RBライプツィヒ22/23シーズン総括
こんにちは!今回はRBライプツィヒの22/23シーズンの総括をしたいと思います。シーズン全体の総括、選手個々人の評価について書いていきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
総括
21/22シーズンにブンデスリーガ4位、DFBポカール初優勝と、チーム悲願の初タイトル獲得という最高のシーズンであった。22/23シーズンは、初タイトルをもたらしたテデスコ監督続投の下、舵を切った。しかし、ライプツィヒは苦しむことになる。そして、チームは不調のまま、リーグ11位まで落ちていくことになる。また、チャンピオンズリーグでも苦戦を強いられるのであった。危機を感じたフロントは、9月にテデスコ監督の解任を決定した。
テデスコ監督の解任後、フロントは次期監督として、ザルツブルク、ボルシア・メンヒェングラートバッハ、ドルトムントを率いていた経験を持つマルコ・ローゼ監督を招聘することに決めた。ローゼ体制になったライプツィヒは、それまでの不調が嘘であったかのように快進撃を見せる。一時は、グループステージ突破も怪しまれたチャンピオンズリーグもグループステージ突破を決めた。また、10月以降の公式戦16試合で13勝3分無敗といった具合に驚異的なV字回復をしたのであった。
これ以降の公式戦も苦戦を強いられることはあったが、順調に順位を上げていき、ついには、チャンピオンズリーグ出場権内の3位まで登りつめるのであった。ブンデスリーガ制覇は今シーズンも達成することはできなかったが、序盤の不調を考えると上出来ではないかと私は思う。チャンピオンズリーグは決勝トーナメント進出を決めたが、ベスト16でCL初優勝を飾ったマンチェスターシティと当たってしまい、敗退はしてしまった。しかし、DFBポカールについては順調に勝ち上がっていき、ついには決勝まで勝ち進むのであった。決勝の相手はアイントラハト・フランクフルト。試合はライプツィヒペースで進んでいった。前半は何度かチャンスを作ったが、決定機を演出することはできずに、無得点で終わるのであった。後半も試合展開はライプツィヒが基本的に攻める展開で進んでいき、ついには71分にエンクンクのゴールで先制する。その後、85分のショボスライのゴールで試合を決定づけて、ポカール連覇を飾るのであった。
22/23シーズン全体の成績としては、ブンデスリーガ3位、ポカール連覇、チャンピオンズリーグベスト16となった。私の個人の意見としては、序盤の不調を考えると、とてもタイトルを獲得できるシーズンとは思えず、ブンデスリーガも中位で終わるのではないかと思っていた。そのため、このような輝かしいシーズンとして有終の美を飾ることができたのは、ローゼ監督の手腕があってこそのものだと思っている。ローゼ監督によるライプツィヒは、4-4-2を基本フォーメーションとした、縦に激しく、プレスを前から積極的に掛けに行くことで試合を支配していく、THEレッドブルといったサッカースタイルであった。だからこそ、驚異的なV字回復をしていき、このような最高の結果を収めることができたのではないかと私は思う。来季以降も是非とも、ローゼ監督には続投してもらい、更なる高みにライプツィヒを連れて行って欲しいものだ。
選手評価
GK
グラーチ
今シーズンは10月のセルティック戦で負った十字靭帯断裂による長期離脱により、あまり出場機会に恵まれなかった。ライプツィヒの序盤の不調もあったこともあり、今シーズンは失点が多くなってしまった。チームの影響に引きずられて、パフォーマンスが昨シーズンよりも落ちていたのはあるのではないかと思う。しかし、調子を取り戻せば、ブンデスリーガ屈指の名GKはあるので、来シーズンには期待したい。しかし、来シーズンは今シーズンを代役として、大活躍したブラスヴィヒとのスタメン争奪戦が激化することが間違いないので、出場機会がどうなるのか見物だ。
ブラスヴィヒ
今シーズン、グラーチの代役として大活躍したGK。ほぼ全ての試合に出場し、安定したセービング能力で、チームの危機を何度も救った。ブラスヴィヒの活躍がなければ、ポカール連覇もブンデス3位もなかったと言っても過言ではないと思う。ブラスヴィヒの難しいシュートも的確に止めるセービング能力、視野の広さを活かしたロングフィードによる展開力は、間違いなくブンデス屈指のものであった。また、ディフェンダー陣との密なるコミュニケーションも行っていたことが、この失点の少なさに繋がっているのではないかと思う。来シーズンのグラーチとの正GK争いが楽しみだ。
