読書日記(2023.8.30)

スタインベック『怒りの葡萄 下』 新潮文庫

面白かったので下巻を読みだしたらP.200くらいまで読んでしまった。
官営野営地に住むことになったトム一家。
カリフォルニア全土で行われる悪辣なピンハネ中抜き状況が克明に描かれている。

しかし、調子に乗って読んでいたら、バテた。読書は体力を使う。読書に疲れて酒を呑んで寝たら、ひどい二日酔いで動けなくなった。

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織田裕二がMCのヒューマニエンス 40億年のたくらみ 「“免疫” 曖昧な“わたし”をめぐるドラマ」をみた

人間には自然免疫と獲得免疫がある。

獲得免疫は、生き物が顎を持って色々なものを咀嚼して食べるようになった頃に、飛躍的に発達した。(顎を持たないイカやタコは自然免疫しかない)

胸腺という部分で獲得免疫に関わる免疫細胞が作られている。

胸腺は、子供の時に活発に発育する。

胸腺の働きによって生き物は免疫システムを作り上げている。

人間の体内に異物が入ると免疫によって攻撃する仕組みができている。

しかし異物を消化し、エネルギーに変えるために、免疫細胞が、排除すべき有害な異物か、消化してエネルギーにできる異物か、判断するようになる。

獲得免疫の細胞には、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、Tレグ細胞がある。

Tレグ細胞は、免疫が自分の体を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患の発症を防ぐために、自己に対する免疫応答を抑制(免疫寛容)する役割を持つ細胞だそうだ。

例えば、男性の精液が、女性の体内に入る。

女性の体内に入った精子は、免疫反応を起こば、攻撃対象になる。

さらに、受精卵は、半分は男性の遺伝子情報でできている。自己の遺伝子情報ではないので、これも、女性の子宮内では異物として免疫の攻撃対象になってしまう。

しかし、実際そうならないのは女性のTレグ細胞が、男性の精子を免疫システムで攻撃しないように学習しているからである。

ということは、毎回別の男性と性交渉して精子が体内に入れば、Tレグ細胞が毎回、免疫システムを更新しないとならなくなるので細胞に負担がかかることになる。

よって、同じ男性との性交渉は、女性の免疫システムに負担が少ない。

その女性には、男性の精子に対する免疫情報が既にあるからである。

だから、同じ男性相手だと、第二子を妊娠しやすくなるという。


ワイルドライフ「東南アジア タイの熱帯雨林 サルの赤ちゃんが平和を築く」 をみた。

サルのマウンティングによる序列の形成は有名だが、タイの森に住むベニガオザルは、群れの軋轢を減らすため色々なコミュニケーション方法を駆使している。

相手に唇を甘噛みさせたり、手首を甘噛みかませることで、マウンティングの代わりにしていた。

他の群れのサルと遭遇すると、ボス格のオスは、お互いが交戦意思がないことを示すため、お互いの群れのオスの睾丸を差し出し、にぎり合う。

中上健次の小説に出てくる若衆か、と思った。

赤ちゃんをみんなでまさぐることで、平和を維持するというコミュニケーションが、ベニガオザル特有である。

オス同士が喧嘩していると、サルの赤ちゃんが仲裁に入るのである。

いきり立つオスは、みんなで赤ちゃんをまさぐって和むのである。

それで大怪我するような喧嘩になるのを未然に防いでいる。

(おわり)

お志有難うございます。