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Scalesのものがたり料理教室

料理研究家のスケイル(Scales)の料理を、詳しくレシピ解説付きでたっぷり紹介いたします。季節の旬を存分に感じられる身近でありながらちょっと特別な料理、またお酒のこと、テーブル…
Scalesの語り口で、素材の意外な組み合わせの発見、読んで美味しい、作って美味しい。 ワクワクす…
¥666 / 月 初月無料
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#桃のアールグレイマリネ

薑糖蕃茄 (台湾の甘いトマトデザート)

そう簡単に海外に行けなくなって三年目に突入した。 「そうだ、旅に出よう」なんてふと思い立った気持ちも瞬時に消える、を何度も繰り返し燻り続けているこのパンデミックな二年である。飛行機の乗り方さえ忘れそうだ。 幸い日本(東京)には、イタリア料理やフランス料理からレバノン料理やマルタ料理まで、異国のお店さんがたくさんあって、簡単に海外の料理がいただける。だけども現地の食材、水、人が作ってくれ、その場で食べるものは、土地、風土そのものをいただくことに等しい。 空港に降り立った時か

ミントとコンビーフのスパゲティ(夏にぴったりのパスタ、ミントとコンビーフって本当に好相性)

先日、3年ぶりくらいに劇場に芝居を観に行った。コロナ前はジャズや芝居や映画が好きで、かなりよく出かけていたほうだと思う。だから、チケットを予約して劇場に足を運んで、ライブでなにかを観るということ自体ほんとうに久しぶりだった。 公演の途中、コメディな内容とは、なにか違うところで感極まっている自分に気がついた。「やっぱりエンタメって素晴らしくて、やっぱり人生に必要なんだな」という思いが溢れた感じ。身を削るように脚本を書いて、配役を決めて、スタイリングして、小道具、大道具、演出、

バジルとココナツミルクの冷たい素麺、トマトをのせて

夏、バジルがたっぷりあったら迷わずジェノベーゼを作るけれど、それだけではもったいない。

とうもろこしのオイル蒸し とうもろこしは夏の味 ひとは思い出も一緒に食べている

とうもろこしは、夏の味 あえて自分が小学生だった頃の夏を、思い浮かべてみる。 小学生の夏休みというのは、なんだかベタに「夏」らしくて。 今思い返しても、小学生の頃に過ごした夏が人生で一番オーセンティックにお手本のような「夏」だった気がする。 とうもろこしは、夏の味。 とは、夏休みの午後、ザルに茹で上がったとうもろこしをおやつがわりに頬張りながら、急にひんやりとした空気に夕立がやって来るのが子供ながらにもわかる感覚もわずかに残っている。 どうやら旬ものもは、思い出も一緒に食

牡蠣とクレソンのアクアパッツァ(かんたんにできる魚介のごちそう)曇り空でも食卓は晴れやかに。

なんだかもう梅雨みたいな季節の変わり目、いかがお過ごしですか。まだ五月というのに、すでに梅雨入りしたかのようなどんより感が続いていますね。季節の変わり目に加え、天候不良。もしも体調崩しそうになったら、何はともあれ、体を温めてすぐに休むに限ります、ほんと。 もし風邪の症状だったら、早めに(ここが肝心)葛根湯もしくは麻黄湯をビタミンCと亜鉛のサプリと一緒に摂取して休むと、私の場合大概数時間で治ってしまいます。 また、長期戦になりそうな今年の梅雨、「湿気」も本当に大敵なのですよね。

バジル、ブルーベリーのパウンドケーキ

バジルの緑とブルーベリーの鮮やかな紫色。 バジルとブルーベリーに小麦粉は意外に相性が良いのです。この組み合わせ大好き。 拙著でもバジルとブルーベリーのスコーンを載せていますのでよろしければそちらもご覧ください。 そうそう、ヨモギもこのようにパウンドケーキにすると美味しいんですよ。ただ、市販の乾燥ヨモギは風味が弱めなので、やっぱりこの季節自生するよもぎで作るのが一番いい。安曇野あたりにヨモギ狩り(というものがあるのかわからないけど)に行きたいなぁ。山菜採り、大好きなんですよ。

ホワイトアスパラガスのおかかピスタチオあえ(連休の過ごし方とあたらしいホワイトアスパラガスの食べ方)

そういえば、今年もあっという間にGWがやってきますね。みなさんは連休どう過ごしますか? 私は、もはや曜日感覚はなく連休も無関係な生活をしているのですが、それでもGWの過ごし方は毎年決まって、大掃除、断捨離、部屋の模様替え、衣替え が恒例になっている。ちなみに断捨離は物質的なものはもちろん、PCの中身、撮りすぎた写真とか不要なメールとかまで行う。そして仕上げにバルサンを焚く(半年に一度焚くと家でGを見ることは皆無)。 GWはお正月と違って都内もどこも混んでいるから、人混みがダ

