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4月5日(2008年)監督交代の躓(つまず)きを吹き飛ばす静岡アウェイ2連勝

 2008年4月5日(土)、浦和レッズはエコパスタジアムでジュビロ磐田とJリーグ第5節を行い、2-1で勝利した。3日前には日本平スタジアムで清水エスパルスに勝ち、初の静岡アウェイ連勝となった。

開幕2連敗で監督が交代

 この年、レッズはJリーグ開幕戦のアウェイ横浜F・マリノス戦とホームの名古屋グランパス戦に連敗。3月16日(日)、これは名古屋戦の翌日だが、クラブはホルガー・オジェック監督の解任とゲルト・エンゲルスコーチの監督昇格を決定した。開幕からわずか2連敗での監督交代はJリーグ最速だった。
 この年のレッズは、前年果たせなかったJリーグとACLの2冠奪取を掲げており、そのためには、これ以上負けるわけにはいかないが、現状を見ると今後好転する兆しが感じられない、ということで監督解任の判断が下されたわけだが、どうしてもっと前に、たとえば前年、監督続投を決める際にその判断ができなかったのか、という疑問もあった。

Jリーグで第3節で初勝利

 開幕2試合での監督交代は大きな衝撃だったが、チームを結束させるには十分な“効果”があった。再スタートとなった3月20日と23日のヤマザキナビスコカップ予選リーグ2試合は1分け1敗と振るわなかったが、30日のJリーグ第3節アルビレックス新潟戦はホームで3-0の快勝。シーズン初めての勝利、そしてエンゲルス監督にとってもレッズでの初白星となった。

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浦和に戻らず静岡で練習

 続いて、レッズとして初めての静岡勢との連戦を迎えた。アウェイ2連戦は普通のことだが、2試合とも静岡県のチームが相手だったことはそれまでなかった。水曜日に清水戦、土曜日に磐田戦という日程で、中2日のアウェイ連戦は厳しいが、この場合は同じ静岡県内での試合というのが、条件としては良かったかもしれない。4月2日、日本平で清水に2-1と逆転勝ちすると、レッズは浦和に戻らず静岡県内で2日間練習を行い、土曜日の磐田戦に備えることができた。

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トップ下、闘莉王の活躍で逆転勝ち

 共に2勝2敗で迎えた第5節、レッズは前節同様早い時間に失点を許し前半を0-1で折り返した。
 エンゲルス監督は後半19分に選手交代で攻勢を仕掛け、さらに田中マルクス闘莉王を1.5列目に上げるという思い切った策に出た。
 前年は3バックの一角、この年はボランチに入っていた闘莉王は守備だけでなく攻撃参加からチャンスを作り自らのゴールも多い選手。攻撃的ポジションでその力を生かすということだった。
 その試みが功を奏した。後半26分、平川のロングパスを闘莉王が頭で落とし阿部勇樹が同点ゴールを決めると、その8分後、再び平川のクロスから今度は闘莉王がヘディングで勝ち越し弾。前節と同じ前半0-1、後半2-0というスコアで逆転勝ちしたのだった。

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今後の向上を予感させる内容

 サッカーどころとしてのライバルでもある静岡アウェイ連戦で2勝という爽快感。また開幕2連敗で監督交代という最もネガティブな状況から3連勝で順位も4位に浮上。さらに監督の采配に選手たちがしっかりと応える様子が伝わってきて、その後の向上を予感させる2試合だった。

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 アウェイ2連戦が中2日の場合、その場所によってはチームが浦和に戻らないことはよくあるし、僕もそのまま現地に留まることが多い。その中でも、あんなに楽しい気持ちで終わった3泊4日はほかになかったと思う。

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