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永遠

こんばんは。20歳女子大生です。
 なぜ突然年齢と身分を公表したのかと言いますと、2日前の7/22が、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのギタリスト、アベフトシの10回忌だったからであります。
 何を言ってるんだ、と思われるかもしれませんが、この二つ、私にとっては割と関係のあることでして。というのも、現在の女子大生、誰もアベフトシのことはおろか、ミッシェルのことは知らない人の方が圧倒的に多いんですよね。もう二年半ほど大学生をやっておりますが、ミッシェルを知ってる女子大生は一人しか見たことがありません。男ならいるんですけどね。
 というわけで、アベフトシの命日を一緒に偲べる友人が、私にはいないのでありました。これをnoteに明記することで、音楽の話ができる友人が増えないかなという下心も若干あります。
 
 さて、話は戻って、アベフトシ氏の命日です。知らない人はWikipediaでも見てください
 しかしまあ、わたし実生活ではつい氏のことを「アベくん」と呼んでしまうのですが、彼まだまだわたしより年上ですからね。めちゃくちゃ失礼な気がする。しかしいつかは彼の年齢を追い越してしまう日が来るのでしょうね。そして悲しくなるのでしょう。
 以前、ヒトリエのボーカル・wowaka氏が亡くなった時も、noteを書きました。


 
 わたしはヒトリエというバンドのことを追いかけてはいませんでしたが、このバンドのことが、そしてメンバーのことが大好きな人たちの、訃報を聞いた時の心境を、少しはわかる、つもりでいます。
 
 
 わたしが音楽を好きになった時、彼はもうこの世にいませんでした。そもそもTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの解散年が2003年。わたし5歳。ごちゃいです。知っているはずもない。
 それでも、彼らの音楽だけは知っていたんですよね。母の影響です。家ではいつも音楽がかかっていました。その中で覚えている、わたしが一等好きだったミッシェルの曲は、「暴かれた世界」です。今も一番に等しいくらい、この曲のことを愛しています。
 わたしの音楽趣味が花開いたのは、16の時だったと記憶しています。幼少期から音楽のある環境で育ったので、まあ予想通りといいましょうか、そんな感じです。わたしの好きなバンドは、その大概が幼少期に聞いていたものでした。
 だからミッシェルのこともめちゃくちゃ好きになりました。たまたまiPodに入れていた「暴かれた世界」を聴きなおして、吹き飛ばされた記憶があります。なんだこのかっこいい始まり方。なにこのかっこいい声、演奏、ギターソロ! 懐かしい、という気持ちもありましたが、それでも確かにわたしは、その曲自体の魅力に魅入られたのだと思います。
 わたしは一度何かに熱が入るとそれを知り尽くすまで止まらないタチ(オタクなので)だったので、YouTubeやニコニコ動画に上がってるミッシェルの動画は漁りまくったし、アーカイブされてるインタビューは読みまくったし、チバの名言は全部暗唱できるようになるしで、まあぶっちゃけ気持ち悪りいオタクでした。
 曲もちゃんと聞いてましたよ?賛否両論あるみたいですが、わたしはロデタン以降の後期が好きです。
 さて、ミッシェルにハマっていた高校生のときの私は、ライブの重要性を思い知らされている時期でもありました。ナマの演奏ってこんなにかっこいいのかとか、自分と同じ曲を、バンドを好きな人がこんなにもいるんだとか、そういった楽しさは、多分ライブに行ったことのある人なら誰でも知っているのではと思います。
 しかしご存知の通り、ミッシェルはもう二度と、オリジナルメンバーでライブをすることはありません。タイムマシンでも開発されない限り、わたしは彼らの演奏を生で見ることは、一生、ないのでした。
 高3の時の7/22、図書館でひとりイヤホンで耳を塞ぎ、爆音でミッシェルを聞いていたのを覚えています。ちょっと泣いてたし、友人に引かれたのも覚えています。
 アベフトシのあの演奏は、もう二度とこの世に再現されない。そう思うと、イヤホンから流れてくるあのギターの音が、とんでもなく価値のあるというか、素晴らしいものに思えてくるんですよね。
 これ、バンドマンが亡くなることの一番の弊害だと思うんですけど、亡くなる前までは普通に楽しく聞いていたはずの楽器が、悲しい曲になってしまうんですよね。純粋にその曲だけを楽しめなくなってしまう。バンドマン、死ぬな。
 
