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ヒトの細菌叢(Microbiome)とプライマル・ヘルス4

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今回は、メルマガ33号(2021.10.31)の配信内容です。

では今回も微生物叢に関する話題をお送りします。
前回の内容は下記をご覧ください。

ヒトの細菌叢(Microbiome)とプライマル・ヘルス4

セクション1 姙娠と胎児の生命 
Chap.1 妊娠中の微生物叢の変
2 腸内細菌叢は妊娠中に変化する

ポイント

  • 腸内微生物叢は質・量とも劇的に変化する

    • 細菌の比率が高まる

    • 個人間のバラツキが大きくなる

  • 変化は生理学的な指標がピークに達する妊娠後期に現れる

  • プロゲステロンはビフィズス菌を増加させる

  • メタボ患者に似た細菌種の変化も見られる

  • その他種々の細菌種の増減が認められる

前回述べたように妊娠中は腸内微生物叢が劇的に変化します。

妊婦の腸管内の細菌は質(種類)、量ともに減少します。

微生物叢には細菌、真菌、酵母、蠕虫、ウイルスなどが含まれます。非妊娠時はそれらの比率は一定ですが、妊娠すると細菌の比率が高まります。またある細菌種は過剰になり、またある細菌種は少くなりますが、その程度も個人間のバラツキが大きくなります。

興味深いことに、妊娠中の微生物変化のほとんどは、妊娠後期の第3トリメスターに見られます。これは体重増加、インスリン不応度、炎症、ホルモンレベルの変化などの生理学的指標がピークに達する時期です。

 

最近の研究では、プロゲステロンは、妊娠後期に腸内のビフィズス菌を含むいくつかの菌種を、ダイレクトに増加させます。

妊娠中の微生物の変化の一部は、妊娠後期の代謝に関連しているようです。

例えば、ブチレート産生細菌であるフェカリバクテリウムは、SCFA(短鎖脂肪酸)を産生するが、妊娠後期にはメタボ患者と同様に有意な減少を認めます。

一方、アクチノバクテリアやプロテオバクテリア・フィラの存在量が増えています。その他妊娠の進行に伴い、ナイセリア、ブラウチア、コリンセラが増加し、クロストリジウム、デハロバクテリウム、および未分類のバクテロイダレスの減少が見られます。

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