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⑪清尾→小齋「ACL初の韓国、全州。ゴール裏に現れたURAWA」

 小齋くん、こんにちは。
 2023/24ACLのレッズ初戦。武漢三鎮戦を見終わって、これを仕上げています。

 レッズはこれが8回目のACL出場ですが、中国のクラブとは案外あまり対戦していません。上海申花、広州恒大、北京国安、上海上港、山東泰山の5クラブだけなんです。韓国とは8クラブと顔を合わせているのに比べて少ないですよね。

 で、レッズは対中国勢に分が良いと言われているんですが、初対戦の試合は負けが多かったんです。ACLの形式大きく変わった2009年以降の話なので、2007年の上海申花戦を除きます。
 2013年の広州恒大、2015年の北京国安、2017年の上海上港と、初対戦は全部黒星だったんです。しかも全部アウェイでした。山東泰山とACLで初対戦したのは昨年でしたが、当時中国はみんなユースチームかサテライトチームを出してきていたのでこれは除外します。ただ、山東泰山の前身、山東魯能とは2007年のA3で初対戦していますが、そのときも負けています。
 
 とにかく中国のクラブとの初対戦しかもアウェイ。
 その状況って、今日(もう昨日か)の武漢戦も同じだったんですよ。なので心配していました。
 それがアディショナルタイムに追い付いて2-2のドロー。勝つことはできなかったものの、アウェイドローはACLの戦い方でもあるし、対中国初戦というゲンの良くない状況で、これまでの嫌な流れを変えたと思います。

 さて、いただいた⑩への返信です。

 達也とハセですか。たしかに仲が良かったですね。
 達也は2001年にレッズ加入で2003年ナビスコ杯ニューヒーロー賞(決勝MVPも獲りましたが)、長谷部は2002年に加入し、2004年ナビスコ杯ニューヒーロー賞。1歳違いで同じような地歩の固め方をしたとも言えます。そしてピッチでは長谷部のパスから達也が決める。たまに逆の流れもありましたが、基本的にMFとFWの関係でした。三菱自動車のポスターで、こんなのがありました。

レッズであんなアイドル系のポスターは珍しかったです。すごくハマっていましたけどね。ポスターだけでなく、ジグゾーパズルやいろいろなノベルティに使われたと思います。

 さて2007ACL準々決勝第2戦です。
 今でこそ、日本も韓国も4クラブの出場枠があるので(プレーオフ含め)、たいていグループステージで「日韓対決」があるのですが、当時は2枠ずつだったので、レッズはグループステージでは韓国のクラブと当たりませんでした。なので、これが初めての韓国遠征でした。僕自身は2001年に初めてソウルに行っただけで、2度目の韓国入りでした。
 
 全北現代モータースの本拠地、全羅北道全州市はソウルの南150kmぐらいの場所にあって、たしか金浦空港から韓国版新幹線で太田まで行き、そこからバスで1時間半ぐらいかけて移動しましたよね。

韓国で移動中の選手たち

 試合日の9月26日は韓国の旧盆最終日にあたり、日本同様、地方へ里帰りした人たちが首都圏へ戻る日。ソウル→全州は問題ないが、全州→ソウルは渋滞するだろうと、韓国に詳しいライター、吉崎エイジ―ニョさんが第1戦のMDPに書いてくれていました。僕らは試合日に全州泊まりだったので影響はなかったですが、試合を終えてその日に空港やソウルのホテルに向かうサポーターはどうだったのでしょうか。

全州ワールドカップスタジアム

 会場の全州ワールドカップスタジアムですが、前日練習がサブグラウンドで、選手たちは練習後、メーンピッチの感触を確かめにスタジアムに入ったようですが、僕はスタジアムの外周を見て少し驚きました。

前日練習の選手たち

 ワールドカップスタジアムというからには、埼スタと同じくらいにできたんですよね。築6年にしては、スタジアム周りの通路や階段の劣化が目立ちました。「埼スタはこんなにひどくなってないよな?」と思い出しながら歩きましたが、もしかして外周までは力を入れなかったのかな、と感じたものです。

外周はちょっと悲しい様相でした。

 あと、前日記者会見では全北の監督が歌手の橋幸夫に似てるなあ、とバカなことを考えていました。英語だったら何とか少しでも自分で理解しようと集中して聞くんですが、韓国語はお手上げなので、逆にそんな余裕ができてしまうんです。あと、前の席でメモを取っている広報担当らしき女性がバリバリ仕事できそうで格好良かったです。

チェ・ガンヒ監督

 試合日、早くからレッズサポーターがスタジアムに駆け付けて、というか押し寄せてきたのは予想どおりでした。バスは60台以上だったということです。

 開門前、入場待機列を見てだんだん不安になってきました。列がどんどん階段の下まで伸びていくのに、ビジター側入り口門扉の向こうには長机が2台置いてあるだけで、係員もいません。16時に開門されたのはいいですが、入場レーンは一列だけ。待機列がなくなったのは17時半ごろでした。Kリーグでも、それまでのACLでもビジターサポーターが開門前にこんなに並ぶことはなかったかもしれないので、準備が不足していたのは仕方ないかもしれませんけどね。

入場口はこの右上。開門前に長蛇の列でした

 ACLのアウェイも4回目。楽しみなのはレッズサポーターがどれくらい来てくれて、どれくらい「URAWA」を見せてくれるか、でした。
 かつてチームのマネージャーをしていた水上裕文さんが、「僕ら(マネージャーたち)は、アウェイのスタジアムについたらロッカールームなどを模様替えするんです。極端に言えば、そこに駒場(当時)を作る。選手たちに極力、いつもと同じように過ごしてもらいたいから」と語ってくれたことがありますが、サポーターも同じだと思います。シドニーであろうと、上海だろうと、スタンドをできるだけホームの雰囲気に近づける。それでJリーグでは、よくダンマクを張る場所で相手のクラブスタッフともめるんですが、あれはそういう意図もあってのことだと思います。人数はホームの何分の一かですけど、メーンやバックの指定席にもレッズサポがいるのだから、その部分のフェンスにはレッズのダンマクを張らせろ、と。
 全州では、さすがにメーンやバックにまでは張っていないですが、ゴール裏はかなりレッズの雰囲気が出ていたと思います(トップの写真)。当時の資料では、このACLで最多の3,000人が来場したということでした。選手もゴール裏を見て、力強く感じたと思います。

 ノックアウトステージ、相手は前年王者、初めての韓国…。第1戦でリードしているとは言え、2-1は安心できないスコア。
 4回目の海外アウェイは、それまでで最もドキドキする中、始まったと思います。
 試合のリポートをよろしくお願いします。

ハーフタイムに撮ったお気に入りの1枚「全州の白星(月だけど)」

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