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3月26日(2005年)J1の大宮とナビスコ杯でさいたまダービー

市単位のダービーは日本で唯一

 2005年3月26日(土)。浦和レッズは駒場スタジアムに大宮アルディージャを迎えてヤマザキナビスコカップの予選リーグ第2節を行った。
 大宮が初めてJ1に昇格した年で、Jリーグではなかったが、浦和レッズとの初めての公式戦であり、2001年にさいたま市が誕生してから初めての「浦和レッズvs大宮アルディージャ」、すなわち初の「さいたま」ダービーだった。

 このころ日本には、ほかに同一市内のダービーはなかった。FC東京と東京ヴェルディの「東京ダービー」がそれっぽい雰囲気の言葉だが、どうなのだろう。1千万都市の東京都がホームタウンというのはダイナミックだが、東京の人たちは我々が「浦和が自分のまち」というのと同じ感覚で「東京」をとらえているのだろうか。

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ダービーよりも歴史的な対抗意識

 まあ他の地域のことはともかく、当時は「同じ市をホームタウンとする日本唯一のダービー」として全国的にも注目された。
 だが僕の感覚―「僕らの感覚」と言ってもいいと思うが―では、さいたまダービーだから盛り上がるというわけではなかった。相手が大宮だから絶対に負けたくない、という感覚だった。
 3月25日のときにも書いたが、この5年前まで浦和と大宮は、それぞれ特長を持つ埼玉県の同規模中核都市である、いろいろな分野でライバル意識があった。だから合併で同じ市になったといっても、2005年当時はまだ「さいたま市」にまったく慣れていなかった。レッズとアルディージャに関して言えば、市が合併したことで、より対抗意識が強くなった。たとえるなら、もともと仲の良くなかった2人が、親同士が再婚したことで戸籍上の兄弟になったことで、よけいに反目し合うようになったようなものだ。「あんな奴と兄弟なんてとんでもねえ!」「あいつと同じ名字なんてまっぴらだぜ!」てな感じで。もちろん自治体の合併は、さまざまなメリットがあるから行われるわけで、そういう弊害には目をつぶって粛々と進行していったのだろう。

好敵手ではない「勝つべき相手」

  試合は田中達也とエメルソンのゴールで前半2点を先行したレッズが、大宮の反撃を後半の1点に抑えて、順当に勝利した。
 J1クラブ同士の試合なのに、わざわざ「順当に」と書くところが僕の気持ちが表われているな。
 この「俺たちの方が格上」という感覚は多かれ少なかれ、ほとんどのレッズサポーターに共通していて、それは大宮がJ1に定着していってからも変わず、この後のさいたまダービーは、ずっとその心情がベースにあって行われていったと思う。大宮サポーターの胸の内はわからないが。
 いわゆる「好敵手」的なとらえ方をしていたら、あそこまで熱くならなかったはずだ。

埼玉ダービーより少ない入場者

 ところでこの日の入場者は、土曜日にもかかわらず17,494人。5年前の初「埼玉」ダービー(3月25日)が2万人を超えていたことを考えると少ない。
 埼スタでの試合がだいぶ増えて、「埼スタ」シーズンチケットが出はじめたころだと思うが、駒場を含めた「フルゲーム」シーズンチケットを手放す人は少なかったはずだ。駒場のチケットを単発で買う人が少なかったということだろうか。正確な要因はわからない。ちなみにこの年、大宮ホームのナビスコ杯予選リーグ第5節は埼スタで行われ、26,397人の入場者だった。

 そして、この2005年は、ナビスコ杯2試合、Jリーグ2試合に加えて、天皇杯でも大宮と対戦した。さいたまダービーでお腹いっぱいになったシーズンでもあった。

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 さて、みなさんは2005年年3月26日、何をして何を感じていましたか?

※【あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~】は、レッズサポーターのみなさんから投稿を募っています。浦和レッズ30年の歴史をいっしょに残していきましょう。詳しくはマガジン「あの日のわたしたち~浦和レッズ30年~」のトップページをご覧ください。

追伸:「2005年が『埼スタ』シーズンチケットが出はじめたころだと思う」という記述について、noteを読んだ人から指摘がありましたので、紹介します。

「お疲れさまです。
2005年はリーグ戦17試合のうち埼スタ13、駒場4でしたね。2004年が埼スタ9、駒場6なので、2005年から埼スタ中心になっています。2006年は埼スタ15、駒場2までになっています。以降はおなじような比率です。
ちなみに2005年のシーズンチケットは埼スタも駒場も対象でした。2006年に初めて埼スタシーズンチケットが新設されました。フルシーズンチケットと埼スタシーズンチケットが混在し、埼スタシーズンの人には駒場優先購入権が与えられました。現在はフルシーズンと埼スタシーズンという区別はなく、駒場開催はシーズン対象試合から外れています」


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