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【幻影勇者】遊戯王へようこそ【新弾考察】

マスターデュエルから始めた…または復帰した方たちへ…。

話をしよう。

あれは今から36万…いや1万4千年前だったか…。

まあいい…。

私にとってはつい半年前の出来事だが…君たちにとっては多分

───────明々後日の出来事だ。



















改めて”遊戯王”へようこそ。
今回は明々後日の新弾によって追加されるカード群によってOCGで何が起きたか,そしてこれからマスターデュエルで何が起きるかをマスターデュエルから始めた,または復帰した人に向けて噛み砕いて解説していく。

幻影勇者環境

マスターデュエルのロンゴミ型幻影は幻影勇者の2割程の強さもない

まずOCG環境の話をするが,結論だけ言うと幻影勇者と呼ばれる幻影騎士団に強力な汎用ギミックを搭載したデッキの一強環境になった。そしてマスターデュエルでもほぼ確実に同様の現象が起きるであろうことが予想される。
前々回の記事で「現在のカードプールで」と前置きした上で来期も鉄獣戦線はトップであろうと結論付けたが,OCGでは強力な汎用ギミックの追加による幻影勇者の台頭により鉄獣戦線はテーマへの規制が全く無いにもかかわらず環境から姿を消すこととなる。
最終的にこの環境は幻影勇者の対抗馬としてエルドリッチと天威勇者が現れるのだが,どれも幻影勇者の一強を崩すには至らなかった。

しかしこれだけでは幻影勇者がどれほど圧倒的なデッキだったかイマイチ理解できない方もいるかもしれない。
そこで同時期に行われたエリア代表決定戦の各地区の結果を用意した。

広島:幻影勇者
福岡:天威勇者
秋葉原A:幻影勇者
秋葉原B:幻影勇者
神奈川:幻影勇者
名古屋A:幻影勇者
名古屋B:エルドリッチ
京都:幻影勇者
大阪A:幻影勇者
大阪B:幻影勇者
仙台:幻影勇者

11地区中9地区が幻影勇者という驚異の結果を残し,この環境における幻影勇者の圧倒的なシェアは見て取れるだろう。
因みにマスターデュエルで環境トップを築いた竜輝巧やエルドリッチはほぼ無規制であり,竜輝巧に至ってはフルパワーだが環境に掠ることすらなかった。

ここからはこの魔境が生み出される元凶となったカードに触れていく。

カードの解説で分かりづらかった方は,少々人を選ぶジャンルだがこちらに当時の環境の対戦動画を投稿しているためそちらで実際の動きを確認してもらった方が強さを理解しやすいかもしれない。

【勇者】

《アラメシアの儀》

通常魔法(制限カード)
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、
このカードを発動するターン、自分は特殊召喚されたモンスター以外のフィールドのモンスターの効果を発動できない。
(1):自分フィールドに「勇者トークン」が存在しない場合に発動できる。
自分フィールドに「勇者トークン」(天使族・地・星4・攻/守2000)1体を特殊召喚する。
自分フィールドに「運命の旅路」が存在しない場合、
さらにデッキから「運命の旅路」1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く事ができる。

勇者トークンを特殊召喚しデッキから《運命の旅路》を表側表示で置く勇者ギミックの核。
召喚時効果を縛る制約があるが,それは召喚時効果に依存するデッキの人権が消えることを意味するだけなので大したデメリットではない。
環境において最も重要なのはこのデメリットであり,後述するD-HEROギミックはどのデッキでも採用できるが勇者ギミックはデッキを選ぶため採用できるデッキとそうでないデッキとでD-HEROギミック以上に大きな格差を生むこととなる。
余談だが「表側表示で置く」というテキストは魔封じに引っかからないため非常に強い。

《運命の旅路》

永続魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「勇者トークン」のトークン名が記されたモンスター1体を手札に加え、
その後手札を1枚選んで墓地へ送る。
(2):モンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動できる。
デッキから「勇者トークン」のトークン名が記された装備魔法カード1枚を選び、
手札に加えるか、自分フィールドの「勇者トークン」1体に装備する。

