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誰のためのものでもない日記

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2021年7月の記事一覧

たくさんのお母さんたち

実家を離れ、もう長い月日が経っている。
京都には僕が「お母さん」と呼べる人たちが何人かいる。全て飲み屋の女将さんだ。大人になると叱られなくなる。お母さんと呼ばれる存在は飲み屋で子供に戻ってしまう僕らを正しく叱ってくれる存在だ。

そんなお母さんたちも代替わりやコロナで店じまいと1人また1人と飲み屋街を離れていった。今、唯一残っている店名は伏せるが70歳を超えたお母さんの店にこっそり顔をだした。高齢

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11人の若者

11人の若者

15時を少し超えたあたり。zoomを開くと静かな教室に11人の若者がいた。静かな教室。数年前に大学の非常勤講師は辞めており、年に1、2度の特別講義だけを引き受けていたがイレギュラーで学生の質問に答える講義のゲストとしてzoomで登壇した。

学生たちのためになるなら、断らない。そう決めている。いい大人振りたいからでもなく、純粋に画面の向こうにいる学生たちの年齢の頃、多くの活かした大人たちが無償で僕

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大きな世界と小さき者

大きな世界と小さき者

車の窓を開けると心地よい風が車内に流れ込んできた。
森や畑は青々と茂っており生命にあふれた風景が広がる。
同じ風に吹かれて原っぱに風の足跡が見て取れる。

視線を前に戻すとタブレットにはプロジェクトメンバー。
助席でビデオ会議をしながら目的地へと向かう。

道中、プロジェクトパートナーと最近のあれこれを話す。
何度この道を往復したかね。行きは仕事の話で、帰りは人生の話が定番コースだ。
公私共に付き

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誰のためのものでもない日記

誰のためのものでもない日記

こんな暑いのに何故か風呂を沸かして熱々の湯船に浸かった。
音楽を聴きながら、揺れる湯船を眺めて「俺のAir Podsどこいったんだろう」と定期的に行方不明になるあの子のことを考えた。

ボサボサのまま更新した免許証と
翌日、美容室で足元に散らばる自分だったもの。
なんか禊みてぇだなと思いながら時計を見ると18時をさしている。
どうしても食いたいうどんがある。調べると18時半で終了だ。

高々と腕を

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