J1第32節 vs FC東京

7試合ぶりの勝ち点奪取!

スターティングメンバー

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リザーブ:GK秋元、DFフレイレ、DF大野、DF舘、MF梅崎、FW指宿、FW野田

前節のセレッソ戦からの先発変更は大野、指宿→山根、山﨑の2人。
来シーズンの加入が内定している強化指定選手の日本大学の4年生、DF舘幸希がチーム合流後初のメンバー入りを果たした。

(前半まとめ)
・遂に蘇った"湘南スタイル"。
優勝争いの雰囲気からくる東京の硬さにも助けられた。

試合前の時点で首位に立つFC東京と、入れ替え戦圏内の16位に沈む湘南ベルマーレ。
立ち位置的には真逆ともいえる立場の両チームではあったが、優勝争いを初めて経験する東京と、残留争いを何度も経験しているベルマーレでは、"特別な雰囲気での経験値"というところで違いがあったように見えた。

前半から東京が湘南の左サイドを重点的に攻めてゴールに迫る場面が多かったが、最後のフィニッシュに行き着くところの呼吸が微妙に合わなかったり、精度を欠いたりしているあたりに、優勝争いの見えないプレッシャーが見え隠れしていた。
(それでも、永井謙佑とディエゴオリヴェイラの2トップは厄介ではあった)

対するベルマーレはというと、FC東京対策をバッチリと行って試合に入っていた。
相手の強力2トップに対しては機動力と推進力に優れた3バックで対抗し、ディエゴオリヴェイラが引いてきたら齊藤未月か金子大毅が素早くヘルプに入る動きを徹底して東京の攻撃の形を作らせないようにしていた。

また、3トップの頂点を指宿洋史から山﨑凌吾に変えたことで、山﨑、松田、山田の前線3枚がセレッソ戦の時よりもプレスの圧力を激しめに設定することが出来た。
(これはフィジカルが強く、体力があってスピードもある山﨑が居てこその判断だったように思う。)

8月3日の鹿島アントラーズ戦以来の先制点に関しても、山田直輝のボール奪取に始まり、山﨑凌吾のヒールパスから山田直輝に繋がった時、山田の前には山﨑と松田、左サイドの鈴木冬一、ボランチの金子大毅が思い切って前線へ飛び出し、ゴールへの道筋を広げることになった。

結果的には、山田直輝の見事なキラーパスから松田が冷静なボールコントロールを見せてシュート。
ゴールカバーに入った森重真人が処理を誤ってベルマーレのゴールになったわけだが、これぞ"This is 湘南スタイル"という一連の流れからのゴールは、チームとして一度は死んだ生命体が再び蘇ったことを証明した、大きなゴールになったのは間違いない。

(後半まとめ)
・スルリとこぼれ落ちた勝ち点"2"。
高めていきたい"あと数ミリ"の精度。

後半に入ると、勝たなきゃいけないというプレッシャーがプラスされた東京が攻勢を強める時間が多くなった。
(同時刻開催の松本山雅vs横浜Fマリノスで、2位のマリノスがリードしていただけに余計に)

前半からかなり飛ばしていたベルマーレの重心がかなり後ろになったことも手伝って東京がボールを支配し、チャンスを作る場面も増え始めたが、身体を張ってひたすら耐えに耐え続けるベルマーレの前に、なかなか最後の一押しをさせてもらえない。

前がかりになる東京を尻目に追加点を取りたいベルマーレではあったが、2枚目の交代カードで指宿洋史を用意していた最中、山根視来が脚を攣るというアクシデントが発生し、急遽大野和成を出場させることとなる。

1枚目の交代カードで梅崎司を投入していたので山田直輝を最後まで残したかったプランだったのだろうが、最終的には山田を下げて指宿を入れて、山﨑凌吾を右シャドーの位置に持っていくことになる。

結果的にはこの采配は裏目に出てしまった。
後方のスペースを埋めたり、対面の相手選手のパスコースの出しどころを切るのが上手い指宿ではあるが、チームの位置の重心がかなり後ろになっていたこともあり、かなり広がっていたスペースを1人で切らざるを得ないハメになっていた。

この時点で梅崎と山﨑は中盤に吸収されて5-4-1の陣形となり、かつ中盤の4人はほとんどペナルティーアーク付近に足止めされていた状況。
失点シーンの際、岡崎慎はノープレッシャーの状況でロングボールを放り込み、ディエゴオリヴェイラと岡本拓也の競り合いでルーズになったボールは、こちらもノープレッシャーで攻め上がってきた森重真人の前にこぼれ落ち、密集になっていたにも関わらず、ベルマーレの選手たちは誰も森重にプレッシャーを与えることが出来なかった。

森重のシュート自体はスーパーなものだった。
高さもコースも完璧、アウト気味にかかったシュートはキーパーの手から逃げる回転となっており、雨で濡れたピッチだったのもあってかなり跳ねやすいキック。
富居大樹からしたらノーチャンスなシュートだっただろう。

しかし、シュートを打たれる前の展開は偶然ではなく、必然的に起こったものであり、残り2試合で2勝を挙げたいのなら、重点的に見直さないといけない場面であるのは間違いない。

あと数ミリ身体を寄せていたら…
あと数ミリ動いていれば…

その積み重ねが得点を増やしたり、失点を減らしたり出来るのだ。
引き分けちゃったけど、今節の試合のように。

(まとめ)
・ここに来て光明が差し込んできたベルマーレ。
"メンタリストBIN"の手腕や如何に。

8月11日のジュビロ磐田戦以来の勝利とはならなかったが、優勝争いをしていたFC東京をあと一歩まで追い詰めたのは大きな収穫だろう。

なにしろ、チョウさんのパワハラ報道からの一連の騒動で一度は墜ちに堕ちたチーム。
そんなチームを浮島敏もとい"メンタリストBIN"は、監督就任1ヶ月半足らずでチームを這い上がらせ、蘇らせることに成功した。

ベルマーレに再び戻ってきた山田直輝が好調をキープし、秋元陽太の陰で質の高い準備を怠らなかった富居大樹が正キーパーとして躍動、指宿洋史が定位置争いに名乗りを上げるようになり、松田天馬、鈴木冬一、古林将太が調子を上げてきた、といった具合に選手たちにも良い意味で変化が現れてきたのも吉兆の証だろう。

監督が変わって出場機会に恵まれない選手も出てきてはいるが、就任からの数試合で中川寛斗や舘幸希をメンバー入りさせているあたりに、チーム全体に目を配らせているよ、というメンタリストBINの心配りが透けて見える。

笑っても泣いても残り2試合、崖っぷちな状況に変わりはないが、J1残留に向けて明るい光が差し込んできたのはクラブにとって何よりのエネルギーになる。
選手もスタッフもサポーターも、"勝利の為の残り数ミリ"の精度を高められるように、試合までの日々をがんばって過ごしていきたいところ。笑

次戦はいよいよホーム最終戦。
生きるステージに戻れたからには、良い流れを加速させるのみ!!!
絶対勝つぞベルマーレ!!!

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