(3):1ターンに1度だけ、装備カードを装備している自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

テーマ内のモンスターと装備魔法をサーチする万能サーチ。
この時点で察しの良い方は2枚のアドバンテージを獲得する《アラメシアの儀》から,さらに2枚のアドバンテージを獲得する《運命の旅路》にアクセスできることに対して疑問を持つだろう。

《騎竜ドラコバック》

装備魔法
自分フィールドのモンスターにのみ装備可能。
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):「騎竜ドラコバック」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
(2):このカードが効果モンスター以外のモンスターに装備されている場合、
相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを持ち主の手札に戻す。
(3):このカードが墓地へ送られた場合、自分フィールドの「勇者トークン」1体を対象として発動できる。
その自分のモンスターにこのカードを装備する。

先攻では《運命の旅路》の(2)の効果からこのカードをサーチした後に,(3)の効果のコストとなりそのまま勇者トークンに装備されることが主な仕事だが,後攻ではさらに展開ついでに相手場を荒らせるため非常に強力な1枚。
今さらだが勇者ギミックのカードは須く全て強力なため,以降はこの文言を使わないこととする。

《聖殿の水遣い》

効果モンスター(制限カード)
星3/水属性/魔法使い族/攻1500/守1200
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「勇者トークン」が存在する場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。

(2):手札・墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分のデッキ・墓地から「アラメシアの儀」1枚を選んで手札に加える。

(3):自分フィールドに「勇者トークン」が存在する場合に発動できる。
デッキから「勇者トークン」のトークン名が記されたフィールド魔法カード1枚を選んで自分フィールドゾーンに表側表示で置く。

初動の《アラメシアの儀》のサーチ以外にも特殊召喚できるレベル3としての評価も高い非常に強力な1枚にしてギミックの核。
明らかに強いためこの表現は何度使ってもよいものとする。
幻影勇者環境においてこのレベル3というステータスが非常に厄介で,幻影の初動になってしまうこと,《彼岸の黒天使 ケルビーニ》で落とせてしまうことが致命的だった。
因みにレベルとは関係なくそもそもの効果が強すぎるため,制限に指定された現在も優秀なサブギミックとして環境に君臨し続けている。
サーチカードの《運命の旅路》にアクセスできる《アラメシアの儀》にアクセスできる《聖殿の水遣い》の時点で大概だが,なぜそこからさらに《おろかな埋葬》や《彼岸の黒天使 ケルビーニ》でアクセス出来てしまうのか。

《流離のグリフォンライダー》

効果モンスター
星7/風属性/鳥獣族/攻2000/守2800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに、モンスターが存在しない場合、
または「勇者トークン」が存在する場合、自分・相手のメインフェイズに発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):自分フィールドに「勇者トークン」が存在し、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。
このカードを持ち主のデッキに戻し、その発動を無効にし破壊する。

なぜ勇者ギミックがここまで強いと言われているかそろそろお理解かりいただけたのではないだろうか。
勇者ギミックを回すという事は即ち《流離のグリフォンライダー》で誘発をケアされることを意味し,さらに誘発がない場合も指名者以上の制圧札と化すためどう転んでも悪夢である。
勇者ギミックの初動は《アラメシアの儀》,《聖殿の水遣い》,《おろかな埋葬》と期待値1枚に近い枚数があるため勇者ギミックが回らないことに賭ける選択は合理的ではなく,《禁じられた一滴》などのメタカードを採用することが求められるが,《禁じられた一滴》を最も強く使えるデッキが幻影勇者であることはここに書き記しておく。

【D-HERO】

《フュージョン・デステニー》

通常魔法(制限カード)
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札・デッキから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
「D-HERO」モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターは次のターンのエンドフェイズに破壊される。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分は闇属性の「HERO」モンスターしか特殊召喚できない。

10期の新マスタールール下で作られたカードなため仕方ないが,制約がまるで意味をなしていないパワーカード。
展開した後に発動するだけで更なる妨害とアドバンテージが約束されるため採用しないことに理由が必要。
D-HEROギミックを採用することは即ち《抹殺の使命者》で宣言できるということであり,メタという観点においてもこのギミックを採用しない選択をした場合大きなハンデを背負うことになるだろう。

