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性教育をアップデート!②~女らしさ・男らしさ?~

『もやもやラボ キミのお悩み攻略BOOK!』
著者:シオリーヌ(大貫詩織) 発売日:2021/6/23
発行:小学館クリエイティブ 発売:小学館


思春期を迎えた小学校高学年の子どもにむけた性教育本ができました!身体や心の成長に関する悩みから、友だち関係、恋愛、SNSの使い方まで、子どもたちの悩みや不安に答えます。
この本を作るにあたり、大人も「性教育」についてアップデートしていかなきゃいけない、と強く感じました。
そこで、編集担当が最近の性教育事情や意外と知らない性の話などをお届けします!

ジェンダーってなに?

男の子なんだから泣かないの!
女の子はそんな言葉づかいしない!
男の子は女の子を守ってあげなくちゃ
女の子だから家事を手伝って
やっぱり女の子はおままごとが好きだね
(電車好きな子に)やっぱり男の子だね~

こんな言葉、つい言っちゃっていませんか?
でも、なにげなく言ったこの一言が、子どもにジェンダーを植え付けているかも・・・

ジェンダーとは、「男・女はこうあるべき」と性別で役割を決める考え方のことです。
ジェンダーは生まれもった価値観ではなく、あとからつくられるもの。

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『もやもやラボ』より

たとえば、ある男の子が
「赤ちゃんの頃には青系の色の服を着て、電車や自動車のおもちゃをもらって、外で元気に遊んでいると褒められる・・・」
という環境で育ったら、それが普通で男の子だから当たり前と考えるようになっても、不思議ではないですよね。

もちろん、その子が性別関係なく青色や電車が好きで、体を動かすことが得意!であれば、なんにも問題はありません。

でも、それらを選ぶ理由が「男だから」だったら、ちょっと考えてみてほしいなと思います。

ピンク色が好きだった男の子が、幼稚園で「ピンクは女の子の色」と言われて、ピンクを避けるようになった・・・なんて話も聞いたことがあります。
それってすごく悲しいことじゃないですか?


冒頭に書いた、つい言ってしまいがちな一言、これは私たち大人が意識して気をつける必要があります。
ジェンダーは生まれもった価値観ではない、ということは周囲の大人の言動で、これからの社会をだれもが生きやすい方向に変えていけるということだからです!

「男・女らしさ」ではなく、「自分らしさ」を大切にして、さらに相手の「その人らしさ」を尊重したいですね。

日本のジェンダーギャップ指数は120位

ジェンダーというと、2021年3月に世界経済フォーラム(WEF)が発表した「ジェンダーギャップ指数2021」で、日本は156か国中120位というニュースがありました。

ジェンダーギャップ指数とは、経済・政治・教育・健康の4分野で男女の格差を測っていて、この順位が高いと男女格差が少なくジェンダー平等が進んでいる国といえます。

日本は主要国(G7)のなかで最下位、アジアでも中国や韓国、ASEAN諸国より低い順位です。

日本はとくに経済と政治の分野で、男女差が大きくなっています。
原因は、閣僚や国会議員、管理職や専門職での女性の割合が低いことがあげられています。

たしかに、昨年の菅内閣発足でも女性官僚がたったの2人(20人中)と話題にもなりましたよね。
ジェンダーギャップ指数の順位が低いのも納得です。

ちなみに、この調査でアイスランドは12年連続1位!
もともと男女格差がないお国柄、ということではなく、国をあげて男女格差に取り組んだ結果だそう。

1975年に男女格差や性別役割分担に抗議するため、9割以上の女性が仕事も家事も放棄してストライキを行いました。
これをきっかけに改革が進み、5年後の1980年には世界ではじめて民主的に選ばれた女性大統領が誕生します。
その後クオータ制が導入されたことで、企業役員は40%以上、国会議員も4割近くまで増えました。

ちなみに日本は、会社役員の女性割合は約6%、国会議員の女性割合は約10%です・・・

コロナウイルスの影響で、女性の失業率が上がったり、家事負担が増えたりと、世界的にみてもジェンダーギャップは広がってしまったと、WEFは分析しています。

性別で格差が生まれてしまわないよう、一人ひとりがジェンダーの考えにしばられない生き方を選択していきたいですね。


前回の記事では生理用品の種類を紹介しています!こちらもぜひ。

『もやもやラボ』発売中です!

『もやもやラボ』は思春期の小学生のための性教育本
身体の変化から、人間関係、心の悩み、SNSの使い方など幅広く扱っているので、性教育扱っている本だと言われることがあります。

でも「性教育」は、人が生きるために必要なスキルを包括的に学ぶもの。
だから、人間関係もジェンダーも人権も、もちろん生殖や性行動も、すべて性教育に含まれます。

「性の話はハードルが高い」と感じる人は多いですよね。
それが思春期を迎えた子どもだったら特に・・・

そういう方に、入門書ととして『もやもやラボ』を手にとっていただきたいです。
小学生にもわかりやすく解説しています。
「女の子だから家事をするの?」といったジェンダーの項目もありますよ。

性教育のはじめの一歩としておすすめします!

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『もやもやラボ』より

担当:市村

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