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4さいのときのにっき(#たまごまると舟を編む)

(写真は、ドイツのライン川に浮かぶ観光船。)

今日は、フォローさせていただいている「たまごまる」さんの、こちらの企画に参加させていただきたいと思います。(たまごまるさん、素敵な企画をありがとうございます!)

お題は、「◉Step1.子ども心に戻って日記を書く。◉Step2.その日記に出てくる単語を辞書を引いたり、インターネットで検索をしてかっこいい文章に変換する。」というものです。

参加させていただくにあたり、私の4歳のときの、ショッキングな出来事を日記にしてみました。記憶の不十分なところは若干、想像で補っていますが、肝となるシーンは、今でも映像として鮮明に脳内に焼き付いています。

サザヱ(4さい)のにっき

きのう、おかあさんが、いなくなりました。きょうは、おとうさんが、あさごはんをつくりました。おさかなが、こげています。おいしくない。でも、おとうさんが、こわいかおをしているので、なにもいわずに、たべました。

ゆうがた、おとうさんが、これから、おかあさんに、あいにいくぞ、といいました。わたしは、おかあさんがいなくて、さびしかったから、うれしくなりました。

おとうさんが、車をうんてんして、おでかけしました。白くて大きいたてものに、つきました。かいだんをあがって、たくさんのへやがありました。ドアをあけると、おかあさんが、まっ白いへやの、まっ白いふとんにねていました。おかあさんは、白いかおをして、わらっていました。ふたりのおばあちゃんも、そばにいました。

わたしは、おかあさんに、だっこしてほしかったけど、おかあさんは、りょう手に、白いぬのにはいったものをもっていました。そのなかには、赤くて、しわしわで、きもちのわるい、へんなものがありました。ちょっと、うごいている。いきものだ、とおもいました。

おかあさんは、そのいきものを、わたしにみせました。サザヱ、おまえのいもうとだよ。かわいいでしょう。といいました。

わたしは、びっくりしました。そのいきものは、小さくて、赤くて、しわしわです。このあいだ、どうぶつえんでみた、さるみたいです。

いもうと、というものは、にんげんで、かわいいものです。だって、となりの、みきちゃんのいもうとは、ちいさいけど、にんげんだし、かわいいいもん。

だから、わたしは、おかあさんに、ぜんぜん、かわいくない。きもちわるい。といいました。

すると、おかあさんも、おばあちゃんたちも、こまったかおをしました。おとうさんは、こら、といって、おこりました。わたしは、よくわからなくて、こわくて、かなしくて、ないてしまいました。

サザヱ(4X歳)による変換後

昨日、母が、自宅から忽然と姿を消した。今日は、父が、朝食を準備した。焼き魚が焦げている。お世辞にも美味とは言えない。しかし、父が怖い表情を浮かべているため、黙々と食した。

夕方、父が、「これから、おかあさん(母)に会いに行くぞ」と言った。私は、母が不在で寂しい思いをしていたため、歓喜した。

父が車の運転をして外出した。白く大きい建造物に到着した。階段を上がると、たくさんの部屋があった。そのうちの一つの部屋のドアを開けると、そこは、白い部屋で、白い布団に母が寝ていた。母は、青白い顔をして微笑していた。二人の祖母も側にいた。

私は、母に抱擁して欲しかった。しかし、母は、両手に、白い布で包んだ何らかの物体を抱えていた。その中には、赤く、皺の多い、不気味で不思議なものが包まれていた。少し動いている。何らかの生命体だと確信した。

母は、その生命体を、私に見せた。「サザヱ、お前の妹だよ。可愛いでしょう。」と言った。

私は、驚愕した。その生命体は、小さく、赤く、皺だらけだ。過日、動物園で見学した、猿を想起させた。

妹、というのは、人間であり、可愛いものであるはずだ。何故なら、隣家の娘で、私の友人であるミキちゃんにも妹がいるが、彼女は、小さいが、紛れもなく人間であり、かつ、可愛いからだ。

それゆえ、私は、母に、「全然、可愛くない。気持ち悪い。」と言った。

すると、母も祖母たちも、困惑の表情を示した。父は、こら、と言って、私を叱責した。私は、理解不能な状態に陥り、畏れと悲しみのあまり、落涙した。

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