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のぞみちゃんの冒険

 わたしの名前は高橋のぞみ。とある地方の小さな町に住んでいる十四歳の中学二年生です。
 日曜日の早朝、緑の深い小山の上にある中学校を訪れたわたしは、古びた体育館へと向かいました。生徒数が少なく、校舎や体育館がまだ木造の中学校にはだれもいませんでした。
 校舎の入り口には鍵が付いていますが、体育館の扉には鍵が掛けられていません。それを知っていたわたしは、体育館に忍び込むと、きしむ床を足早に歩いて用具室へ向かいました。
 
 少し前、下校時に拾った写真集は、わたしと同じ名前の少女がモデルになっていました。モデルをしている少女の年齢も、わたしと同じ十四歳でした。その少女は、今でも小学生に間違われてしまうわたしと似た幼い体型をしていました。
 写真集は、少女の裸体を写したものでした。身体は未熟でも心だけは早熟なわたしは、その写真集に性的な匂いを感じました。同性の裸だというのに、見ていると性的な興奮が抑えられなくなりました。
(この女の子はわたしと同じ年齢なのに、裸の写真を撮られて、それをたくさんの人に見られているんだわ… いったいどんな気持ちなのかしら…)
 そんなことを思いながらモデルの少女に自分を重ね合わせると、わたしの身体は火照ってしまい、自分を慰めずにはいられませんでした。
 
 身体を伸ばせばお尻が見えてしまうほど短くはありませんが、わたしが着ている白いワンピースは写真集の少女が身に着けていたものに似ています。
 体育館のフロアを横切って扉が開けられたままになっている用具室に入ると、わたしは着ていたワンピースを脱ぎ捨てました。モデルの少女と同じように、下着は着けてきませんでした。
 くつ下と靴以外は何も身に着けていない姿になったわたしは、置かれたままになっている跳び箱の上に手をつきました。
 辺りを見回し、耳を澄ませてだれもいないのを確かめました。用具室の窓の外から聞こえて来る鳥の声と、全身を包み込む体育館と用具室の空気が、公共の場所で裸になっているのを実感させてくれました。
「わたし、体育館で素っ裸になっているんだわ… いつもはみんなと授業をうけているところで…」
 わざとひとり言を口にすると、膝が震えだして胸の鼓動が高まりました。
(まだ中学二年生の女の子なのに… わたし… こんな場所で裸になって興奮しているんだわ…)
 そんなことを考えると、わたしの中で何かが壊れたように思えました。
 
 拾った写真集の中で一番好きな写真は、モデルの少女が裸で跳び箱にまたがっている写真でした。少女は腰を少し左にずらして、まるで跳び箱の角に敏感な部分を擦りつけているように見えました。また、目を閉じて唇を結んでいる表情を見ると、快感を得て恍惚としているようにも思えました。わたしは、その写真を見ながら何度も何度もオナニーをしました。わたしもこんなことをしてみたいと思いながら。
 
「あっ… はぁっ…」
 何も着けていない下半身を跳び箱の角に擦りつけながら、わたしは喘ぎ声をもらしています。
 “こんなところですることじゃないのに…”
 わかってはいても、お腹の奥から沸き起こってくる熱い感覚に抗うことはできませんでした。淫らな気持ちが強まるほど快感も高まっていきました。
(こんなところをだれかに見られたら… こんな淫らな姿を人に見られたら…)
 そう思いながら、わたしと同じ名前を持つヌードモデルの少女を思い浮かべたとき、わたしは限界が訪れるのを予感しました。
「高橋のぞみは、体育館で素っ裸になって… オナニーをして感じる変態女子中学生です…」
 心の中で叫ぶつもりだった言葉が口に出てしまうと、わたしは今まで得たことがないほどの激しいエクスタシーを迎えながら身を震わせました。

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