見出し画像

煙草のやめ方

実は昔煙草を吸っていた。(家族には秘密)
1日1箱吸っていた(しかも15mgの重いやつ)時期もある。
思うに煙草というものはクセのようなもので、煙草がないと手持ち無沙汰なのだ。
朝起きて、目覚ましにとりあえず1本。
顔を洗って化粧水をつけたら、乾く間に1本。
コーヒーを飲みながら1本。
原稿を書く前に1本。
待ち合わせの場所で1本。……そう、この頃はまだどこででも煙草が吸えたのだ。

煙草のニオイは嫌いだから、部屋の中では吸わない。
部屋や洋服にニオイがつくからね。
だから無駄に広いベランダに1日に20回近くいくことになる。

そんなにたくさん吸っていたけど、ある時「無駄な時間だな」と思い、家で煙草を吸うのをやめた。
吸うのは飲みに行ったときだけ、と決めて。
その頃はほぼ毎日のように飲みに行っていたので、結局は吸わない日はほとんどないのだがね。
1人飲みが好きなので、行くお店は知り合いのBarばかり。
2〜3軒を気分によって使い分けていた。

知り合いのBarなので、そこに置き煙草させてもらい、私が座ると煙草と灰皿が出てくるという(笑)。
そう、この頃は煙草を持ち歩くことさえなかったのだ。
煙草が切れないように、コンビニで買ってからBarに行くだけ。

煙草があればツマミは不要。
煙草がないと手が寂しくて、飲みにいくと欲しくなるんだよね。
つまりは煙草が吸いたいというより、口が寂しい、手が寂しい、ということなのだ。
当時、携帯電話は普及してたけど、まだスマホじゃなかったし、私は飲みに行くときは自由が欲しくて、携帯を携帯せずに出かけることが多かった。
なので今みたいに手持ち無沙汰にスマホをいじることもない。
せっかく飲みに来たんだから、全力でその場の空気を楽しみたいじゃないか。

あぁ、自由だったなぁ、独身時代。
あ、今だって独身だけど、まだ子どもたちが成人してないからねぇ。

それはさておき、煙草の話。
よく考えれば煙草なんておいしいものじゃない。
苦いばかりで煙は臭いし、燃やしてしまえば何も残らないどころか、身体にも悪いじゃないか。
これまでにいくら分燃やしてきたんだろう。
しかし、何かと逃避に使える煙草は、完全にはやめようとしなかった。
だって「やめようと思えばいつでもやめられる」という、謎の自信があったんだもん。

そんなとき友人のお父さんが癌になった。
肺癌だという。
高校時代からの親友で、彼女の話を聞くために一緒に飲みに行った。
そこで私は煙草を吸いながら
「よし、A子のお父さんのために、私煙草やめる!」
と宣言したのだ。

さて、言ったことをやらないのが究極にカッコ悪いと思ってしまう私は、煙草をやめた。その夜を境に、キッパリと。
飲むときしか吸わないとはいえ、飲むことはやめられぬ。
しばらくは、Barで煙草をがまんする日々が続いた。

私がどうやって煙草をやめたのか?
答えはシンプルだ。
















「買わない」

シンプルすぎてビックリだよね。
でも買わなきゃ煙草吸わないでしょ。
当時は煙草も300円くらいだった(忘れたけど多分)ので、もらい煙草って手もあったけど、そんなにしょっちゅうもらえないよね、カッコ悪くて。
なので、行きつけのお店には「煙草やめました」宣言をして置き煙草を撤廃し、自分でも絶対に買わないようにしたのだ。

今では吸わない人も多いが、やめたいけどやめられない方は、
「煙草をやめる」という発想から、
「煙草を買わない」という発想に転換してみてはどうだろうか。
意外な効果が期待できるかもよ?






波瀾万丈のシングルマザーですが、好きなことを仕事にしてやってきました。サポートしていただけたら小躍りして喜びます。次なる夢に向かって羽ばたく力になってください!