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「シュクリアの国のアリス」制作裏話

こんましゅー!ましろ星からやってきた宇宙の天使、さぶれーぬです。

昨晩は定期ラジオ配信#れーぬさろん の5月の最後の配信でした。
なんやかんややりたいことを詰め込み過ぎてしまって、本配信で3時間弱、アフタートークで約1時間、計4時間もぶっ通しで配信をしていました。
あまりにも楽しい配信だったので、終わった後も全く寝付けずカーテン越しの明るい朝を感じながら明け方にやっと眠りにつきました。超エキサイティング。

この熱が冷めやらないうちに、昨晩最終回を上演した5月の週刊連載ボイスドラマ「シュクリアの国のアリス」の制作裏話を書き残しておこうと思います。本編と併せて楽しんで頂けたら幸いです。


※以下は「シュクリアの国のアリス」をお聞きいただいていることを前提とした記事です。ガンガンネタバレするので未視聴の方はご注意ください。

✩໒꒱各上演回のアーカイブはこちら

YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCV_WaHJvcgnOQ6iIo_X9-GA

#れーぬさろんアーカイブ再生リスト
niconico:https://www.nicovideo.jp/mylist/64472645
YouTube:https://youtube.com/playlist?list=PLIgt6wYvltfH-Ya0UhG9kQJAqS78ImIc9

※第78~81回にて上演。

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【ボイスドラマ こぼれ話】
今回は実際に上演したボイスドラマの演出の中で、意味を持たせはしたけどきちんと説明まではしていなかったおまけの話からお届けしようと思います。

①第一話冒頭に忍ばせた虫の羽音
れすなーさんからもご質問を寄せられていたこの件。この物語の冒頭はシュクリアの世界で語り継がれている童話「クッキーと少年」の朗読から始まります。
その朗読の途中、何やら不気味な音が突然割り込みました。すぐに何事もなかったかのように再開されるのですが、その「音」に忍ばせた仕掛けについてのおまけ話です。

アフタートークでもお話したように、この不気味な音にはほんっっっの小さな音量で虫の羽音を入れていました。
虫の中でも具体的に蜂の羽音、と言っていたかどうかちょっと定かでないのですが、この音は二種類の虫のイメージを込めていました。

ひとつはプロローグで語られる「クッキーと少年」に登場する「蜜蜂」。
蜜蜂はその呼び名の通り、蜜を集める虫です。シュクリア達の世界で蜜と言うと、思い浮かぶキャラクターがいますね。カフェの妹、ハニーです。
単刀直入に言うと、この蜂の羽音には「蜜=ハニーを摘み取る存在」、ハニーに危険が及ぶことを示唆している、という意味を込めていました。

そしてもうひとつは、「蠅」。
これは本当にただのイメージとして付けただけなのですが…。最終話でハニーが事故で死んでしまったことが明かされました。冒頭の羽音にはそのハニーの死体にたかる虫のイメージも重ねています。とにかくハニーの死をめっちゃ匂わせたいみたいな意味で忍ばせた音だったのです。
分かり辛すぎる!!!笑

余談ですが、ハニーは、というかシュクリアがもし死んでしまったとしても、多分虫はたかりません。たかるとしても蠅じゃなく、蜜を吸いに来た蝶々とか蜜蜂とか蟻さんとか、多分もうちょっとかわいらしい感じの奴らだと思います。
傷口からはちみつを流し、甘い香りを振りまくシュクリアの少女の死体に集まる蝶や蜜蜂。グロテスクなはずなのに一見愛らしいと錯覚しそうになる。
シュクリアの死はそういうものであって欲しいので、蠅は物語の伏線としてイメージを込めただけで実際は寄ってきません。蠅は寄ってきません。大事なことなので二回言いました。


②カフェが見つけた紙切れ
世界がループしていると気付くきっかけになった紙切れ。そしてカフェが自分の机の中で見つけた日記帳。これらはリセットを飛び越えて次のループ世界にも引き継がれています。
次のループに持ち越されるものと持ち越されないものの基準は何なのか。

それは、シュクリアの世界を創った、夢の主であるアリスが望んだかどうか。

シュクリアの世界はトラウマになった出来事をオブラートに包み解釈を無理やり変換する為にアリスが創り出した場所です。
アリスは「あの時見たのは人型のお菓子だったんだ。人型だけどお菓子なのであれば食べられていたっておかしくはない。怖くない」と言い聞かせ、人型のお菓子が生きる世界を妄想することで安息を得ていました。
そこから生まれたシュクリア達は、アリスの意識の行き届かないところでひとりでに成長し、夢でありながらひとつのパラレルワールドとして存在するようになります。
しかし完全に独立してはおらず、その在りようはアリスの潜在意識によって左右されていました。

そんな世界で、あのメモはアリスのどんな望みを受けて存在していたのか。
「マカロンが宝さがしをして意中の人と結ばれる、その出来事が素敵だったからあのメモは残しておこう」…と、アリスがそこまで具体的に願ったという訳ではありません。
「ほとんど人目に触れないところに隠されている為滅多に見つかりはしないだろうけど、いつか必要とする人が見つけた時に前に進むきっかけになって欲しい」という抽象的な願望によって、あのメモはリセットを経ても引き継がれたのです。

その願望はアリス自身が、現実世界で自分自身からも隠し忘れようとしているトラウマに対するものでもあります。
トラウマを克服し前に進むきっかけが欲しいけど、恐怖のあまりそのきっかけ自体を必死に隠して追いやってしまうアリス。それでもやっぱり乗り越えて進んでいきたい。
その無意識の願望を託されたのがあのメモであり、メモを見つけたカフェでした。日記帳も同じく、先に進むことをカフェに促す為に残された存在です。
その結果、カフェはアリスの影響を他のシュクリアより強く受けるようになってしまい、あの悲劇が引き起こされるのですが…最終的には自分の葛藤を生み出したアリスによってそこから解放されます。
エッモ!!!!!(自画自賛)


さて、ここまでボイスドラマ内では語り切れなかった演出について紹介させて頂きました。
本編と併せて、楽しんで頂けましたでしょうか?
ここから先は更に突っ込んだ物語の制作秘話(主にボイスドラマの前身となったオリジナル小説のことや小説版との違いについて)を書かせて頂いています。
シュクリアの物語の裏話を更に深く知りたい方は、よろしければ記事をご購入頂いて最後まで楽しんで頂けましたら幸いです。

ここでお別れの方の為に一旦ご挨拶を…。
今月も#れーぬさろん 及び週刊ましろストーリーズを見守ってくださりありがとうございました!
来月はましストに関してまた新しい試みを予定しております。
是非6月のお話も、未来を選択して一緒にお話を作り上げてくださいませ!
ここまでお読みくださりありがとうございました!!

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