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厳つい人に漫画をオススメされる謎の時間

触ってもわかるし見てもわかる。
うわーすごいなこれと新幹線のトイレでじっくり見てしまう。点字は読めない。しかし、ミニマルな言語で美しいなぁと思う。

新幹線の座席に戻るのためらっている。
僕の両隣が十中八九、ヤ○ザ的な人なのだ。ちらっと覗いたこの車両の大半がそっちの世界の人のようだ。服装はサラリーマンだが隠しきれないのは空気だけじゃなくて股の広げっぷり。占有面積よ。

左隣の太ったヤーさんが不意に本を出す。何を読んでいるのか気になる。気になりすぎる。自然を装ってチラッと見ると「ファブル」!!!嫁がオススメしまくってくるファブルじゃないか!!

嫁のオススメに加えて本職っぽい人が真剣に読むファブルが今俺も見たい。でも、嫁が全巻買っているし無駄遣いすぎる。自然とKindleでファブルを検索した俺。そして、それを左ヤーさんに逆にチラ見される俺。

ヤーさん、目が合い一言「ファブル面白いですよね!笑顔」

敬語!

笑顔!

結果、色々話してしまった。全然いい人だった。流石に仕事の話は触れなかったけど、その車両の多くが名古屋で降りていった。

謎の漫画愛で繋がり帰り際、ひょいと手を挙げ挨拶しきえていくヤーさん。なんだか貴重な体験をした。いやもしかしたら厳ついだけの男たちで普通のサラリーマンかもしれない。

家に帰ったらファブル読むか…と心に誓った。
あとあらすじ説明ムッチャうまかった。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。