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2022J1第14節 vs神戸

前半(湘南 1-0 神戸)
得点:町野修斗(湘南) 40分


先週の土曜日に行われたリーグ戦の前節は横浜F・マリノスを相手に1-4の敗戦。

その一方で、水曜日に行われたルヴァンカップのグループステージ最終節のジュビロ磐田戦は、カップ戦で6試合4得点を記録した池田昌生の決勝ゴールで勝利。
この勝利でグループ首位が決定、プライムステージ(決勝トーナメント)進出をかけたプレーオフステージの進出も決めました。(相手はセレッソ大阪)

そして今節、試合前で勝ち点の並ぶヴィッセル神戸との"裏天王山"で、ホームゲーム3連戦を締めくくることになりました。

ベルマーレがカップ戦で好成績を残した一方で、神戸はミッドウィークの試合で川崎フロンターレを相手に0-1の惜敗を喫しました。

神戸は今季途中に監督に就任したロティーナ監督の下、攻守に整理された展開を仕込み中なのと、完成された選手を多く抱える事情も相まってか、なかなか上昇気流に乗れない模様。

この日もベルマーレが試合開始からアグレッシブに来るという目論見を立てていたのでしょうが、意外にもベルマーレはあえて受けに立って落ち着いた試合の入りを見せます。

神戸が誇る世界的名手のアンドレス・イニエスタにボールが渡ると厄介な展開になるのは言うまでもない話ですが、トップ下に入ったイニエスタが高い位置でボールを持てることは少なく、また、周囲のサポートもそこまで手厚いものとは言えなかったので、ワントップの武藤嘉紀が孤立する状態が続いていました。

一方で、これまでになくミドルシュートからの攻勢を強めたベルマーレは前半40分、杉岡大暉のミドルシュートをゴール前の瀬川祐輔が咄嗟の判断でコースを変え、一旦は神戸GKの前川に弾かれるも、こぼれ球を町野修斗がプッシュして大事な先制点をゲット。

数打ちゃ当たる、じゃありませんが、ミドルシュートの打つ本数と意識を上げてきたことで、悪い意味で個人の技量に頼りがちな神戸のラインを押し下げたことが先制点を呼び込んだと言っても過言ではないでしょう。

その意味では、良い位置とタイミングでミドルシュートを放った杉岡の豪快さは評価できますし、貪欲にゴールを狙っていた瀬川と町野のフォワードとしての姿勢を讃えてあげたいですね。

また、前半終了間際にあわや同点ゴールとなってもおかしくなかった場面で身を挺してカバー&クリアを敢行した石原広教のプレーは、文字通りのビッグプレーでした。
あの広教のクリアがなかったら、おそらく同点にされて前半を折り返していたはずです。

町野の先制点と同等レベルの大きなプレーでした。

後半(湘南 1-1 神戸)
得点:町野修斗(湘南)51分
  菊池流帆(神戸)59分

後半に入ると、ベルマーレは前半早々にピッチ外の陸上トラックに頭を打ちつけた山田直輝に替えてタリクを投入。

1点リードされている神戸は右サイドの山川哲史と郷家友太に替えて、初瀬亮と小田裕太郎を投入。
小田はそのまま右サイドハーフに入り、初瀬は左サイドバックへ。
前半は左に居た酒井高徳が、右サイドバックへと移動しました。

後半6分、初瀬の不用意なバックパスを見逃さなかった町野が飛び出してきたキーパーの前川をかわし、落ち着いて無人のゴールへと流し込んでこの日2得点目となる追加点を挙げ、今季のリーグ戦では初めての複数得点を記録。

なお、ベルマーレの選手がリーグ戦で1試合2得点を挙げたのは、2019年5月17日の対浦和戦の菊地俊介以来、3年ぶりの快挙?となりました!

追加点から8分後の後半14分にイニエスタのコーナーキックから菊池流帆に頭で合わせられ神戸に1点差とされますが、その後の神戸の猛攻はベルマーレが全体で上手くシャットアウトを続け、途中出場のボージャン クルキッチ、武藤嘉紀にそれぞれ訪れた決定機はベルマーレの守護神の谷晃生が神の宿った"右足"でビッグセーブ。

後半アディショナルタイムのラストプレーで神戸が直接フリーキックを獲得し、イニエスタの蹴ったシュートがゴールネットを揺らして同点!!!

かと思われましたが、ゴールに入る前に武藤嘉紀の腕にボールが当たっていたのがVARの介入で明らかとなり、最終的な判定はノーゴール。

この直後に試合終了のホイッスルが吹かれて、ベルマーレはリーグ戦14試合目にして今季のホームゲーム初勝利となり、敗れた神戸は2試合連続で後半アディショナルタイムに悲劇が訪れた、という対称的な結末を迎えることになりました。

試合終了(湘南 2-1 神戸)

最後の最後までハラハラドキドキさせられる試合となりましたが、最終的にはベルマーレらしい粘りと善行の積み重ねが勝ち点3をもたらされることになった、そういう試合で終えれたことに意味があるように思いました。

今節は上手いこと神戸の狙いを外して勝利という最高の結果に結びつけましたが、あえて言うならばイニエスタの直接フリーキックを与える前に手っ取り早く試合を終わらせる、あるいは、自分たちで少しでも長くボールを握る時間を作って、相手のペースを狂わせるようにする。

この辺りが数試合でも多く出来るようになれば、また勝ち点を積み重ねる実力がどんどんついてくるはずです。

次節は絶対王者の川崎フロンターレとのアウェイゲーム。
ミッドウィークの試合になるので、勤続疲労との闘いにもなってくると思いますがら明日に繋がる勝利を手に入れたベルマーレがそう簡単に屈しないことを期待して、また応援していこうと思います。

「近道」は目標に辿り着かせてはくれない。

花壇を避けずに近道しようとする人は、
早くは着きますが、花を踏んでしまいます。

花壇を避け、遠回りをした人は、その分時間はかかりますが、花をダメにしません。


by マルセロ・ビエルサ


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