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あの3ヶ月は濃かった

僕は老人ホームで働いている。



うちの職場は新入社員に対して
1ヶ月、3ヶ月、半年、一年と
WEB上で研修を行う。
#なかなか手厚い


そのweb研修の中で、
新入社員の方々に
社長が直々に発言されていた。


先輩のやってる仕事で、
できると思った仕事はどんどん
とっていくようにしなさい、と言う内容。


すごく覚えがあって。




かれこれ15年ほど昔、
老人ホームで働くより前に
不動産の営業をしていた。


アパートや団地に住んでいる方に
飛び込みで戸建てを売る営業。
#ピンポーン
#家買いませんか


朝8時に大阪市内の本社に出勤、
9人乗りのノアに詰め込まれ、
朝から洗車し和歌山へ。
「よし、散れ!」の号令とともに、
全員が各々の持ち場に向かう。

予定時間に車に戻り成果報告。
成果があればその日の営業終了。
なければ再開を繰り返し、帰りは毎日終電。
休みは週1。辞める直前は月2日だった。
#今思えばなかなかの黒さ


3ヶ月ほどで根を上げて退職したので
経験…というか体験ぐらいだけど、
いろんな事を体験させていただいた。

けっこう、今の糧になってると思う。


…いまだにマンションなどを見ると
洗濯物を見て家族構成を考えてしまったり、
電気メーターの動き具合を見て
家にいるかどうかを予想しちゃったりするけど。





そんな営業職に入って2ヶ月目ぐらい。

飛び込み営業っていうのは
これほどにきつい扱いを受けるものか…
と言う現実に打ちひしがれ、

マンションを見ると
お腹が痛くなるようになっていた頃、


当時は営業グループのリーダーが用意された、
団地やアパート・マンションに
赤いマーカーでチェックがついたリスト見ながら
そこに飛び込み営業をしていた。
#こんにちは家いりませんか

ある日、
リーダーから不意にむちゃくちゃ怒鳴られる。

「いつまで俺にリスト作成をさせるのか!
こんな単純作業は言われずとも
自分でやるべきだ!」と。

当時は
(ん?こいつ何言ってんだ?)
と思いながらも怖くて、
「すいません!」と、
次の日から見よう見まねで
リストを自分で作るようになった。



今でも言われないとわからないことはある。
と思っているけれど、

今になって思うと、
あれは愛情だったのかもな…
と解釈できるようになった。


与えられるものを
ただ待っているだけでは、
成長はない。

見よう見まねでも、
自分でやってみる。
行動を起こしてみる。

そこから学ぶことって
やっぱり大きくて、

人に与えられるままの物事より、
人からやれと言われたことより、
自分でやった物事の
積極性とか飲み込み具合はそりゃ違うよな。
と、今になって思った。



逆にいえば、
僕はどんどん仕事を取ってもらって、
新しい仕事に手を出していく。

その文化を育てていくんだな、と。


社長がそこまで考えてるのかは知らないが、
僕はそんな事を思った、という話でした。



…15年以上前の話なので
その営業の時のリーダーに
そんな奥ゆかしい優しさがあったかと言えば…
ちょっと疑問ではあるけれども。
#多分ただのパワハラ




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