《D-HERO デストロイフェニックスガイ》

融合・効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100
レベル6以上の「HERO」モンスター+「D-HERO」モンスター
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手フィールドのモンスターの攻撃力は、
自分の墓地の「HERO」カードの数×200ダウンする。
(2):自分・相手ターンに発動できる。
自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を選んで破壊する。
(3):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
次のターンのスタンバイフェイズに、自分の墓地から「D-HERO」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

先攻で使えて毎ターン湧いてくるパンクラ。
フリーチェーンで自場と場のカードを1枚ずつ割ることができるがこれは自身を割ることで(3)の効果をトリガーさせて自己蘇生できるため大きなデメリットではない,むしろ(3)の効果で次のスタンバイフェイズまで墓地に逃がせることを活かして《禁じられた一滴》を回避しながら《アーティファクト-デスサイズ》でEXをロックするコンボもあるためメリットにすらなり得る。

ここでこのカードに対する公式の見解をご覧いただこう。

>破壊するカードを確保しながら戦っていこう。

《D-HERO ディバインガイ》

効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1600/守1400
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの攻撃宣言時に、
相手フィールドの表側表示の魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、相手に500ダメージを与える。
(2):自分の手札が0枚の場合、
自分の墓地からこのカードと「D-HERO」モンスター1体を除外して発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

強欲な壺。
苦し紛れに《フュージョン・デステニー》を打たれても返しで捲れなかった場合,この2ドローでゲームを終わらせられることも少なくない。

《D-HERO ダッシュガイ》

効果モンスター
星6/闇属性/戦士族/攻2100/守1000
1ターンに1度、自分フィールド上のモンスター1体をリリースして発動できる。
このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで1000ポイントアップする。
このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。
また、このカードが墓地に存在する限り1度だけ、自分のドローフェイズ時にカードをドローした時、
そのカードがモンスターだった場合、その1体をお互いに確認して自分フィールド上に特殊召喚できる。

条件付き二重召喚。特筆して強いわけではないがギミック内に明確なゴミになるカードがないというのはこのギミックの強みとも言える。
手札を吐けるためディバインのドローに繋ぎやすくなることは覚えておいて損はない。

《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》

リンク・効果モンスター(禁止カード)
リンク2/闇属性/植物族/攻 500
【リンクマーカー:左下/右下】
効果モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはターン終了時まで闇属性になる。
(2):2000LPを払い、
「融合」通常・速攻魔法カードまたは「フュージョン」通常・速攻魔法カード1枚をデッキから墓地へ送って発動できる。
この効果は、その魔法カード発動時の効果と同じになる。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚できない。


《フュージョン・デステニー》を引けなかった際もこのカードを経由することで実質的にデッキから発動することができる。
巷ではこのカードが禁止ならD-HEROギミックは問題ない等の意見もあるが,前述した通り《フュージョン・デステニー》の制約は意味を成しておらず,複数枚使えるなら採用しないことに理由が必要なレベルのパワーカードであるため無視してもらって構わない。
このギミックと対面して最もストレスに感じ,また最も強力に感じる瞬間は手札から《フュージョン・デステニー》を発動された時である。

最後に

延々と解説したけれどこの2つのギミックがあまりにも極端な幻影勇者環境を作り出すことになった直接の原因で,マスターデュエルでは《フュージョン・デステニー》,《幻影騎士団ティアースケイル》の準制限のみとほぼフルパワーでの実装となるため幻影勇者の一強は避けられないと見ていいでしょう。
私はこの環境がとても好きだったけどマスターデュエルから始めた,または復帰した人達にとってはこれから始まる環境はとても辛く感じるかもしれません。

でも…

がんばれよ。これから始まるのは人生で一番長く,一番大切な3か月間だ。

健闘を祈る……エル・プサイ・コングルゥ


追記:相剣やフュージョンフェスティバルによって《フュージョン・デステニー》が単体でも強力であることが認知されたのは嬉しく思う。

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