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家族が増える。

夜、喉が渇き冷蔵庫を開けるとビールが1本だけあった。
しめしめと思いながら一人プシュッとビールをあける。
その音にビビったうちの猫が隣で急に威嚇のポーズをとる。
大丈夫、これは世界を平和にする人類の発明だから。

危険がないと理解した猫は勝手に気に入ったZOZOの段ボールに丸く収まる。
何か彼にとって良い悪いがダンボール選びにあるようだ。
ココと名付けられた猫は我が家に来て3年がたつ。息子が小一のころ、下校時に拾ってきた猫だ。

もう一匹は黒猫のベルカ、妻と同棲しているときに僕がもらってきた兄妹猫の生き残り。オスのムンクは天に召されてしまったが、ココちゃんがまだ幼いころ兄のように面倒を見てくれた。

僕と妻、子供二人に、猫二匹。
天に召されたムンクの不在は静かに寂しさを残し、縁があり里親を身近で探している子がいた時は、引き取ろうと考えたりしていた。

春先、風が暖かくなるころ、子猫が町の至る所で産声をあげる。
野良で生きていく子もいれば、誰かに引き取られていく子も。
酒場で呑みながら、なんなら商談も交えている時にふわっと「野良の子猫いたら探してるんだよね」なんて言葉をこぼす。

その3秒後「いますよ!野良の子!」と酒場のスタッフに写真を見せてもらう。
なんなら三匹もいる。あ、すぐ連絡して良いっすか。せめて一匹だけでも引き取ります。ということで、これがご縁。明日、我が家に猫が来る。

三匹の猫のうち、一匹は黒が多めのサビ猫でなんとなくこの子かわいいなぁって話していた。酔っ払って帰宅し、妻に「猫引き取ります」と報告。
妻のお母さんも猫を亡くしたばっかりで、我が家と同じ心象だったのもあり、一匹だけではなくうちとお母さんの家で全員引き取ろうとなる。

なので、明日三匹も子猫が来る。
そのことをまだうちの猫たちは知らずにいるわけで、どうなることやらである。
今も何故か何もしてない僕に威嚇のポーズをしてくるココちゃん。
俺が何をしたってんだ…
あと急に後ろからふくらはぎ噛み付いてくるのやめてくれないか。

子供たちもきゃっきゃしている。
ココちゃんは息子が命名した。次は娘の番だ。
なんか色々楽しみで名前のバリエーションを考えていた。
息子も娘も命に名前を与えたことになる。
まだ子供すぎてわからないだろうけど、もう少し大きくなったらわかるかもな。

明日、家族が増える。
実は僕が一番そわそわ、ワクワクしている。
ビール飲んで寝ます。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。