シナリオの種類と書き方の違い
「シナリオ」にはたくさんの種類がある!
「シナリオを書きたい」「文章を書きたい」だけど、一体それが「何の」シナリオなのか、で書き方は全然変わってくる。
日本語が書ければイケる、と思われがちなシナリオだけど。
実は書きたいものによって手法も、考え方も全然違う。
とりあえず今回はざっと種類を挙げてみる。
シナリオの分類
ゲームシナリオ
└恋愛シミュレーションゲーム
└RPGゲーム
└アクション中心・パズルなどのゲーム
音声シナリオ
└ラジオドラマ
└シチュエーションドラマ(ダミーヘッドマイク使用)
映像シナリオ
└ドラマ
└映画
└アニメ
└VTuber
舞台脚本
└芝居
└イベント
読み物
└Web小説
└紙の小説
たぶんもっとたくさんあるけど。
今ぱっと思いついたものだけでもこれだけ種類がある。
今回は、とりあえず「ストーリー」を重視したものをざっくり分けてみた。
いやいや、こういうものがあるだろう。
ゲームだってもっと奥深いぞ、映像は…というところまで分かってる人は、たぶん自分に必要なシナリオがわかってると思うので。
最初からそのシナリオを専門にしている方を調べたらいいかなと。
私が仕事として携わっているのはこの中の「ゲーム」「音声シナリオ」がメイン。
でも紙の小説以外は正直言うと全部何かしらでシナリオにかかわったことがある。
だからこそ、全然チェックする視点が違う、求められてるものが違う、というのがはっきりしている。
それは編集さんとか、プロデューサーの意向ということではなくて、そもそも書き方が全く違う。
これを器用にかき分けられる人もいれば、どれかが得意な人もいると思う。
ただ、最初からどれでも書けるぞ、という人はそもそもこのnoteを見ていないと思うので、どれが自分に合うんだろう?という人のために簡単な診断を用意してみた。
あなたに合う書き方は?
何でもいいので、書きたいと思う世界観を50文字くらいで書いてみてほしい。
フォーマットは何でも可。
ただ、思いつくまま書いてOK。
さて…。
書いた人だけが続きを見てほしい。
それは文章か、ト書きか、箇条書きか。
どれだったでしょう?
例文としてはこんな感じ。
【文章】
過去の遺物と思われる大きな建物の骨組みが、はるか先に見える荒れた大地。ここが自分たちの生きる世界だ。
【ト書き】
荒廃した未来の世界。主人公の女が荒れた地に立っている。
【箇条書き】
・崩れたビルの残っている荒れた土地(夕方)
極端な例だけど、まぁこんな形になるかもしれない。
言ってることはみんな同じ。でも書き方が違うだけ。
【文章】は言わずともわかる通り、小説向け。
すべてを文章で書き表す。
絵で見せられないので、表現力が大切になる。
【ト書き】は舞台や、映像シナリオ向け。
人がどこに立つのか、という視点をもって書く必要がある。
詳細よりも、どういった場かが大切になる。
だって、どんなビルが建っていて、といくら指定しても、表現できない可能性はままあるから。
(そのビルがとても重要なランドマークなら書いておくべきだけど)
【箇条書き】はゲーム向け。
ゲーム背景の指定だと思ってもらえればいいかも。
もちろんゲームによっては【文章】で表す必要があるものもあるけれど、セリフ中心のものが多いので、ここに分類。
ト書きとの違いは、人の立ち位置が出てこないこと。
で、とりあえず書かずに読んでしまった人。
どれが書きやすそうでしょう?
そして、どれが一番自分の中で風景が浮かぶでしょう?
これなら書けるな、って思ったものの、書いていくうちに徐々に文章になっていったり、ト書きになる人もいるはず。
それはそれで、思った以上にセリフ以外に表現したいものがあったのかもしれないし、キャラの思いをもっと吐露したいのかもしれない。
さて、ここまで読んで、やっぱり自分の書きたいスタイルがわからない、という方。
まずは最初から最後まで書いてみよう。
そして改めて見直してみたときに、「これってト書きでは?」と思うような描写が続くかもしれないし、「箇条書きにしてはちょっと細かく書きすぎてるかな」ということもあるかもしれない。
最初から統一できればそれが一番いいけれど。
まずは筆が乗ったなら思うままに書いてみていいと思う。
それで、自分に合うスタイルをぜひ見つけてみてほしい。
正直に言えば、それがごっちゃになっていても、光るセリフの応酬があったり、とんでもない発想力で魅せる世界観があるのならば、編集や、他の人のの力で小説にも映像向けにも調整できたりする。
ただまあ、編集の手腕も必要だし、そもそも相当光るものがなければそんな労力は使ってもらえない。
だから、まずは自分の書けるもの、書きやすいものを見つけてみよう。
今回の要点
・シナリオの種類はいくつもある
・自分の書きやすい方法を知る
・最初から最後まで書く
次回は、ゲームシナリオについてもうちょっと掘り下げていく予定。
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