#いいぞ会津若松 給付金は10日後振込、情報公開◎、マイナンバー交付も早い。自治体比較はどんどんすべき
以前、会津若松市の定額給付金申請書がわかりやすいということを記事にしました。
郵送用の申請書が我が家に到着したのが5月19日火曜日だったと思います。
全国の主要自治体と比較しても早いほうのようです。
その週末に出そうかと思ったのですが、同じことを考えている人がポストに殺到して郵便紛失事故が起きるかもしれない、または何か記載上の注意などが遅れて発表されるかもしれない、などの初期ロット回避の原則に従い、1週間様子見しました。
その結果、ポストに投函したのは31日です。
結果、10日程度で振り込まれた
申請書が到着した以前に、先に受付が開始していたマイナンバーカードによる電子申請で申し込んだ人が既に振り込まれていることを知りました。
オンライン受付開始が5/1で、マイナンバー申請した人は2週間くらいはかかったことになります。
郵送申請のほうが数が多いだろうから、同じかそれ以上かかってもやむなしと考えていました。しかしながら結果としてはずっと早い10日程度。
市役所の方、お疲れ様です、というところです。
市役所サイトによる情報公開
特に焦燥感を覚えさせられたわけでないため、状況を確認しようと思ったことはなかったですが、後でサイトを見てみるとなんとも明瞭な情報公開をしているではないですか。
週ごとの受付件数と、日ごとの給付件数を公開しています。
「6月25日現在、50,314世帯(全世帯の96.7パーセント)からの申請をいただいています」と申請割合も書かれているし、来週月曜振込分を合わせると99%ほどは処理完了しているようです。
申請が来ていない残る数パーセントの中にはそもそも申請しない人がいるだろうし、今回の給付金申請にまつわる業務はほぼ完了と言って過言ではないでしょう。
だいたいこういうのは残り数%が永遠に終わらないパターンでしょうけど、ここまで進捗しているのは素晴らしいことです。
他の自治体はどうか
申請書の郵送開始状況を政府が公開したことで、一部自治体からは「競争を促すようで催促を助長する」などといった声が上がったというニュースを耳にした記憶があります。
しかしたとえ政府が公開しなくても、マスコミによる調査から逃れることはできません。
下のFNNの東海テレビ記事は、東海地区限定の調査ではありますが、かなり中身に突っ込んでいて良い調査だと感じましたので紹介します。
名古屋が遅いという噂は聞きましたが、こんな理由が書かれています。
名古屋市区政課の担当者:
給付ですとか申請書の作成ですとか、そういったところのシステムを構築していました。5月の初めからシステムを構築しまして、約3週間程度、時間を要したというところでございます
約113万5000世帯と対象が多いこともあり、業者に委託していたシステム開発に時間がかかったのが大きな原因だという
一方で同じ愛知の大府市は情報システム課の係長がバーコードと住基ネットを連動するシステムを作って進捗良好。この大府市というのは人口9.218万なので、会津若松市より少し小さな規模感です。
また、津市は自粛で仕事がない職員による人海戦術で6/17の記事で9割完了だとか。津市は県庁所在地で、人口をみても福島市と同規模。福島市はてこずっていたようで6/11時点の地元記事で約8割でしたが、今は96%完了。郡山市は福島市より人口が多いですが98%完了。
どうやら30万人くらいの都市であればなんとか乗り切れているようです。
給付スピードを自治体で競わせて何が悪いか
日経の最近の記事では、名古屋だけでなく大阪や横浜などやはり大都市が苦戦。
確かに名古屋ほどの人口になると人海戦術でどうにかするのは悪手でしょうけど、そもそも専用のシステムをわざわざ作ろうとすること自体が、資金に恵まれた自治体しかできない発想。
税収もさることながら、大きな都市のお役所は寝て待っても各地の優秀な人材を採用できるわけです。何か工夫できるアイディアやスキルを持つ人がいなかったのか。そういう人の意見を吸い上げる組織としての仕組みがないのか。名古屋市の市長も「人口が多いのは言い訳にならず、申し訳ない」と言っているようですが、「言い訳しない」ではなく、遅い理由を論理的に説明してほしいところです。そうでないと、今後の参考にもならならず市民が犠牲を被っただけになりますね。
