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6月11日(2005年) 消化試合で真剣勝負の経験を積める機会だったが

 2005年6月11日(土)、浦和レッズは新潟スタジアムに乗り込んで、アルビレックス新潟とヤマザキナビスコカップ予選リーグ第6節を行い、0-3で敗れた。第1節から勝ち続け、第4節終了時で予選リーグ通過が確定。第5節を終えて全勝で1位通過が決定しているという、それまでにない好成績で迎えた最終節だった。

台所事情もあり先発6人が変更

 第6節には誰が起用されるのかが注目された。新潟はレッズに勝てば決勝トーナメント進出の可能性が十分ある。レッズにとっては消化試合でも、新潟は勝利への意欲が高い試合になるに違いない。若い選手が経験を積むのには絶好の機会だと言える。

横山拓也
細貝は公式戦初先発(出場は2試合目)

 第5節と比べて先発6人が替わっていた。出場機会の少ない選手、とりわけ前年に加入した横山拓也、この2005年に加入した細貝萌が先発したところに、ギド・ブッフバルト監督の意図を感じたが、実はケガ人が多くいて、選択の余地はあまりなかったという台所事情もあった。
 新潟のホームゲームは多くの入場者で知られるが、レッズ側も非常に多かった。若手を見に来ました、という人もきっと多かっただろう。この日の入りは39,154人だった。

このころの新潟スタジアムはチケット取りが大変だったはず

アルパイ退場で前半に3失点

 試合は7分に失点。さらに18分にDFアルパイが2回目の警告を受け退場になる。
 僕の興味は、横山や細貝のプレーに加えて、1点ビハインドの10人でどう戦うか、ということにも広がった。しかし32分、37分と連続で失点。前半で0-3になってしまう。守備の連係にミスが出たことも痛かった。

後半、ルーキー赤星が出場

 後半は勝負よりも、交代で誰が出るか、この状況でいかに点を取るか、ということが焦点だった。
 70分にルーキーの赤星貴文が出場。この試合、お目当ての一人だった。
 赤星はこの年、藤枝東高校から新加入。前年の12月には高校選手権に出場し、残念ながら3回戦で国見高校に敗れたが、1回戦から3試合とも埼スタまたは駒場が会場だったので、観戦に行ったレッズサポーターも少なくないだろう。僕も行った。

 だがレッズ加入後、公式戦への絡みがなく、このナビスコ杯新潟戦が初めてのメンバー入りだった。この試合だから、ということがあるにせよ、出て活躍すればその後の足がかりになる。だがピッチに出なければその可能性もない。
 特に赤星だけを意識していたわけではなく、この年に加入した細貝をはじめ、大山俊輔、近藤徹志、中村祐也、サントスら高卒新人6人衆が試合に出てレギュラー陣を脅かすことがチームの底上げになるわけだから、みんなに頑張って欲しかった。ちなみにベンチには大山もいたが、赤星の交代が3人目だった。

これがプロ公式戦初出場の赤星

また、ああいう機会が欲しい

達也はシュートを5本放ったが

 レッズは田中達也の5本を最多に前後半で18本のシュートを放ったが無得点。赤星はシュートチャンスがなかった。数的不利ということもあったし、チーム全体がリズムを作れない中、爪痕は残せなかった。
 この試合について、当時の森孝慈ゼネラルマネジャーは「若手が実戦経験を積んだのが収穫」と語ってくれたが、それだけだった。あれで1点でも取っていて、それに若手が少しでも絡むとかすれば、もっと意義のある試合になっただろう。こういうシチュエーションはなかなか作れるものではないだけに残念な結果だった。

MDPから

 また、ああいう機会が来て欲しいと思っているが、ACLに出場するとルヴァンカップの予選リーグはないしなあ。

 さて、みなさんは2005年6月11日、何をして何を感じていましたか?

※この内容はYouTube「清尾淳のレッズ話」でも発信しています。映像はありませんが、“ながら聞き”には最適です。
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