【堺シュライクス】THANKS JJ！
なんだこの選手は
2月、堺シュライクスの練習が本格化すると、インスタグラムに謎の外国人選手がアップされるようになった。「JJ」と表記された選手がだだっ広い鴨谷公園野球場で快音を響かせている。別の日にも広い南港中央野球場で特大の打球を放っていた。
なんだこれ。レベルで言えば間違いなく頭一つ以上抜けている。実際にみにいきたいな・・・と思っていたが、なぜか見に行こうとした日に限って雨。そしてそのJJは2月末に帰国した。
そして、4月末、拓人がやっていたインスタライブでJJが来日することを予告していた。楽しみだなー。ゴールデンウィーク中にでも見に行けるのかしら。なんて思っていた。
ド派手すぎるデビュー
5月3日。あじさいスタジアムでの一戦を見に行った。中国自動車道が渋滞で動かない予測が出てしまっていたので、西宮から六甲山を突っ切るルートを取って北神戸に向かった。まさかの峠越え。道中「夙川」と書かれた看板を見たが、どう見ても学生時代毎朝電車から見た桜の名所の名高い夙川ではない。野生の夙川だ。
ちょっと早めに着いたところ、夏凪球団代表が一言言った。「今日からJJ来るで」
マジか。あのJJをついに間近で見れるのか。
球場に入った。広いグラウンド、選手たちが場所を広く使ってキャッチボールをしている。
あれ？関口くん、ちょっと見ない間にかなりワイルドになったなー。しかもボール投げるじゃん。肩のリハビリとともにムキムキの肉体を・・・
ん？あれ？関口くんが2人・・・？
JJだーーーーーー！！！！！
そうか、ユニフォームができてないから関口くんのユニを着ているのか。
そのまま1番DHで出場したJJ。一打席目はしっかり四球を選び、二打席目には・・・
兵庫・藤山大地からレフトの照明灯に直撃する特大のホームランを放った。
チェコ時代に仲が良かったという安田旺昌との抱擁。
その後も毎試合しっかり打ち続けた。
そして練習に行くとまた違った表情も見せた。
練習中に柿の種を食べるJJ。「日本で一番気に入っているスナックなんだ。ところでこれは何で出来ているお菓子なんだ？」と英語で聞かれた。米です。
ノックでは「モウイッチョ！」と叫びながら打球を追い続けていた。チームメイトや監督、コーチとものすごいスピードで溶け込んでいった。「スキヤノギュードン！」と歌いながら帰り道を行くこともあった。
果ては私を見つけると「サジー！オハヨー！」と声をかけてくれた。撮った写真を見て「アメージングピクチャー！」と何度も言ってくれた。嬉しかった。
一緒に練習をしたのもいい思い出。ノックを受けたり、トスバッティングをしたり・・・
1番の思い出はこれだ。
（事情により顔は隠しています）
同じぐらいの体重の選手をおぶってスクワットをするというフィジカルトレーニング。JJと同じぐらいの体重の神原裕司がこの日は不在。大西監督の指名により私が重り役を仰せつかった。
・・・人におんぶされるのは何年振りだろうか。私はずっと背が高く、体重も重かったので、おんぶされた記憶というのがほとんどない。気づいたら親からも「重いんだから自分で歩け」と言われていたタイプである。
なんだかすごく嬉しかったな。JJの背中の上で幸せな数分間を過ごした。
隠している顔の後ろは満面の笑みを浮かべている私である。
一緒にいて楽しい
その後もJJは明るくそして試合でも奮闘していた。
浦和遠征ではロッテ相手にヒットも放った。ケニス・バルガスからバットももらっていたが、あのバット使ってたんだろうか。
写真を撮るときに「オハヨーゴザイマス！」と言って佐藤蓮と野井優星を笑わせたJJ
ホームランを打てばこの表情。
テストを受けた大前と何やら話しているが全員ぽかんとした表情をしている。
ノックをこぼしたあと、ノックを打っていた夏凪代表に「JJ！Call You FUSE！」と言われて発奮するJJ。
しかし別れの時も刻一刻と迫っていた。
当初からチラッと聞いていたが、3ヶ月でビザが切れる。
改めてそんな話を7月に聞いた。
サヨナラはまだ言っていない
一時帰国、いや退団か？という話が錯綜するなか、JJは帰国した。そして26日に退団した旨が発表された。
実は22日に練習に行こうと思ったのだが、未明に降った雨のため、練習が中止になった。最後にサヨナラもまた会おうも言えなかったのが心残りだ。帰国する日程がわかっていたら、柿の種を山のように渡したかった。最後もう一度おんぶしてほしかった。
ファンからも選手からも愛されていた。惜しむ人は多かったと思う。
来シーズン、ひょっとしたらまた堺にやってきたらいいのにな、でもレベルアップして戻ってくるならNPBのどこかのチームにいてもいいな、なんて思っている。また会いたいよJJ！
Thanks JJ！ See you soon!
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