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魔王ミリバール、魔獣ヘクトパスカル に玉座を明け渡す

 ヘクトパスカル (英: hectopascal, 記号 hPa) は、国際単位系 (SI)における圧力の単位です。ヘクトが100倍を表す接頭語であることから、1ヘクトパスカルは100パスカルを意味します。(Wikipediaより)

 既にお気付きと思いますが、これは魔界の勢力争いではなく、気象用語の変遷の話です。気圧の単位がミリバールからヘクトパスカルに変更された経緯は次の通りです。

 まず、気圧の単位として、1990年頃まで「ミリバール (mbar)」が広く使用されてきました。ミリバールは、1バールを1000等分したもので、1ミリバールは、1ヘクトパスカルに相当します。しかし、国際単位系(SI)においては「パスカル」だけが圧力の単位として採用されていました。そして、SI への統一が進む中で、気象学の分野でも徐々にSI の使用が推奨されるように・・・。これにより、気圧の単位として「ヘクトパスカル(hPa)」が使われるようになったのです。

 この変更は、世界中の気象学者や科学者が共通の言語でコミュニケーションを取りやすくするため、またデータの比較や共有を容易にするために重要でした。SI に統一することで、国際的な気象情報のやり取りがスムーズになりました。結果として、現在では多くの国や気象機関で、気圧の単位としてヘクトパスカルが広く使われています。

 時系列で見ると、気象データで気圧単位をヘクトパスカルに変更することが提唱されたのは、1980年代初頭です。具体的には、世界気象機関が、1982年から気圧の単位としてヘクトパスカル(hPa)の推奨を始めました。ちなみに、日本での切り替えは、1992年12月1日からでした。ただし、米国では、今でもミリバールが使われています (汗)。

 イメージ図は、魔王ミリバールと、それを凌駕するまでに成長した魔獣ヘクトパスカルの戦いです。

魔王ミリバール、魔獣ヘクトパスカル に玉座を明け渡す


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