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”最近会社に行ってません”っておはなし

最近会社に行ってません。

こう書くと登校?登社?拒否の人みたいですが、いろいろ理由があってのことではあったりします。前期20期の後半、ボクは社内の調整ごとに奔走していました。ボクは割と現場での細かい調整が得意なタイプ。周りのみんなからもそういう立場を求められるので、社長というよりは現場のマネージャー的な動きをしていたんですね。なぜ会社に行かなくなったかをわかりやすく言うとボクのマネージャー的な立ち回りが20期の後半くらいから決定的にうまくいかなくなったんです。こう書くとやっぱり出社拒否っぽいですね。(笑)

おいかぜのスタッフたちはみんなやる気があって責任感のあるちゃんとした人が多いです。そしてみんな良い子たちばかり。喧嘩とか決定的な揉め事が起こるわけではないのですが、なぜか人と人との衝突が多い。それぞれの言っていることは間違っていないけれど、どこかまとまっていないような、そんなことが続きました。

悶々とした時間を過ごしながら、今期に入る直前くらいにボクはある仮説を立てました。

”たぶんこれはボクの動き方が良くない、そしてボクが動くこと自体が良くない”

ボクの立ち回りが会社に悪い影響を与えているのではないか、ボクは変わっていないつもりでもボクと会社の関係性みたいなものが変わっているのではないか、そう思ってのボクとみんなの間に距離を取ってみようということです。

ただ単に会社に行かない社長になると、それは経営放棄になってしまうので、ボクの立ち回りに関することで、大きく何をやって何をやらないかを決めました。


1、やらないこと

・チームリーダーや事業部長を飛び越えたコミュニケーション

40人を超える人数において、ボク個人の力で漏れなく情報を伝えることは難しいということに気付きました。とても当たり前の話ですね。会社の規模が学校の1クラスを超えてしまったいま、ボクが一人一人に細かく何かを伝えるのではなく、ちゃんと組織の形を使ったコミュニケーションを心がけようという話です。仕事に関する個人的な相談をされたときにボクが自分で解決しようとするのではなく事業部やチームに委ねるということです。”課題解決型の人間”にありがちな癖みたいなものです。

・決まった時間に会社に行くこと

いまのおいかぜのフェーズにおいて、ボクが常に会社にいる安心感は必要ないというのがわかりやすい解です。心理的安全の定義のし直しといってもいいかもしれません。会社に社長がいることは心理的安全の一つかもしれないけれど全てではない。これも当たり前のことですが”チーム→事業部→会社”という方向に心理的安全はつくられるべきです。社長は精神的支柱ではあるけれど心理的安全を担保するだけの立場ではない。大げさですがそういうことだと思っています。

2、やること

・ボクの考えや想いをきちんと伝える

40人を超える組織になると、ボクの考えや想いを知る機会は、業務において近くにいるスタッフの方が多くなります。直接のコミュニケーションに限った場合ですが。ボクが会社に行かなくなることで近い人にも何かを伝える機会が無くなるわけですが、そこにボクの本意はありません。ボクの考えや想いを知る均等な機会をつくりたい、その上に直接コミュニケーションを上積みしたい、そういうイメージです。そのために広報をがんばる、社内報をつくる、サイトリニューアルする、ボクがnoteを書く、SNSの運用をちゃんとする、なんだか文章にすると不器用そうなやり方ですが、組織が大きくなるとはそういうことなんじゃないかと思っています。

・会社とスタッフのコミュニケーションを整理し再設計する

前述の”ボクの考えや想いをきちんと伝えること”とも被ることではあるんですが、会社とスタッフのコミュニケーションの層を定義し、それぞれ最適なツールを選び直しました。すごく当たり前のことです。情報は重要度や種類が異なります。何かツールを導入すること自体でコミュニケーションが改善されるわけではなく、情報とコミュニケーションのレイヤーを意識し、最適なツールを選択すること、そのツールをもって情報をきちんと届けることが必要でとても大切なことですよね。

Zoom会議(SHARE AND TALK)で使用した資料より

さいごに

会社に行かない言い訳を作文しているような気持ちになっていますが、たぶんまだボクの”会社に行かないぞキャンペーン”はしばらく続きます。これも試行錯誤しながらかたちを変えていこうと思っています。20年間同じように続けてきて、やり方を変えてみるってことなんで、それなりの思い切りと体力がいるってことですよね。”何か変化したいときには今の極から反対の極に一気に行ってみる”ということの実践でもあります。ボクの持論です。

あ。ちなみに全く会社に行っていないわけではありませんのでご心配なく。まるで病気のようにインターネットには遍在し続ける日々は送っています。

Photo : Yukina Yokoi

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