12月9日(2018年) 3度目の天皇杯は埼スタで これで主要タイトルがそろう

 2018年12月9日(日)、浦和レッズは埼玉スタジアムでベガルタ仙台と第98回天皇杯全日本サッカー選手権の決勝を行い、1-0で勝利した。これにより、2016年のYBCルヴァンカップ、2017年のACLに続いて、3年連続で主要タイトルを獲得すると共に、翌年のACL出場権も手にした。

 この2018年は監督が2回替わった。
 前年、7月末から指揮を執り、チームをACL優勝に導いた堀孝史監督がリーグ戦開幕5試合で解任され、大槻毅暫定監督を経て、第10節からオズワルド・オリヴェイラ監督が指揮を執った。
 ワールドカップロシア大会により、5月半ばからリーグ戦が約2か月中断したことは、チームとオリヴェイラ監督にとって幸いだったと言える。その期間に静岡県のJ-STEPでトレーニングキャンプを行ったことで、第10節から1勝2分け3敗と不調だったリーグ戦の成績は、再開の第16節から持ち直し、中断前の14位から徐々に順位を上げていった。

 シーズンの目標はACL出場権の獲得に絞られていた。第30節終了時は暫定で3位に勝ち点1差の5位と、リーグ戦での出場権獲得も十分可能な位置にいたが、ラスト4試合を2勝2敗で5位に終わった。だが天皇杯ではベスト4に進んでおり、リーグ閉幕後に準決勝、決勝を控えていた。
 以前は12月29日に準決勝、元日に決勝というのが天皇杯の定番だったが、ここ10年ぐらいは変わってきている。この2018年は、準決勝が12月5日、決勝が9日だった。

 レッズは準決勝で鹿島アントラーズを下した。カシマスタジアムで1-0の完封勝ちという、胸のすく内容と結果だった。なんで12月5日の「あの日」でこの準決勝を取り上げず、同じ鹿島に3連覇を決められた2009年を書いたんだ!と責められそうだが、そこは「歴史の語り部」(自分で言うな)としての判断だ。

 決勝の相手、仙台はモンテディオ山形との「みちのくダービー」を制して、初めての決勝進出で勢いに乗っていた。

この文字が張られた埼スタに行ったのは初めてだった(2008年12月9日)

 だが会場は埼玉スタジアム。前年も埼スタでの決勝だったが、レッズはラウンド16で姿を消していた。何としてもここで3度目の天皇杯制覇を、という思いはチームに強かった。 それはサポーターも同じで、選手入場の際、北のゴール裏に巨大なエンブレムを浮かび上がらせた。いわゆるコレオグラフィーではない。メーンとバックのアッパースタンドからロープを渡し、人力で吊り上げたのだ。北ゴール裏以外のスタンドからはレッズのエンブレムが空中浮遊しているように見えただろう。日本サッカー協会のホームページにも、天皇杯決勝を報じる写真として使われた。

 試合は13分に宇賀神友弥がCKのこぼれをダイレクトボレーで蹴り込み、レッズが先制する。その後は初タイトルへの意欲に燃える仙台の猛攻を受けるが、冷静な対応で同点ゴールを許さず、レッズは初めて天皇杯を埼スタで、しかも元日以外の日に、そして夜の時間帯に掲げた。 

夜の埼スタで天皇杯を獲るのは最初で最後だろうか

 2006年のJリーグ、2007年と2017年のACL、2016年のルヴァンカップ、そしてこの2018年の天皇杯。この5回の優勝は会場が埼玉スタジアムだった。JリーグやACLはホーム&アウェイが基本だから、ホームで優勝する確率は5割だが、ルヴァンカップや天皇杯が埼玉スタジアムで行われたのは、国立競技場が改修中のためで、たまたまだと言える。味スタや日産スが会場でもおかしくなかったはずで、レッズが優勝したときのカップ戦決勝会場が埼スタだったのは非常にうれしい。
 Jクラブが獲れる4つの主要タイトルをすべてホームスタジアムで獲得したのはレッズだけで、これは鹿島アントラーズや川崎フロンターレには味わえない喜びだ。

 さて、みなさんは2018年12月9日、何をして何を感じていましたか?

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