DF
グヴァルディオル
ライプツィヒ不動のCBとして大活躍をした。相手との駆け引きを制した上でのボール奪取能力、カバーリング能力、パスカット能力、正確で鋭い縦へのパスによるビルドアップ能力、空中戦の強さと、CBとして求められる全ての能力を高レベルで発揮し続けた。DF陣の中でなら、間違いなくMVPであると私は思う。また、CBでありながら縦への推進力もあり、ゴールを決めていることもポイントが高い。移籍市場では注目銘柄とされており、今シーズン、CL初優勝を果たしたマンチェスターシティが獲得に動いているとの噂がある。移籍するとしたら、ファンとしては悲しいが、間違いなく多額の移籍金をチームにもたらしてくれるため、移籍するとしても仕方がないものだと私は思う。もし、移籍するとしたら、新天地でも頑張って欲しいものだ。
シマカン
基本はCBとして、シーズン終盤の方ではRSBとして、安定した活躍をしていた。とにかく対人守備能力が高く、相手との1対1に強いため、頼りになる場面が多かった。また、正確なパス供給によるビルドアップ、敵陣を縦に切り裂くドリブル能力、空中戦の強さ、正確なクロスやスルーパスによるチャンスメイクといったプレーでも違いを見せていた。来シーズンもおそらくスタメンを張って、活躍してくれることは間違いないので期待したい。
オルバン
ライプツィヒのディフェンスリーダー、キャプテンとして、今シーズンも安定した活躍をした。空中戦や肉弾戦の強さ、1対1のディフェンス、視野の広さを活かした的確なパス供給によるビルドアップ能力、ディフェンスリーダーとしての統率力で、チームを引っ張り続けた。オルバンのようなレベルの高いベテランCBがいたことで、グヴァルディオルやシマカンなどの若い選手が躍動できたのは間違いないのではないかと思う。正に陰の功労者といった活躍をしていた。来シーズンもディフェンスリーダー兼キャプテンとしての活躍に注目したい。
ディアロ
序盤は、テデスコ監督の下では起用されていたが、その後に就任したローゼ監督の下では出場機会が激減した選手。対人守備やビルドアップなどのCBとしての基礎能力は並以上はあると思うが、これといった強みが目立つ印象がなかった。その点が出場機会減少に繋がったのではないかと思う。PSGからのローン移籍で加入しているため、来シーズンも出場機会を得られるかは不透明。出場機会を得るには、本人の頑張り次第となりそうだ。
ダビド・ラウム
序盤は守備に難があること、ホッフェンハイム時代に見せていたクロスからのチャンスメイクが激減したこともあり、納得のいくパフォーマンスが行えていなかった。しかし、ローゼ監督の就任後は徐々にパフォーマンスを上げていき、課題であった守備もある程度のレベルまではこなせるようになった。しかし、クロスによるチャンスメイクからのアシストが全くなくなってしまったため、来シーズン以降に攻撃面も復調できるかが鍵となると思っている。とはいえ、数字には残っていないが、献身的な守備をするようになり、攻撃の起点となるプレーも積極的に行ったことは評価に値すると思う。来シーズンはさらに成長していき、攻守両面で圧倒的な活躍を見せてくれることに期待したい。
ハルステンベルク
LSB、CBとして器用に活躍し続けた選手。CBとしては、得意の対人守備とビルドアップにより、バックラインからの攻守の舵取りを行っていた。また、カバーリング能力も高く、チームの危機を何度も救った。LSBとしては、守備的SBとしての出場で、左サイドからの敵の突破を完封しつつ、時折縦への攻め上がりによって、チャンスメイクにも関わっていた。CBとSBの双方を器用に高レベルでこなせる頼れるベテラン選手であるため、チームとしては非常に心強い存在でもあった。来シーズンもベテランとして、チームを引っ張っていって欲しい。
ヘンリヒス
今シーズン、最も成長した選手の1人ではないかと思う。RSBを主戦場とし、これまでも高いレベルのドリブルやクロスによる攻撃センスで活躍はし続けていた。しかし、守備に難があり、度々守備でやらかしてしまう場面が今までに何度か見受けられた。しかし、今シーズンはそんな課題の守備をローゼ監督の下で克服していき、守備面でも頼りになれるSBとして成長した。加えて、元から高かった縦への推進力、クロスやスルーパスによるチャンスメイク能力も向上させたのであった。その甲斐もあって、ドイツ代表にも選ばれるようになるまで成長したのだ。これからも伸びしろがある選手であるので、さらなる成長が楽しみだ。
クロスターマン
