【インタビュー】カフェは多彩なカルチャーの入り口になれる ―個性の光るカフェを紹介するCafeSnap創業者・大井彩子さん―
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【インタビュー】カフェは多彩なカルチャーの入り口になれる ―個性の光るカフェを紹介するCafeSnap創業者・大井彩子さん―

個性の光るカフェが探せるアプリ・メディア「CafeSnap」のプロデューサー兼編集長の大井彩子さん。CafeSnapと連動する形で、コーヒーフェスティバルや抹茶ラテアートの大会のプロデュースなどもされており、今年の6月からはカフェ専門の制作プロダクションであるCafeSnapプロダクションも始動。
今回goodpassにご協力いただいたように、カフェが好きなユーザーさんとカフェを経営するオーナーさんに喜んでもらえる様々な活動をされています。

カフェ巡りは世界文化旅行、行くたびに発見のある場所

――CafeSnapを立ち上げた経緯をお聞かせいただけますか?
大学時代からカフェ巡りが好きだったのですが、社会人になってトロントに留学したときにもう一度カフェのもつ魅力に気づきました。トロントでは100メートルおきくらいに個人カフェがあったので、気軽に個人カフェを巡ることができました。しかし日本に帰国してみるとあるはずの個人カフェを探す手段がなく困ってしまい、それが個性の光るカフェが探せるアプリ・CafeSnapを作るきっかけになりました。

――トロントのカフェはどんなところが魅力的でしたか?
移民の国と呼ばれるカナダの一番大きな都市であるトロントには、様々な国の方が住んでいて、人種や宗教、文化、ジェンダー、年齢に対する考え方もとても多様でした。そんな街でカフェを経営するオーナーさんたちはバックグラウンドが多様性に富みそれぞれがとても個性的でした。だから、トロントでのカフェ巡りは世界文化旅行のようで、カフェは知らないことをたくさん教えてくれる場所でした。

――CafeSnapのアプリを立ち上げるとき、どんなことを目指していましたか?
今はグルメサイトなどでお店に点数や評価をつけたりするものが多くありますよね。ですが私はカフェはオーナーさんの人格そのものだと考えているので、お店に点数をつけるやり方はしたくありませんでした。それよりもユーザーが自分に合ったカフェを選べる場所を作りたいと考えていました。そのためCafeSnapでは、写真から探せる・エリアから探せる・ソファがある・Wi-Fiが使えるというようにたくさんの切り口を設定し、自分に合ったカフェを見つけられるように設計しています。
カフェはみんなと一緒に成長していくものなので、いいところを共有して魅力を伝え合っていこうよ、という流れを作れたらと思っています。

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(写真:CafeSnapアプリ)

カフェは世界への入り口であり、自分らしさを再確認する場所

――大井の考えるカフェの魅力はなんですか?
カフェの魅力は「いろんな世界の入り口になる場所」であることだと思っています。たとえば、インテリア、料理、コーヒー、音楽、食器、など。カフェって新しい出会いをポンと提案してくれる一番身近な場所なんです。自分の心に留まるものがあれば、オーナーさんに質問して教えてもらうも良し、自分で調べるも良し、そうやって世界が広がっていきます。
それともう一つ、カフェは自分が好きなものを再認識できる場所でもあります。「あ、わたしってこういうのが好きだったんだ」と今まで知らなかった自分の“好き”に気づかせてくれる場所。そういう発見って自分らしさに繋がっていくと思うんです。流行っているから選ぶのではなく、自分が好きだから選ぶ、そういもので満たされていくと人生がもっと豊かになるのではないかなと思います。だから私はできればいろんなカフェに行っていろんな世界を見てほしい。そうやって見つけた“好き”で満たされると人生はもっと豊かになると思います。

――大井さんにとってカフェのオーナーさんはどのような存在ですか?
オーナーさんは“自分らしく生きる”のお手本になる人たちだと思っています。自分の好きなことや得意なことを強みにしてお客様を喜ばせている人たち。そういう生き方って素敵だと思うし、そんな生き方をできる人たちは一般常識や固定概念にとらわれていなくて、お話をすると「あぁ、こういう生き方もあるんだ」「こういう考え方もあるんだな」と思考や視野が広がっていくのを感じます。“自分らしく生きる”というのは私自身の大きなテーマでもあり、世の中にそう生きる人が増えたらいいな、という思いもあります。だから、“自分らしく生きる”を率先してやっているカフェのオーナーさんを応援しているし、そんな方々が経営するカフェに行く人を増やすことで、“自分らしく生きる”ことに辿り着ける人を増やしていきたいです。

――固定概念にとらわれていない生き方・お店の在り方ってたとえばどのようなものでしょうか?
こうじゃなきゃいけないという概念を壊している人の一人はgoodpassのチケットでも紹介している日本茶カフェのTEA BUCKSさん。これまで日本茶カフェというと、かしこまったところが多かったのですが、 TEA BUCKS さんはコーヒーショップのようにスタイリッシュで気軽に入れるお店です。オーナーさんはお茶の産地に出向いてより良い茶葉を探すなど研究熱心なのですが、腕にびっしりタトゥーが入っていたりと個性的な一面もあります。根は真面目に、けれど表現を変えることで若い人たちにも日本茶の魅力が伝わるように工夫しているのが面白いなと思います。