蕾菜(つぼみ菜)のレモンオイル蒸し レモンオイル蒸しは蕪や、カリフラワーなどにも応用可能

ある日突然見かけるようになる野菜や果物がある。ここ最近ではマイヤーレモンとか、マイクロトマトとか、白いいちごとか。蕾菜(つぼみ菜)もそうだ。 新しい食材ってわくわくして大好き。初めましてのときは生で食べてみたり、炒め、茹でと火を通してみると大概性格がわかってくる。これはごま油でさっと炒めても美味しい。油とも乳製品とも相性良さそう。グラタンなんかにも意外に良さそう。中華調味料とも合ってよさそう。中華スープの具にもいい、その際は豚肉と相性も良さそう。そんなふうに探る作業ってなんと

いちごのハニーマスタードマリネ🍓(ほんのりピリッと辛味、からの、じゅわっと甘味)

子供の頃は、イチゴに牛乳と砂糖をかけて、これまたイチゴの形した先割れスプーン(あれ、可愛かったなぁ、知ってる?)で、1/4くらいイチゴの食べ応えを残しつつ、牛乳もしっかりいちご味になるくらいに潰して食べる、いちごみるくが好きだった(原点)。潰さなすぎも、潰しすぎもダメ、子供なりにも潰し加減にこだわりがあったのだ。 イチゴってそのまま食べても最高に美味しくて、なのにチョット加えた”ひとてま”にも寄り添ってくれる。しかも、変容せず揺るぎなくいちごのままに。そんな愛しい果物。

ローストポーク、アップルゴルゴンゾーラのソースで

「ああ、これは白だね、シードルでもいい。」 一口食べて、ジミオの白ワインを開けた。 そんな、お酒が飲みたくなるひと皿でもある。 ローストポークは低温でじっくり火入れをする。色々試して、絶妙な火入れを求めてこのやり方になった。中身がピンク色に、肉自体もしっとり、ふわっと柔らかく仕上がる。味付けは最低限の塩胡椒なのに肉の旨味がじわっと口にひるがる。そこに、りんごの酸味、ブルーチーズの塩気。 りんごとブルーチーズはとても相性がいい、この組み合わせはサラダもおいしい。焼き林檎にブ

Scales式 家焼肉のスゝメ

焼肉こそ、各ご家庭の流儀があるだろうけれど、今日はScales式の焼肉をご紹介しますね。(スゝメ、なんて攻めたタイトルですが、ご参考になれば幸いです。) 焼肉用のお肉を買いに行くなら、下北沢のオオゼキと、ローストビーフで有名な麻布十番のナニワヤかな。ホルモンなら武蔵小山のみやこ屋、上野の上野肉店(ここは牛すじやテールもおすすめ)、ラム肉なら日進ワールドデリカテッセン。 今日のお肉は主に、カイノミ、ミスジ、ハラミ、タン。 それにすき焼き用のお肉も用意して、焼きしゃぶも楽しみ

鮪とカンパチの生ハム、柿とアボカドに添えて

魚で生ハムを作ると、これがとても美味しい。なんせ日本には新鮮な魚(お刺身)があるから、こんな風にいただくことができてしまう幸せがあるのです。今日はとろんとおいしい、マグロとカンパチで。 そのままでも、もちろん美味しいけれど、柿とアボカドを添えれば、とくに日本酒や白ワインにぴったりのおつまみになる。お刺身でいただくのとはまた違う、最高に美味しさ、ぜひ試してほしいです。

紫菊と白腐乳のスパゲティ

元祖エディブル・フラワー、食用菊。 やさしい苦味と、歯応えが美味しい。 そのやさしい苦味が白腐乳の旨味とぴったり合うのです。 ちょっと驚きの組み合わせ、楽しんでみてください。 腐乳も、アンチョビやナンプラーのように色々使える魔法の調味料。 炒めものの味付けや、スープに入れれば出汁の役割も。 すばらしき万能調味料の使い方、色々紹介していけたらいいな。 もちろん食用菊は黄色でもOKですよ。

金柑と人参とピスタチオのラペ

あれ、お店にもう金柑が出ている。それはそうか、もう12月だものね。 待ち遠しいと思っている食材も案外すぐに旬がやってくる。 金柑、柿も、みかんも、いちごも楽しい冬。 大事なのは、旬の一番美味しい時にいただくこと。 いつもの人参のラペもこんなふうに金柑を使うと、それ自体が調味料のような、ソースのような役割になる。ピスタチオはアクセントに。柑橘の爽やかな味わいをまとって、いつもの料理に季節の変化を。