言うHPに当たる)を削り取ることが可能となる。
いかにして相手をスタッガー状態にし、こちらがスタッガー状態にならないようにするかと言う駆け引きは、一部で声が上がっている同じくフロム・ソフトウェアの「SEKIRO」の体幹ゲージに近いかもしれない。
……と、偉そうに語っている自分も最初のルビコプターに軽く二時間かけている。バルテウスに至っては半日である。

いや、全然「丁寧じゃないじゃん」とここまでの話を読んで思ったかもしれない。だが、ゲームから発せられている音声や情報はしっかりと攻略に繋がる内容を物語っている。
上空をブンブン飛び回って爆撃してくるヘリコプターに対し本作のオペレーターであるハンドラー・ウォルターは言う。
爆撃は飛んで避けろ」と。言う通りに高くジャンプすることで手痛い爆撃を避けられる。
ここで、プレイヤーは自分の操作するマシンは「飛べる」ことを改めて強く認識出来る。
「飛べる」、と言うことは接近して近接攻撃を直接叩き込める。左腕武器である近接武器を直撃させることで相手のAP、そしてACSゲージがミサイルやライフルの連射とは比較にならないレベルで蓄積するのが見て取れるだろう。
近接を当てたら、追い打ちとばかりにそれら射撃を叩き込むことでスタッガー状態に持ち込め、さらに敵へのダメージが加速していく。
この成功体験によりキャラクターのレベルが上がる訳では無い。プレイしているプレイヤーのレベルが上がると言うのを見越した設計になっているのである。
ルビコプターを苦心して突破してもジュラ紀の地球のようなルビコンの過酷な環境で育った超兵器たちはプレイヤーであるサランラップグルグル巻きのお肉である強化人間621に一切の手心は加えてくれない
例えば、自分も苦戦したバルテウスは非常に強大な門番と言えるだろう。
だが、これもきっかけ一つで非常に難易度が下がる相手である。一度ハンガーに戻り、ショップのラインナップを見直してからアセンブルしてみるだけで世界が変わるかもしれない。
冷静に画面に出ている情報を精査していけば必ず攻略の糸口になるものがキチンとそこにある。ゲーム側は非常に丁寧に、そして間違いなくプレイヤーへの配慮に溢れている

改めてになるが「ロボットゲームは売れない」。
では、そんな売れないゲームを売るにはどうしたら良いのか。
フロム・ソフトウェア」は先に発売された「SEKIRO」や「エルデンリング」で世界的に見ても非常に多くのユーザーを獲得するに至った。
「フロムのゲームは面白い」と言うことを強く印象づけることに成功したと言うのは客観的に見ても理解出来る。
マーケティングのプロなどであれば、ここから事細かに色々と分析したテキストを書いてくれるのであろうが、残念ながらこれを書いているのはただのゲームにどっぷり浸かって生きてきただけの貧乏ライターだ。専門知識があるわけでも、高尚な分析をしているわけでもない。
だから、この分野における素人なりの意見を言うとすると「プレイヤーへの丁寧なルール説明」が大きいのではないだろうか。

かつて日本の海軍を率いた将軍がこんな言葉を残している。
やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ
ハンドラー・ウォルターは「飛んで避けろ」と言った。言われるままに飛ぶことで、プレイヤーは強大な敵の弱点を突けた。
こうした小さな成功体験をとにかく積み上げること。
これはエンディングの瞬間まで首尾一貫している。
そうして飼い主に言われるままにプレイヤーは飛び続ける。彼の与える仕事はいつも過酷だ。敵の攻撃は苛烈だし、数も多い。弾薬だって足りないこともあるし、そもそも説明だって時には不十分だ。
昨今のコンテンツに有り触れている「無条件に自分を認めて、癒やしてくれる」母性的なものは一切無い
だが、そうした地獄の戦いを終えると彼は決まって「よくやった」「帰って休め」と言葉数こそ少ないものの、プレイヤーの努力と成果に対して評価すると言う不器用な配慮と優しさを必ず与えてくれる。
ある場面では彼の指示を無視した行動に関しても不問とし、得られる成果に対して高く評価を下してくれる。
また、彼の不興を大きく買うシーンがあるのだが、発生した大問題を「友達が出来た」と言う理由だけで溜飲を下げることすらある。ウォルターの下で働く首輪の繋がれた猟犬ではなく、自らの意志に従い借り物の翼で飛ぶレイヴンになった瞬間だろう。
これらは現代では非常に希薄になりつつある父性的な物であり、プレイヤーによっては非常に新鮮に思える充足感を本作は与えてくれる。
まさに「言って聞かせて、させてみて、誉めてやる」をシナリオとシステムの両面からプレイヤーに体感させる本作において、不器用ではあるが真摯であり丁寧な作りをしていると評価を下せる大きな部分と言える。

で、実際にゲームとして面白かったのか?

面白くなかったらわざわざ小一時間かけてここまで長々文章書いてない。
というのが半分。
もう半分は「早くこの記事上げて続きプレイしたい」程度にはハマってます。
率直なことを言えば「金さえ貰えればどんな記事でもシナリオでも書く」と言うフリーランサー、直訳すると傭兵である自分ではあるけれど、やはり「自分の好きなモン書いてお金を貰える」のが心身ともに一番充実するわけです。
そういう意味では今回の記事は「脳汁が出るほど面白かったゲームを好き放題語る。それでちょっとでもお金が貰えるきっかけになるなら幸い」くらいのノリです。
次回以降に関してもゲーム関連の話題やネタ、作品そのものへの自分語り的な感じになるかと思いますので、「そんなのでもいいよ」って人がいればうっすらと期待してみて下さい。

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