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【私の好きなデ・ニーロ】地味に映画史を変えてしまった「ヒート」の凄さを語りたい!

ずっと不思議なことがあります。何でみんなマイケル・マン監督の『ヒート』を見ていないのでしょう?

私は本作の公開当時、映画館に何気なく入り、銃撃戦のド迫力に、くちをアングリと開けてしまいました。あまりのことにレンタル屋に出たら何度も借り直して確認しました。いったいこの映画は何なのだと。凄いよね?個々の映像は圧倒的だよね。でもなんでこんなにヒットしていないんだろうとw。

そして今回の、 noteのお題企画「私の好きなデ・ニーロ」でも、なかなか『ヒート』が言及されない。どうしてみんな『ヒート』を無視するの?

いや、実はなんとなく、理由はわかっているんです。

・長すぎる
・男のロマンみたいなことを打ち出しすぎていて、女性の目線で見るとイラつく話
・そうそうたる豪華キャストを揃えておきながら、どうもキャラクターに説得力がなくて、感情移入できない。「現実世界にはこんな強盗もいなければ、こんな刑事もいないよ。だいいち、主人公の刑事の娘がナタリー・ポートマンという時点で、もはや中年男性の夢想の世界だよw」と、どうしても思ってしまう

そして決定的なことは「アル・パチーノとロバート・デニーロの共演!」という触れ込みなのに、実は二人が同じ画面に映るシーンはめちゃくちゃ少ないw

「なにがパチーノとデニーロの共演だ、サギじゃねえか!」と激怒する人が多かったものと推測致します。ぶっちゃけ、その問題については私も「ほとんどサギだ」と思ってたw。中盤のコーヒーショップのシーンと、ラストの飛行場のところ以外は、完全に別スケジュールで撮影していたんじゃないでしょうか?なんかねえ。

などなど、粗い映画であることは承知なのですが、それでも、言いたいことがあります。

やっぱり『ヒート』は凄い映画なんですよ!

よほどな映画ファンでないと伝わりにくい話ばかりなのですが、

・都会の夜景シーンがどれもめちゃくちゃ美しい。写真のようなこだわりで夜景を撮っている!
・同じく、夜の街で人物たちが会話をするシーンの光学処理がいちいち素晴らしい!ネオンの明かりが横顔を照らし、その中でしんみりとした男の話が出てくる、、、なんて、めちゃくちゃ狙って撮影してますよね!
・録音がいい!車の衝突音とか、地味なところで、すごくリアル。これは映画館でみた人間だけが知っていることかも

そしてなんといっても、中盤の、凄まじい銃撃戦!これを超える銃撃戦シーンはもう出てこないんじゃないでしょうか?

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撮影技術や録音技術では、映画史上最高峰の仕事だと思うのに、なんでこんなに「何かが共感できない」仕上がりに終わっているのでしょうか。つまり脚本が全てを台無しにしてるんじゃないか、などという厳しい読みをしつつ、

個人的には、

実は「ダークナイト」はこの作品を参考にしていると推測!オープニングの強盗シーンとか、中盤で「善悪双方の主役が直接対話をする」とか、モロに「ヒート」を引用している!
また「007/スカイフォール」もこの作品を参考にしていると推測!国会議事堂の銃撃戦とその前後の撮り方は「これって『ヒート』じゃない?」と私はビリビリ感じた

という次第。

ハリウッドの監督たちが、絶対、この『ヒート』をみた影響で仕事をしてますよね!つまり『ヒート』は、「撮影技術」とか「録音技術」とかいった、めちゃくちゃ玄人好みな分野で、映画史上に決定的な影響を残しているのです。この作品なしには「ダークナイト」も「スカイフォール」もなかった!でも、なんて伝わりにくい影響なんだ!

そういうわけで、一部の映画マニアのみに高い評価を受ける結果となってしまった本作、『ヒート』。ここに出てくるデ・ニーロの格好良さは、たまりません。だいいち私、この作品のデ・ニーロの、「何かあったときはすかさず外国に高飛びできるように、生活を身軽にしているんだ」というセリフに憧れて、ローンも保険も、車も持たず、外国通貨の口座を常に持っているというライフスタイルをとっております。どんだけ影響されているんだ、、、。

まあ、きっと知らない人も多い作品でしょうが、ぜひ、見てください!

長すぎてかったるいというのであれば、中盤のダウンタウンでの銃撃戦だけでも見てください!ぶっとぶ迫力です!

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!