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【無料公開】『急に「変われ」と言われても』まえがき

新型コロナウイルスの出現により、これまでの「当たり前」が急に変わってしまった2020年。変わるのが不安な僕たちは、どうすればいいのか? 12月3日発売の書籍『急に「変われ」と言われても』の「まえがき」を全文公開します。(酒井)

“急に「変われ」と言われても……”

その後に、どんな言葉が浮かびますか?

 困ります、知らねぇよ、嫌です、どうすればいいんですか? ──いろいろな答えがあると思います。でもほとんどの人は、その言葉を飲み込んでしまうことでしょう。
 人は生きていくなかで、変わることを求められるときがあります。仕事、家庭、学校、プライベートなど、シチュエーションもさまざまでしょうし、上司、パートナー、友人など、求めてくる相手もさまざまでしょう。
 そのとき、どういう対応をするか。それがのちの自分の人生に影響を与えることは、だれかに言われなくてもわかっていますよね。
 とはいえ、準備ができていないときは、自信をもって変わるのが難しい。でも、いつ、どのタイミングで変わることを求められるのか? 何を変えなくてはいけないのか? それが前もってわからないから、準備すること自体難しいのです。それはきっと、だれでも同じ。簡単に変われたら、どんなに楽なことでしょう──。

 日本中、いや世界中の人が、想像もしていなかった変化にさらされた2020年。今まで当たり前だったこと──通勤、仕事、出張、飲み会、学校、保育園、買い物、旅行、帰省──が当たり前ではなくなったとき、当然、迷ったり悩んだりした人がほとんどだったと思います。何しろ、とても急でしたし、今まで経験したこともないことだったから、無理もありません。準備する暇もなければ、方法もわかりませんでした。
 そのなかで感じた不安や不満のほとんどは、漠としておぼろげで、心の中にはモヤモヤだけが募る日々。
 この先、どうやって生きていけばいいのだろうか?
 嵐が通り過ぎるのを、じっと待つだけでいいのか?
 それとも何かをするべきなのか?
 失敗しないための正解を、だれか教えてくれないだろうか?
 迷いに迷って、もうこれ以上わからない、と立ち止まったとき──。


 急に「変われ」と言われても……。


 思わず、そんな言葉が頭をよぎったあなたのために、本書を編みました。


 不測の事態の象徴である「緊急事態宣言」が明けた5月末、7夜連続で行われたオンライントークイベント「My Revolution 2020 ~これからの『仕事』『家族』『自分』を描く7日間~」。本書は、その内容をもとに構成しました(「視聴者」「チャット」といった単語が本文中に頻出するのは、そのためです)。
 アドラー心理学をベースにしたコミュニケーションのスペシャリスト、熊野英一氏とともに企画した同イベントでは、各界で活躍する先駆者(編集者注:前野隆司さん田中靖浩さん林田香織さん藤田一照さん副島賢和さん三谷宏治さん)を毎晩1人ゲストに迎え、ひたすらに「この先、どうすればいいですか?」と問い続けました。
 残念ながら、6人の先駆者は誰一人、正解を教えてくれませんでした。
 しかし、考えるための、動き出すためのヒントは、浴びるほど与えてくれました。そしてそれは、今だけではなく、これから先いつでも、そしてだれにとっても必要な、変わることのない大切なものだと感じています。


 緊急事態が終わって約半年が過ぎました。多くの人の迷いがピークだったであろう、あのときの日常を思い出してもらうために、オンラインイベントの視聴者として、6人の登場人物を創造し、彼ら彼女らのモノローグを各章の導入に据えました。
 あなたもぜひ、あのときの自分を、あのときの周りにいた人たちを思い出しながら、ページを読み進めてほしいと思います。
 そして読み終えたときに、もういちど考えてみてください。
 “急に「変われ」と言われても……”
 その後に、どんな言葉が浮かぶかを。


 2020年11月 杉山錠士


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小学館クリエイティブの書籍編集部です。一般書や実用書をつくっています。私たちがつくる本にこめた想いや編集の裏側などを発信します。HP⇒http://www.shogakukan-cr.co.jp/