今シーズンは、序盤の方は試合に出場できていたが、ローゼ体制になってからは出番が激減していった。理由としては、同ポジションとなるヘンリヒスの台頭が挙げられる。クロスターマンはCBもRSBもこなせる器用なプレイヤーであるが、単純にRSBとしてヘンリヒスと評価すると分が悪かった。クロスターマンの良さは対人守備の高さ、落ち着いたビルドアップ能力が挙げられる。ただ、RSBとして必要となってくる縦への突破力やチャンスメイク能力に関しては劣っている。その点が、守備面も大きく向上させたヘンリヒスにポジションを奪われた最大のポイントとなるのではないかと思う。来シーズン、ヘンリヒスとどう差別化していくかに期待したい。
MF
ライマー
今シーズンも中盤の攻守の要として躍動した。的確に相手からボールを奪い取る能力、視野の広さと正確なキックから繰り出される的確なパス、縦への推進力、中盤の穴を埋めるポジショニングといった、これらの能力を高いレベルでやってのけた。攻守両面で頼りになる場面が多く、ライマーが攻撃の起点になることは、試合の中では多かった。そして、的確にピンチの芽を摘むことにも長けていた。来シーズンから、ライバルであるバイエルンミュンヘンへの移籍が決まり、活躍の場を移すことになる。契約期間は2027年までとのことである。バイエルンでもその真価を発揮できるかに注目したい。
シュラーガー
ヴォルフスブルクから加入したライプツィヒの新たな中盤の要。高スタミナを活かしたカバーリング能力、パスカット能力、視野の広さと精度の高いキックから繰り出されるパスによるチャンスメイク、縦への推進力、ミドルシュートを主に武器としている。ザルツブルク時代の恩師であるローゼ監督の下でプレーがしやすかったのも、活躍の要因ではないかと思う。来シーズンからはライマーが抜けるため、さらに出場機会が増えることは間違いなく、どこまで活躍するのか期待したいところだ。
ハイダラ
ローゼ監督の下で出場機会が増え、そして大幅に成長した選手。元々の武器であった、縦への推進力、違いを生み出すパスの供給、ミドルシュートをベースに、課題であった守備面を改善することに成功した。また、昨シーズンまでは見られたプレー中に集中が切れていると見受けれる場面も、今シーズン空は全くなくなった。それに加えて、ハイダラは調子の波が激しい選手でもあったのだが、調子のコントロールにも成功し、安定して高レベルでのパフォーマンスを発揮できるように成長した。守備面に関しては、まだまだ改善点があると思うので、そこの改善をしていくことと、従来から持ち合わせている武器の研鑽にも勤しんで欲しいと思っている。来シーズンの活躍も楽しみだ。
カンプル
監督交代があったものの、出場機会が減ることもなく、コンスタントに試合に出場し続けた頼れるベテランの中盤の要。今シーズンも安定した高いパフォーマンスを発揮し続けて、チームを引っ張り続けた。縦への推進力、ボール回収能力、守備の穴を埋めるポジショニング、長短折々のパスを交えて作り出すチャンスメイク、これらの武器を活かして戦い続けた。とにかくベテランとは思えないほどスタミナがあり、中盤の選手に求められることを高レベルで難なくこなせる器用な選手であるため、頼りになる場面は非常に多かった。来シーズン以降も、頼りにしていきたい。
ショボスライ
今までにも高いレベルでパフォーマンスを発揮していたが、今シーズン更なる成長をした選手。敵陣を突破するドリブル能力、精度の高いミドルシュート、敵陣の隙を的確に突くパス供給によるチャンスメイク、サイドからの高精度のクロスの供給、からのハードワークといった、従来から持ち合わせている武器を更に磨きをかけ、ピッチ上で圧倒的な存在感を発揮し続けた。その結果が、シーズン10ゴール13アシストという数字に表れていることからも分かる。まだ、ライプツィヒとの契約更新の報道がないため、去就が不透明である。個人的には残ってほしい選手であるため、去就が不安なところである。しかし、まだ22歳であり、更なる成長が見込めるため、おそらくどこに行っても活躍ができるのは間違いない。これからの活躍にも期待したい。
オルモ
今シーズンも安定した高いパフォーマンスで、違いを生み出し続けて、チームの攻撃を作り出していた選手。持ち味の、視野の広さと高精度のパス供給能力を活かしたチャンスメイク、細かいステップのドリブルによる突破力、高い決定力、前線からのハードワークなどを、武器として活躍し続けた。その結果が、シーズン5ゴール11アシストといった数字に表れた。オルモはライプツィヒと2027年までの契約更新をした。来シーズン以降もライプツィヒで活躍が見られるのファンとしては、とても嬉しい限りである。これからもオルモの活躍には期待したい。
