マガジンのカバー画像

Scalesのものがたり料理教室

料理研究家のスケイル(Scales)の料理を、詳しくレシピ解説付きでたっぷり紹介いたします。季節の旬を存分に感じられる身近でありながらちょっと特別な料理、またお酒のこと、テーブル…
Scalesの語り口で、素材の意外な組み合わせの発見、読んで美味しい、作って美味しい。 ワクワクす…
¥666 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

2022年3月の記事一覧

蕾菜(つぼみ菜)のレモンオイル蒸し レモンオイル蒸しは蕪や、カリフラワーなどにも応用可能

ある日突然見かけるようになる野菜や果物がある。ここ最近ではマイヤーレモンとか、マイクロトマトとか、白いいちごとか。蕾菜(つぼみ菜)もそうだ。 新しい食材ってわくわくして大好き。初めましてのときは生で食べてみたり、炒め、茹でと火を通してみると大概性格がわかってくる。これはごま油でさっと炒めても美味しい。油とも乳製品とも相性良さそう。グラタンなんかにも意外に良さそう。中華調味料とも合ってよさそう。中華スープの具にもいい、その際は豚肉と相性も良さそう。そんなふうに探る作業ってなんと

鶏肉とフェンネルのレモンクリーム煮(鶏モモを柔らかく焼き仕上げるコツ)

摩訶不思議な野菜、フェンネル 一見すると玉ねぎのような、丸くなったセロリのような。しかし葉っぱはハーブのような味わい。それを初めて見たのは、確かイタリアのスーパーマーケットだったように思う。私にとってとてもセンセーショナルな出会いだった。とりあえずオリーブオイルで炒めた味わいに「なにこれ、不思議でおいしい!」と。 当時私はイタリアに住み、とある都市の郊外に建つ1DKのこじんまりとしたアパートメントで一人暮らしをしていて、そこはガスコンロが3つと、ビルトインのオーブン、大き

いちごのハニーマスタードマリネ🍓(ほんのりピリッと辛味、からの、じゅわっと甘味)

子供の頃は、イチゴに牛乳と砂糖をかけて、これまたイチゴの形した先割れスプーン(あれ、可愛かったなぁ、知ってる?)で、1/4くらいイチゴの食べ応えを残しつつ、牛乳もしっかりいちご味になるくらいに潰して食べる、いちごみるくが好きだった(原点)。潰さなすぎも、潰しすぎもダメ、子供なりにも潰し加減にこだわりがあったのだ。 イチゴってそのまま食べても最高に美味しくて、なのにチョット加えた”ひとてま”にも寄り添ってくれる。しかも、変容せず揺るぎなくいちごのままに。そんな愛しい果物。

スペシャル・カキフライ

カキフライは、言わずもがな揚げたてがおいしい。 そして、家で揚げるカキフライの味ってどこまでいってもカキフライ。 普通の牡蠣で、新鮮な油を使って揚げたて熱々であれば、誰が作っても、おいしく、味に大差が激しく出ない料理のひとつ、、だと思ってた。 けど、この料理には、もっと美味しく作る伸びしろがあったのだ。 スーパーで牡蠣を買う時は、殻付きの方が珍しく、大概はそんなに大きくない。保存水に浸かったパックのやつか、水切りして白いトレイに乗ったやつか。いずれも、新鮮でぷりっぷりの高

ホタルイカとフキノトウのラグーパスタ

基本的に「旬のもの」と言われているものが大好きだ。果物でも、海のものでも野菜でも旬の真ん中のものは味わいが全然ちがう、季節のちからがみなぎっている。 春は、ホタルイカ。とくに生のものは、築地にでも行かない限り、都内では滅多にお目にかかれない。もしも運良く見つけたら迷わず買って沖漬けにするのがなんとも好き。これが日本酒に合うんだ! そんなわけでスーパーで見かけるのは、たいていボイルしたホタルイカだけど、このボイルの仕方がかなり店によって違う。程よい火加減でさっと茹でて氷水にさ