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(写真:TEA BUCKS)

カフェは日本社会とその地域の今を反映する鏡

――街づくりにおけるカフェの役割や可能性について感じることはありますか?
カフェの役割はコミュニティを育むことだと思います。カフェは人と人が出会う場所でもあるし、アイデアが生まれて企画が実現するクリエイティブな場所でもあります。
それはカフェという場所が、人と人がリラックスしてフラットに対話できる場所だからです。歴史的に見ても、カフェは身分の差に関係なく対等でいられる社交場とされていて、ジャーナリズムもそこから生まれました。コーヒー一杯だけあれば、そこにはもう会議室にはないフラットさが生まれるのが魅力であり、可能性であると感じます。

――社会という大きな視野で見たとき、カフェはどのような場所だと思いますか?
カフェは時代の流れと地域の特徴を反映する鏡みたいな場所だと思っています。たとえば、カフェにおいても女性の働き方は変わってきています。男性のオーナーが一人で切り盛りするスタイルだけではなく、元看護師の女性が経営していてそれ以外のスタッフは全員兼業、普段は専業主婦や現役の看護師をやっているというお店とか。他にも、時代の流れで日本茶業界が危機というときにコーヒースタンドをヒントにほうじ茶のお店が開かれたり。神楽坂にある「メロンとロマン」というお店は青森県の人たちが営んでいるメロン専門のカフェなのですが、青森のメロンの美味しさを知ってほしい、メロンを食べるために青森県に行ってほしい、あわよくばその素晴らしい土地に移住してほしいという壮大な夢を持っていらっしゃいます。だから「メロンとロマン」という店名。農業従事者が減ってゆく時代の流れを映して生まれたカフェだと思います。
このように社会課題と人のあいだにカフェが入ることにより、その距離を縮めることができるのもカフェの魅力だと思います。こういうお店が光って、見つけてもらえて、応援される街になっていくと嬉しいです。

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カフェは渋谷カルチャーの発信地になれる

――カフェにとって渋谷はどんな存在だと思われますか?
渋谷はカフェカルチャ―を語るのに欠かせない街です。日本には昔から喫茶店という文化はありましたが、1970年代に渋谷の文化村にドゥ マゴ パリが開店しフレンチカフェの文化が日本に上陸しました。そして、それが大ヒット。これまでの暗くて閉塞感のある喫茶店と比べて、フレンチカフェは広くて明るく開放的なところが新しいと人々に受け入れられました。1990年代になると東京カフェブームがやってきて小さなお店がたくさん開業します。そこからカフェ飯ブーム、パンケーキブーム、スイーツブームなどが生まれて、カフェがスイーツ業界やグルメ業界に影響を与えるようになりました。
 ラテアートにおいても渋谷は重要な街で、渋谷の STREAMER COFFEE COMPANY のプロデュースをした澤田洋史さんが日本初のラテアート世界チャンピオンになりました。彼の影響で渋谷のストリートカルチャ―とミックスしてラテアートが普及していきました。このような出来事からラテアートといえば渋谷のイメージが強く、コーヒーにとっても渋谷は大事な街になりました。

――今回はなぜgoodpassにご協力いただけたのですか?
街の方々に「渋谷でコミュニティがある場所、好きな場所はどこですか?」と聞くとカフェとベーカリーという答えが多かったと知り、街づくりの中でカフェが認められたことが嬉しく、ぜひそのまちづくりに協力させていただきたいと思ったからです。

――goodpassのチケットとして15店舗を紹介していただきましたが、どのような視点・想いでセレクトしていただいたのでしょうか?
カフェのある人生の方が豊かになると信じているので、まずはぜひカフェに足を運んでほしいです。そういう意味で、空間やメニューに魅力的なものを揃えている「行ってみたい」と思わせる力のあるお店を選んでいます。これまでチェーン店しか行ったことのない人でも入りやすそうな、誰が行っても楽しんでもらえるようなお店を選んでいます。

――goodpassやカフェの応援を通して、渋谷にこれからどんな街になっていってほしいですか? 
渋谷区行政がダイバーシティを掲げていることからも分かるように、渋谷は多様性を表現できる・尊重できる都市として日本を代表する街になっていくと思います。多様性のある街だからこそいろんな人がいて、いろんなアイデアをもっている人がいる。そんな人たちが集まって様々な課題を解決できるリーダーシップのある街になればいいなと思います。
また、ファッション、音楽、アートなどカルチャーが発信される街でもあるので、それがカフェを通してもっと広まっていったらいいなと思います。

大井さんがセレクトしたローカルgoodなカフェのクーポンはこちら!ぜひ、shibuya goodpassに登録して足を運んでみてください。

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<CafeSnapのホームページはこちら
CafeSnap(カフェスナップ)は“個性の光るカフェ“が探せる日本初のカフェ専用アプリ。 昔ながらの喫茶店、オシャレカフェ、話題のコーヒー店や日本茶カフェまで全国約14000軒をご紹介。訪れたカフェの写真やログを残せます。




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