フォシュベリ
今シーズンも高い攻撃センスでチームの攻撃陣を引っ張り続けたベテラン。全盛期と比べたらキレは落ちたと言っても、その部分を技術力と経験で上手くカバーして、出場機会をコンスタントに得ていた。フォシュベリの武器は何と言っても、敵陣を切り裂くドリブル突破、視野の広さとセンスの高さから繰り出されるパス、味方との連携から作り出すチャンスメイク、高い決定力である。これらの武器を活かしつつ、味方を上手く活かしたプレーで、若手攻撃陣のプレーをしやすいようにサポートに徹し続けたのであった。その点が評価されて、ここまでの出場機会を得られたのではないかと思う。来シーズン以降も、攻撃の潤滑油としての活躍に期待したい。
FW
エンクンク
チームの得点源として大活躍したFW。ブンデスリーガでは、シーズン16ゴールを決めて、見事得点王に輝いた。また、アシスト能力も高く、ブンデスでは6アシストを記録した。エンクンクの特徴と言ったら、スピードの速さと細かいステップからのドリブル突破、高い決定力、状況判断能力とパスセンスの高さを活かしたチャンスメイク、前線からのハードワークである。このようなTHEレッドブルといった、前からガンガンと攻撃を仕掛けていくFWであるため、ここまで圧倒的な結果を残せたのは言うまでもない。エンクンクはチェルシーへの移籍が決まっており、来シーズンからは活躍の場をプレミアリーグに移すことになる。プレミアリーグでも自分の武器を精一杯発揮できるかどうかが楽しみだ。
ヴェルナー
チェルシーから復帰したFW。チェルシーに行く前と比較するとゴール数は落ちてしまったが、数字には表れない部分での活躍はし続けていた印象がある。それは、前線からの積極的なハードワークであったり、味方との連携からのチャンスメイクである。こうしたヴェルナーの一生懸命さが評価されたのもあり、シーズンのほぼ全てで出場機会を得られたのはあるのではないかと思う。かつての得点の嗅覚を取り戻せば、ブンデスリーガ得点王などで、再び輝くことは間違いないであろう。来シーズン、更なるゴール獲得に期待したい。
アンドレ・シルヴァ
アイントラハト・フランクフルトからの加入2年目のFW。昨シーズンから加入しているが、フランクフルト時代に見せていたゴールゲッターぶりが、今シーズンも鳴りを潜めていたのが痛かった。出場機会には恵まれたが、ゴーるをあまり決められなかったのは、来シーズン以降の課題であろう。ただ、元々の能力は非常に高く、状況判断能力も高い選手であるため、ローゼ体制2年目では、以前のような輝きを取り戻せると私は信じている。
ポウルセン
ライプツィヒ攻撃陣を長い間引っ張り続けているベテランFW。エンクンクやヴェルナーなどの若手FWの台頭もあり、スタメン出場の機会は減っていった。しかし、途中出場でも違いを生み出せる選手であるため、試合に出れば、何らかのインパクトを残していた印象はある。決定力、対空中戦、ポストプレーを高いレベルでやってのける、頼れる存在であることは大きかった。来シーズンも出場機会には恵まれないと思うが、若手FW達を引っ張るベテランとして頑張って欲しいと思っている。
来季の展望
来シーズンのライプツィヒは、中盤の要であったライマーと、ブンデスリーガ得点王のエンクンクの2人を失うことになる。しかし、ザルツブルクからザイヴァルドとシェシュコ、ホッフェンハイムからバウムガルトナーを獲得したため、穴埋めとしては十分ではないかと思う。また、RCランスからオペンダ、リヨンからルケバの完全移籍での獲得、そしてリヴァプールからのカルヴァーリョのローン移籍を計画しているとの噂もある。これらが全て実現すれば、悲願のブンデスリーガ制覇も現実的に見えてくるのではないかと思う。また、チャンピオンズリーグでミラクルを起こせる可能性も考えられる。来シーズンのライプツィヒがローゼ体制の下で、どれだけ成長していき、結果を残せるかが楽しみである。もちろん、ニューヨークレッドブルズから加入済みであるケイデン・クラークなどの若手選手の台頭にも注目していきたい。一ファンとしては、来シーズンのライプツィヒには、ブンデスリーガ優勝、チャンピオンズリーグベスト4、ポカール3連覇を目標に頑張ってほしいと思っている。これらの内どれかを達成すれば、十分ではない化と私は思っている。来シーズンのライプツィヒにも注目だ。
備考:移籍加入済み選手のツイート
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