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非日常を得るー草津温泉滞在記ー

硫黄漂う温泉街、草津。
非日常を求めてやってきたのだが、ワクワクやドキドキといった感情からは遠くかけ離れ、森林の静寂の中、たまに響く野鳥の囀りを聴きながら過ごしている。
どこか遠くへ行きたい。妻のそんな刹那的な発言から実現した草津温泉2泊3日の旅である。

私は生まれて初めて草津温泉にきたわけだが、まず最初に驚かされたのは「こんなに山奥に存在するのか!」である。車で向かったわけだが、関越自動車道の渋川伊香保ICを降りてからの道のりたるや。山道は頭文字Dよろしく際どい峠道である。愛車BRZのコーナリング性能のおかげで快適なドライブを楽しむことができた(?)。

ちなみにこれを書いている今現在は、1泊2日目の早朝6時半である。草津旅行者の朝は早い。宿泊先から徒歩6分の距離にコンビニがあり、買い物目的で外を歩いてみれば、野鳥とカエルの鳴き声しかしない。ふと、故郷である富山の田んぼを思い出した。自動車の騒音からは決して逃れることができない東京で生活する私としては、この自然環境で過ごすことがもはや贅沢となっている。

「泉質主義」
これが草津温泉のポリシー。日本の温泉ランキング(観光経済新聞社主催「にっぽんの温泉100選」)で21年連続No.1。温泉の自然湧出量は日本一。泉質は強酸性で殺菌力が高い。実際に浸かってみると、若干の刺激を肌に感じたが、温泉特有の体の奥に染み渡るなんともいえない脱力感と、露天風呂でしか得られない開放感が、私の体に積もり積もった疲れを吹き飛ばしてくれた。
昨今のインバウンド事情は草津温泉も例外ではなく、様々な国から旅行者が訪れているようだった。浴室で耳にする会話は日本語ではなかった。日本に旅行に来るなら温泉、せっかく行くならNo.1の草津温泉となるのだろう。まるで秘湯へ向かうかのようにたどり着くまでの道のりは険しく、その苦労も含めて体験なのだとしたら、その先で得られる恩恵は格別だ。

さて残り1泊。せっかく草津に来たのだから、観光がてら温泉街を巡ってみたいと思う。


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