2022J1第13節 vs横浜FM
ついに最下位に転落…
前半 (湘南 0-2 横浜FM)
得点:14分 水沼宏太(横浜FM)
20分 小池龍太(横浜FM)
試合前の時点では17位vs3位、前節は試合途中に数的不利になりながらも勝ち点1をもぎ取ったホームチームのベルマーレ、先制はされながらも後半に逆転して見事に勝ち切ったアウェイチームの横浜F・マリノス、という一戦になった神奈川ダービー。
ビジター席完売という勢いも相まって連勝を狙うアウェイのマリノスに対し、ホームのベルマーレはキックオフ直後から猛烈なモチベートを背負って強襲を仕掛けます。
開始1分足らずでタリクが、5分には大橋祐紀が決定機を迎えてシュートを放つも、マリノスの守護神の高丘陽平がことごとく立ちはだかり、ベルマーレのチャンスを活かさない圧巻のパフォーマンスを披露。
決定機は防がれてもより勢いを持って先制点を奪いたいベルマーレでしたが、最終ラインからのビルドアップでの拙くて脆い繋ぎからあっさりマリノスにチャンスを作られると、最後は水沼宏太に決められてリーグ戦のホームゲームで2試合連続の先制点を献上。
その6分後には、またしても難なくマリノスに自陣のペナルティーエリア内に厚みのあるアタックを許し、ゴール前に走り込んでいた右サイドバックの小池龍太に追加点を決められ、前半20分で2点のビハインドとなる展開に。
開始早々からハイテンションなアプローチを仕掛けてはいけたものの、自分達に巡ってきた決定機を決めることが出来ずにいたら、相手にあれよあれよという間に決定機を活かされ、試合を通して折り返しのタイミングにも達していないのに自らトーンダウンしてしまう、かなりの苦しい状態に追いやられてしまったベルマーレ。
良いところまではいけるのに最後のシンプルなところが決まらなくて結果を出すに至らない、現在のベルマーレの最大の課題にして欠点・弱点の要素がこの日も露呈してしまい、マリノスの選手の質の良さ・チームとしての一貫した戦い方=アタッキング・フットボールの成熟度の高さでまずは前半を優位に折り返すこととなりました。
後半 (湘南 1-2 横浜FM)
得点:59分 アンデルソンロペス(横浜FM)
83分 ウェリントン(湘南)
90+1分 レオセアラ(横浜FM)
後半に入り、2点ビハインドのベルマーレは米本拓司、大橋祐紀に変えて、田中聡、町野修斗を投入。
アンカー、2トップの一角の選手をそれぞれ交代させ、まずは2枚替えで流れを変えようと試みます。
しかし、後半14分に敵陣でベルマーレがボールを奪われてしまうと、マリノスの的確なロングカウンターを仕掛けられて左に右にと巧みに揺さぶられて動かされてしまい、最後はアンデルソンロペスに決められてスコアは0-3に。
この日のマリノスの前線のアンデルソンロペス、水沼、仲川輝人、マルコスジュニオールがシンプルかつ丁寧に意図を共有して最大の結果を手にしたカウンターのお手本のようなゴールを決められ、ベルマーレにとってはますます逆転勝利が困難な状況に陥ります。
3失点目の直後に茨田陽生、タリクに替えて永木亮太、山田直輝を投入するも、試合展開と相手の実力を考えればほぼ後の祭り状態になってしまって、あまり事態が好転するようなことには繋がらず。
更に悪いことに、仲川との交錯で脳震盪を起こした舘幸希が負傷。
仲川の膝が舘の顔面にモロに入ってしまい、舘はいわゆる「のびた」状態になってしまい、交代を余儀なくされました。
舘に替えて池田昌生を投入したベルマーレは4バックに布陣を変更し(この交代は脳震盪ルールを適用したもの)、後半アディショナルタイムの直前には疲労の色が濃かった石原広教を下げて大野和成もピッチに送り出します。
すると後半38分、田中聡の左サイドのクロスからウェリントンが自身の今季初ゴールとなるヘディングシュートを決めて、ホームのサポーターにそれなりの意地は見せることに成功します。
後半アディショナルタイムに入り、追加タイムが8分と出てもう1点、あわよくば同点に…という流れを作りたかったベルマーレでしたが、パスの繋ぎの場面でミスが重なってマリノスにボールを譲ってしまうと、マリノスにショートカウンターを仕掛けられてしまい、焦ってペナルティーエリア外に飛び出していた谷晃生の頭上を無常にもボールが越えていき、最後は途中出場のレオセアラが落ち着いてフィニッシュ。
神奈川ダービーでの圧勝を決定づける4得点目が決まり、この時点でもう試合が終わったと言っても過言ではないでしょう。
最下位のホームチームと、3位のアウェイチーム、まさに順位表は嘘はつかない、との言葉通り、両チームの『決定力の差』が如実に出た試合となりましたね。
試合終了 (湘南 1-4 横浜FM)
ベルマーレとしてはホームゲーム連敗、しかも2試合連続で1-4の敗戦という、なかなかにサポーターのメンタリティを自ら崩しにかかる結果に終始。
試合のほぼ半分を数的不利ながら乗り切って勝ち点1をもぎ取った前節の福岡戦で少しは積み上げた自信を、情け容赦なく砕かれてしまったダメージの大きい試合となってしまいました。
・曺貴裁監督時代のノンストップフットボール
(切り替えの質と強度の高さを前面に出して、勢いを止めないやり方)
・浮嶋敏監督時代のプログレッシブフットボール
(最適な配置・戦い方を落とし込みながら、攻守で前進していくやり方)
この2つの時代の跡形・ベースはどこに行ってしまったのか??
過去のやり方を全部が全部を引き継いでいけとは言いませんが、
ぼくらはこういうフットボールをやりますよ!
チーム全体で、より精度を高めて熟成できるように努力してますよ!
という強い意志というか、このチームは何を狙って試合をしているんだろう?という意図が開幕から2ヶ月半くらい経っても大きく見えてこないところが、今の歯痒い結果と現実に表れている気がします。
他会場の試合でヴィッセル神戸がリーグ戦今季初勝利を手にしたことで、勝ち点がベルマーレと並んだ上に得失点差で上回られた為、ベルマーレは最下位へと転落。
しかも、神戸はベルマーレよりも1試合消化が少なく、中位以下の磐田、名古屋が勝ち、現時点で残留圏内の清水も引き分けて勝ち点を上積みした為、最下位のベルマーレと15位の清水との勝ち点差は6に開いてしまいました。
現在のベルマーレに連勝できるだけの実力は正直なところない…と言わざるを得ません。
なんとか18日の水曜日のルヴァンカップのグループステージ最終節の磐田戦で勝利してプレーオフステージ進出を決めればまた状況は好転するとは思いますが、変に気負って試合に臨んだりすることがないように願いたいですね。
そこで今回はこんな格言を置いておきます。
いろんな種類のサッカーがあるが、最も愚かなのは、できないことをしようとする、そんなサッカーである。
フランツ・ベッケンバウアー
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