優秀な職員がいた大府市は自前でなんとかし、津市はまったく課外の職員が協力して人海戦術で乗り切った。つまり自治体それぞれの特徴が如実に出て、比較されたわけです。こんな機会はめったにないでしょう。
自分が住んでいる自治体のサービスが他と比べて悪かったら文句の一つも言いたくなるのは当然だし、そもそも民間企業がサービスが悪くて信頼を失ったら利益を失うことに直結します。そして社員は解雇か減給。申請書郵送開始の状況公開に対してクレームした人に至っては「甘えるな」としか感想を持ちません。
住む場所を選ぶ時代
私たちは自分の意思で住む場所を選んでいるようで、実はそれができている人は少ないと思います。
田舎で高校を卒業して高度な勉強をしたいと思ったら、東京の大学など都会に出るしかない。
なんとか地方に良い大学を構えてそこで勉強しその土地が気に入っても、仕事がない。会津若松市の会津大学の学生もそうです。
東京に住みたくて本社が東京にある会社に入っても、研究所や開発拠点は郊外だったり、工場は地方だったりしてそこに配属されることもある。
多くの人は生まれ育った場所が好きでしょうけど、本当は実家には住みたくないが収入が少なかったり親の介護だったりで住むしか選択肢のない人も多い。
一部芸能人などはロンドンに住んだりパリに住んだりしますが、あれは仕事も金も自由になる人だけです。そのような経済的な問題をさしおいても、住む場所を選択できる人というのは恵まれています。
一方、たまに見られるのは、沖縄に住みたいとか北海道に住みたいとか湘南に住みたいとか、地域的な特色に惹かれて、一から仕事を見つけてでも移住する人たち。
これからは、そういった一大決意をしなくても、テレワークやクラウドソーシングによって住む場所を選択できるという時代です。
地方自治体は、今回のような市民に身近な各種サービス提供のクオリティといった面がこれからどんどん表立って比較・評価されていくでしょう。他にはない工夫をしていてサービス品質向上に務めているなら、公開してほしい。
民間企業なら、どういう企業理念で社員がどういう努力をして他にないどういう価値を世の中に提供しているか、それが明確なほど強い企業になります。申請書の中身から給付スピードまでバラバラな各自治体が、そういった差異を町の強みの一つとして転入者獲得のアドバンテージにしていけない理由はないと思います。職員のやりがいも出るのではないでしょうか。
給付金の進捗について、新潟県はわざわざ全国平均と比較していてちょっと笑えましたが、良い心意気だと思います。下記リンクの「2.本県の給付状況」に添付のPDFにグラフがあります。
ほかにも今回のコロナ騒動では、自粛要請やその解除の判断基準、臨時の医療体制、学校休講要請、独自支援など多くの施策が自治体間で比較され表立って報道されました。また、毎日感染者の状況が都道府県ごとに公開されました。これほど「自分が住む場所」を意識する機会もあまりありません。
しかしそれらは現在の首長の力量面で語られることが多く、一過性のものです。「吉村知事が行動力あるから、大阪に住んでてよかった」と思う人がいても、「大阪に住もう」とはなりません。会社が社長の手腕をアピールしたらワンマンぽくて引退後が心配なのと同様に、トップではなくて組織そのものに強みを持たせてアピールできる要素を作り出すべきでしょう。
最後に、会津若松市のマイナンバー申請
今回の給付金申請をきっかけとしてマイナンバーカードの申請をしたところ、案内では申請日から1ヶ月程度とのことでしたが、3週間ちょっとでできあがりました。
申請はスマホからでしたが、わからないことがあったので事前に特設の申請支援コーナーに立ち寄り、的確な対応をしてもらいました。
スマートシティを目指す会津若松が、役所手続きがスマートに処理されないならば冗談にもなりません。自らプレッシャーかけただけあって、がんばってくれていると感じるのは市民としてありがたいことです。
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