過去の私の俳句を斬る⑧
昔の自分と、俳句を通じて対峙する。
つばくらめ居を構へては微笑みぬ 新治(平成27年)
季語は、つばくらめ。燕のことですね。
巣作りを済ませて、軒下に憩っている燕の番いを見て、微笑んでいるようだと受け取ったのでしょうが・・・
さすがに幼稚な捉え方ただなと思います。燕は微笑んだりしません。
安易な擬人化は、失敗のもとなので、慎みたいところです。
また、居を構へ、というのは大げさな表現です。普通の言葉を用いたいところです。
原句を活かして整えるのは、なかなか難しいですが、燕が微笑むというからおかしいのであって、人間が微笑むならOKということで、
微笑みをもて見守りぬ燕の巣 新治
こんな感じでしょうか。稚拙な印象はぬぐえませんが・・・
燕の巣そのものをよく観察して、映像として描写することに徹すれば、
あらはなる藁屑をもて燕の巣 新治(令和3年)
等、いろいろできそうですね。
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