 アベフトシといえばカッティングですが、わたしが一番好きなアベフトシ氏のカッティングは、「スイミングラジオ」のやつです。


 なにこれ???????
 なにが起きてるかよくわかんないですもんね。なに? あまりにもわからなすぎて、けれどとりあえずすごいことだけがわかって、なんか笑っちゃう。ミッシェルに限らず、そういうバンドは大好きです。追悼本のチバのインタビューにも「何やってるか未だにわかんない」みたいなこと書いてたもんな。
 こういうギタープレイは彼の魅力のど真ん中ですが、やっぱり人としてもすごくかっこいいと思うんですよね。
 痩身長駆、親指で弦がミュートできるほどの指の長さで、足もめちゃくちゃ長い。おまけにファンへの対応も優しい。プレイボーイですよね。これでなんでわたしの周りに彼を好きな女子がいないのか、ほんとうにわからないんですけど。マジでめちゃくちゃかっこいい。いつ見てもかっこいい。
 わたしね〜あれ好きなんですよ。ベイビースターダストのMVのアベフトシ氏。どこを切り取ってもぜ〜んぶかっこいい。
 
 なんの話でしたっけ?
 10回忌の話ですね。
 
 10回忌というメモリアルな日ということで、東京のほうでアベフトシメモリアル展が開催されるみたいですね。
 毎年、関東ではこの時期になると、アベフトシ氏を追悼するイベントが必ずどこかでやっているみたいで、わたしはそれをいいなあ〜〜〜と思いながら指をくわえて見ています。こういう音楽関連の催事が関東ばっかりであるの、ほんとうにやめてほしい。
 そして、10回忌の節目ということで、アベフトシ氏の追悼として発売され、廃刊となっていたムック本が、復刊の運びとなりました。
 


 
 わたし、この本には少しばかり因縁がありまして。というのも、高校生の時に買い逃してるんですよね、この本。
 音楽に大して興味のない友人を連れて、半ば無理やり立ち寄った、音楽専門の中古ショップ。ローリングストーンズのステッカーとか、ロッキンオンのバックナンバーとかめちゃくちゃ置いてあって、音楽ハマりたての私は「す、すご……」などとバカみたいに惚けるしかありませんでした。
 で、ロッキンオンのある棚を物色していると、見覚えのあるある文字を発見しました。「アベフトシ」。ん?と思ったわたしは、それを本棚から引っ張り出しました。それが件の追悼本だったわけです。
 しかしここで思い出しましょう。この時わたしは高校生でありました。高校生といえばなんでしょう?そう、金欠ですね。
 高校生のわたしはお金がありませんでした。古本一冊を買うのすら躊躇するほどに。そしてわたしはその時、追悼本を手にとって、ためらってしまったのでした。また今度、お金のある時に買おうと、その本を棚にしまいました。
 あくる日、もう一度その中古ショップに行くと、そもそもその中古ショップ自体がなくなっていました。
 だから、復刊するって聞いたときは、ほんとうに嬉しかったんですよね。色々あって、届いたのは今日の朝でしたが。眠くってインタビューの中身をちゃんと読めていません。明日にでも読もう。
 アベフトシ氏の赤ちゃんの時の写真があったのは面白かったです。ニッチだなあと思いました。あとヤンキー時代がほんとうにヤンキーでびっくりでした。
 どこに書いてたかは覚えていないんですが、追悼本のどこかに、「この素晴らしきギタリストが存在したことを、語り継いでいけたら」というようなことがありました。わたしも強くそう思います。ミッシェルを、そしてアベフトシ氏を、リアルタイムで追いかけられず、それでも彼のことを愛している一人として。いつまでも彼を、彼の音楽を、愛し続けたいと思います。
 以上、終わりです。


 
 

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