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【CL横浜29位】セキタンザンVMAX

はじめに

はじめまして。よもぎです。
今回、CL横浜でセキタンザンVMAXデッキを使って29位に入り、JCSの優先出場権を獲得することが出来たので、構築記事を公開することにしました。
このデッキは、CL横浜に向けての練習中に練習相手であったScarさんが使っていたデッキが、トップメタのデッキに対して有利を取っていて強いと感じたので、デッキレシピを教えてもらい、一緒に煮詰めることにしました。いかにトップメタのデッキに対して確実に勝つことができるかを意識して、原案から数枚を差し替え、主要なデッキに対して安定して勝てることが確認できたので、最終的にCL横浜に持ち込むことを決定。当日のマッチアップも、ほぼ読み通りの環境であったことから、好成績を残すことができました。

※この記事は、環境考察とデッキ解説部分をScarが、それ以外の部分をよもぎが執筆しています。

執筆者紹介
よもぎ Twitter@Sakuranenepoke
・2019CL新潟シニア優勝
・2019CL京都シニア準優勝
・2019csp1070.(ランキング最終2位)
・WCS2019マスター24位
・2020シティリーグシーズン1優勝/シーズン2Best4

Scar Twitter@Scar3020 ※CL横浜は抽選落ちにより不参加
・世界大会出場4回(VGC部門)
・2015年世界大会6位 (VGC部門)
・2014年全国大会3位(VGC部門)
・ポケカはたしなむ程度にプレイ

環境考察とデッキ選択

私はもともとVGCをメインに活動していたプレイヤーであるが、VGCと比べると、TCGは”構築(デッキタイプ)の相性が勝敗に直結しやすい”という印象が非常に強い。つまり、構築の完成度やプレイングも当然重要であるが、そもそもどのデッキタイプを選択するかが、当日の勝率に大きく影響すると考えている。CL横浜直前での、環境に存在する主なデッキタイプ整理すると以下のようになると考えた。

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つまり、三神ザシアン・小ズガドーン・ムゲンダイナのTier1や、雷系統・セキタンザンのTier2に対して安定して勝てる構築を用意できるかが、当日の勝率に直結すると言える。

まず最初に検討したのが小ズガドーンだが、Tier2以上のデッキタイプのなかでは、唯一非エクを中心とするデッキタイプであると同時に、ズガドーンの技火の玉サーカスが青天井技であり、HPの多いVMAXを中心とするデッキに有利が取れると考えた。

実際に、ストーン闘エネルギーやムキムキパッドのついたセキタンザンVMAXも一発で気絶させることができ、非常に強いデッキタイプであった。一方でこのデッキの特徴として、場の展開にはデデンネGXやクロバットV、オドリドリGXへの依存度が高く、1ターンに多くのグッズを使う必要がある。ところが環境が進むにつれて、ムゲンダイナデッキをはじめとして無人発電所を多投するデッキが多く見受けられるようになったことで、安定して場を展開しづらくなった。

さらに、多くの雷系統デッキに採用されているクワガノンVによるグッズロックが非常に重たく、序盤に安定して場を展開できず負けるパターンが多くなった。これにより小ズガドーンは候補から外れることに。その次に、着目したのがセキタンザンデッキである。

セキタンザンデッキに着目した理由が、使用率の高いムゲンダイナ・雷系統のデッキに対してタイプ相性で有利が取れる点、そしてストーン闘エネルギーとムキムキパッドによりただでさえ高い耐久力をさらに高め、マオ&スイレンという強力なカードがあることで、VMAX同士の殴り合いにおいて有利に立てる(Tier3以下の多くのVMAXデッキに対して有利がとれる)点である。

セキタンザンの弱点である草タイプのデッキが、環境にほとんど存在しないことも、他のTier上位のデッキにはない特徴である。仰天のボルテッカーにセキタンザンに有利とされるイオルブVMAXが収録されたが、セキタンザン自体がTier1ではないため、そうしたデッキタイプの考察がCL横浜までに進まずCL横浜ではほとんど使用されないものと想定した。

一方で、デッキの中心カード(セキタンザンVMAX・マグカルゴ)が1進化のカードであり、安定して序盤の盤面を作りにくいこと、特に後攻のときに三神ザシアンなどのテンポが速いデッキに対して不利を取りやすいことがこのデッキの弱点である。

逆に言えば、こうした弱点を克服することができれば、安定して高い勝率を出すことができる非常に強いデッキタイプだと感じた。単純ではあるが、1つ目の弱点はボールを多投することで、2つ目の弱点はいくつかのキーカードを採用することによって克服に成功。早い段階で三神ザシアン系統のデッキに対しては、安定して高い勝率を出すことができていた。

一方、最後の課題であった対小ズガドーンデッキに対する勝率は、ずっと5割程度に留まっていたが、Tier3/4対策として入れていたカードの採用を諦め、より対小ズガドーンに特化したカードを採用することで、勝率が大幅に向上。

予選が最大13試合と決して多くはない試合数を考えたときに、どのデッキに対しても5分以上が取れるデッキよりも、使用率の高いデッキに対して有利を取りやすい構築を組むべきという考えのもと、今回の構築が完成した。最終調整を経た結果、Tier1/2のほとんどのデッキに対して有利が取れることが確認できたため、セキタンザンデッキを持ち込むことを決定した。

CL横浜当日のマッチアップと結果

【Day1】
1回戦 セキタンザンVMAX(スマホロトム型) 後攻 勝ち
2回戦 三神ザシアン                 後攻 負け
3回戦 ピカチュウ&ゼクロムGX                            後攻 勝ち
4回戦 三神ザシアン                                            先攻 勝ち
5回戦 ムゲンダイナVMAX(無人型)                後攻 勝ち
6回戦 三神ザシアン                                            後攻 勝ち
7回戦 ピカチュウ&ゼクロムGX                            先攻 勝ち
【Day2】
8回戦 レシラム&リザードンGX(ブルー型)   先攻 勝ち
9回戦 三神ザシアン                                           後攻 勝ち
10回戦 小ズガドーン                                         先攻 負け
11回戦 ピカチュウ&ゼクロムGX                      先攻 勝ち
12回戦 マッドパーティ                                     後攻 勝ち
13回戦 ムゲンダイナVMAX(無人型)             先攻 負け

負けた3試合のうち、2回戦と10回戦の2試合は手札事故による負け、最終13回戦は相手の方が引き・立ち回りともに上回って負け。最終13回戦を勝っていれば11勝2敗で決勝トーナメントに進出することが出来ていたので、非常に悔しい負けではあるが、もともと互角だと思っていたマッチアップだったので仕方ない部分もあると考えている(詳細は後述)。

デッキの性質上、13回戦を戦えば、1度~2度の手札事故は起こると想定していたので、2試合の手札事故による負けは想定の範囲内ではあった。それを考慮すれば、手札事故で負けた試合を除けば、練習段階で考えていた通りの試合プランでしっかりと勝ちに繋げることが出来たと思っている。

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