当たり前のことに感謝して
パタパタと雨の音が聞こえて目を覚ます。
隣では猫と息子が眠っている。可愛らしいなと眺めていたら、ついうっかり眠りに誘われてコタツで寝落ちしていた。お風呂からぽたんぽたんと水が滴る音が聞こえる。のっそり起き上がって静かに漏れる風呂の水を止める。僕はやたら耳がいい。
にゃあと足元に猫が擦り寄る。うちにいる末っ子猫。
抱きかかえてリビングに戻り本を読む。外は少し暗い。時計をみるとまだ4時半ごろだ。曇天。光がどこの隙間からも漏れることなく、この街を覆っている。いつも、その雲の上の晴