一般人が大学所蔵の資料を利用するための豆知識

twitterなぞ見ていると、周囲に学習に対して意欲的な人が多くいる。
欲しい資料を探して古書店を覗き、文学館に赴き、公共図書館は勿論、国立国会図書館だって利用する。そんな人たちが。

そんな人たちを見ていて、私は司書時代に受け付けた「大学所蔵資料のリクエスト」を思い出した。
要するに〇〇大学が所蔵している資料を取り寄せて借りたい、というものなのだが、残念ながら私の勤務していた図書館では黙ってリクエストを取り下げるしかできなかった。
というのも、私が勤務していた図書館では大学図書館と資料をやりとりする連携を結んでいなかったのである。

しかし、大学名をもとに調べてみると、公共図書館との連携は結んでいないが、資料を利用する方法は他にあったりして、私はずいぶんと悔しい想いをした。
それを利用者に直接伝えることができたなら、利用者は、その資料に辿りつけるのだから。
だが、図書館での取り寄せのリクエストというのは大体が紙一枚、PCのデータ一つを介してのやり取りとなる。
面と向かって指摘する機会というのは、意外と巡ってこない。
他の業務も山積みの中、一人一人に電話やメールでその旨を伝えるほど時間を割くこともできない。そんな余裕はないのだ。

そんな訳で、どこの図書館にも所属していないフリーな身分の今、一人でも勿体ないあきらめ方をする人が減るように、大学図書館の資料の利用についてちょっと書いてみようと思う。

大学図書館について

まず、大学図書館というのは、あくまでも大学の教授や学生のため、研究のために存在する図書館であるということを踏まえていて欲しい。

言ってしまえば、それらの役に立てばそれでいいという図書館であって、基本的には閉鎖的なところが多い。
利用するには誰かの紹介が必要であったり、卒業生や学校関係者でなくてはいけないというケースは多々ある。

しかし、稀に公共図書館と連携をとっていたり、一般利用を受け付けている図書館もある。

公共図書館との連携と一般利用

公共図書館との連携は既に書いた通り、大学図書館を通じて公共図書館の資料を取り寄せて借りたり、逆に公共図書館を通じて大学の資料を借りたりできるサービスである。

一般利用は、その名前の通り、学校とは何の関係ない人間でも大学図書館を利用できるサービスである。公共図書館との連携に含まれている場合もある。
この場合は、普通に図書館に利用登録をして、普通に図書館と同じように資料を閲覧できたり、借りたりすることができる。

一般人が利用できる大学図書館は?

では、どうやって利用したい大学図書館が図書館と連携をとっているか、一般利用を受け付けているかなどを知ればいいのだろうか。

これは大学図書館のホームページを見てくださいの一言に尽きる。

大学図書館は多くの場合、専用のホームページを持っており、公共図書館との連携や一般利用の有無、可能な場合は条件などについても明記している。
見てもよくわからない、という場合は直接電話して問い合わせるのもいいだろう。

ただし、大学図書館はあくまでも大学関係者と研究者を対象とした、彼らが優先の施設である。

場所によっては閲覧できる資料、借りられる資料、複写サービス、貸出冊数などに制限があったり、学校関係者とは差異があったりするだろう。
また、研究のために調査慣れした人間や、逆に調査に不慣れな学生を教育する機関という立場から生じるサービスの違いもあるかもしれない。
そういった点は気をつけていきたいところである。

まとめ

以上、ちょこちょこと書いたが、要するに大学所蔵の資料を利用したい場合は、いきなり公共図書館にリクエストを入れる前に、大学図書館のホームページを調べた方がお得ですよ、という話である。

これで救われる人がいるなら、私は幸いである。

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